おまもり(デジタルのすがた)
ワイヤレスイヤホンを家に忘れた。
イヤホンはノイズキャンセリングを何より重要視して買ったものだった。全ての音は遮断しきれないが、ある程度周囲の音と自分好みの音楽が共存できるもので、気に入っているを通り越してお守りのようになっている。
周囲の音が選択を余儀なくされ、全て耳に入ってくる。不調寄りの時は、それが厳しい時もあり、音が全て聞こえることが心細いとは不思議なものだと思った。それなのにある程度静かで、ジャズ調の落ち着いたBGMがかかっているカフェでは心が休まる。
人々の語らいで元気をもらう元気な時ももちろんあるのに、同じ人間でここまでちがうものかと、自分自身を別人のように思った。