【SNK】都合のいい男【KOF】
先日、『KOFAS』、いわゆるおるすたくんのサービス終了決定のリリースがあった。今年の10月いっぱいで幕引きということで、今回のアプデで追加されたガチャが最後となっている。ちなみにオーラスで実装されたキャラがこちら。
『98』版の暴走庵とプリティー・チャンの色替え。ほかにもっと優先して実装すべきキャラがいただろうに、なぜこの2名なのか。そもそもおるすたくんは、UEキャラが実装されて以降、融合だの量子だのプラグインだのといった理解しづらい新要素がどちゃっと追加されるとともに、戦闘力が一気にインフレしてしまった。大雑把にいえば、通常キャラはどうがんばっても戦闘力10万前後で打ち止めなのに対し、EXキャラは約30万、UEキャラにいたってはふつうに300万を超えてくる。もちろん戦闘力がすべてではないわけだが、これでEXすら出ない恒常ガチャを回そうという人間はたぶん皆無だろうし、新要素が一気に増えすぎてやる気を削がれたユーザーも多かったのではないだろうか。
まあそんなこんなでおるすたくんには、ついに未登場のまま終わることになったキャラがわんさかいる。そもそもストーリーが『2003』までしかなく、シュンエイ編はもちろん、アッシュ編のキャラの大半がスルーされてしまった。少し前にUEで実装されたシェンは運がいいほうといえるだろう。K’なんて主人公なのにUEもらえなかったしな。
がしかし、今回はおるすたくんの話ではなくそのシェン、シェン・ウーさまのお話。
アッシュ編の新キャラとして登場したシェンは、上海の裏社会で喧嘩三昧のすさんだ生活をしているゴロツキで、必殺技のエフェクト的にはともかくとして、設定上では特に由緒正しい武術の使い手でもなければ異能の力を持っているわけでもなく、さらには肉体を改造をされているわけでもない、純粋に素手で相手をブン殴るだけの男である。ヘンな色の炎を飛ばしたり悪霊を飛ばしたり、ワープしたり分身したりするチームメイトたちを横目に見ながら、
「うおおおおおおおおお!」
などと叫びつつ、殴る、蹴る、頭突く! 非常に判りやすいキャラといえよう。
そんな判りやすいシェンは、設定上の出自としては謎が多く、正確な出身地や本名、家族構成などが明かされていない。この部分では、伝説の暗殺者集団出身であるデュオロンのほうがなぜかはっきりしているという逆転現象が生じているわけだが、それはまあともかく、こういうキャラクターはとても都合がいい。それは、キャラ同士の関係上、しがらみが少なく、出しやすいという意味である。
実際、『MIA』を作っていた時にも、続編にはシェンを出そうという話があった(社とコンパチで作れそう、みたいな感じで)。シェンは性格的にあまり他者とつるみたがらない気質で、強敵と戦えるだけで大喜びする人種なので、大会参戦動機も深く考える必要がないから、ぽろっと『MI』シリーズに出しても違和感がない。そしてそれは、今後のタイトルでも似たようなものだろう。
たとえばデュオロンの場合は、現状、どうしても飛賊の因縁とは切り離せないため、ユーザーからすると、そこがまったく進展しないのはやはり不満を覚えるだろう。デュオロンを出すなら飛賊の話もケリつけてよ! みたいな。しかしシェンにはそういうしがらみが少ない。しいていえばオズと少しばかり因縁があるが、あれも長々と引きずるほどでもないし。
要するにシェンは、身軽なのである。他人とかかわりがないわけではないが、何人かのキャラとの間にはしっかりとしたフックがある。が、かといってその関係性に拘泥するわけでもない。とにかく戦うことが好きなので、機会があれば貪欲にKOFにも参戦するだろう。チームの3番手ではあるが、おそらくユーザー人気もそれなりに高い。製作する側としては、こういうキャラはとにかく便利で使い勝手がいいといえる。
つまり、ぼくが何をいいたいのかといえば、
『KOF XV』新キャラ追加決定おめでとうございます! これはもうシェン実装は決まりだな!
※2024年9月現在で判明している追加DLCキャラはマチュアとバイスだけです。