Tones and I「ダンス・モンキー」& 厳男子「ムラサキ」コラボ・ビデオ 制作ノート
概要
世界中を虜にしているTones and Iが、日本で話題沸騰中のダンス漫画『ムラサキ』とコラボ!「ダンス・モンキー」コラボ・ビデオが公開!!
作家の厳男子(きびだんご)氏がこのビデオのために描き下ろした『ムラサキ』の主人公「一条紫」による「ダンス・モンキー」ジャケットも登場。歌詞とリンクしイラストと楽曲がマッチした、躍動感に満ちたコラボ・ビデオに仕上がった。
イラスト:厳男子(LINEマンガ『ムラサキ』)
楽曲:Tones and I「Dance Monkey」
Edit:URBAN SOUL RELAX
公式MAD PVとして
今回 Tones and Iの「Dance Monkey」という楽曲の日本PR向けリリックビデオを「ムラサキ」という漫画の絵を素材にマッシュアップした公式MAD MVを制作させていただきました。制作ノートとして、ふわっとしたノリでメイキングを書いていこうと思います。
楽曲作品と漫画作品、このアーティストお二方の創作物を、うまいことシナジーを持たせて融合させるというのが僕のクリエイターとしての役割になっています。一般的な二次創作MAD PVとは成果物としての表現は近いところにありつつも、根本的な創作動機が違ってきます。
両作品をマッシュアップすることになるので、どちらも傷つけないようポジティブなクリエイションになるように配慮してあげたい、というのが僕の一番の気持ち。
表現手法を決めていく
そこで、僕はどこまで弄っていいんだろうかと表現手法を明確にして、YesかNoかお伺いをたてます。これはメーカーの人とブレストして、前提のリクエストもあれば、僕から提案したり、表現する上でのレギュレーションを決めていきます。
この成果物はリリックビデオとしても機能し、可読性を担保する必要がある。漫画の吹き出しの中に楽曲のリリックを入れるというリクエストがあるため、漫画のストーリーを伝えるような方向性にはなかなか向けるのが難しいのですが、とはいえイメージをただ散らしていくのだけでは軸がないので、両作品の"ダンス"という要素と、漫画主人公の成長過程を、抽象度は上げつつ、シナジーを持たせて、どこのコマを使うか、どういう流れで構成するか検討します。漫画の時系列でコマを扱うこともシンプルでいいのですが、やはりPVとして考えた時に、時系列は実際バラすことになりました。他事例と見比べると、音楽 x 漫画のコラボ動画は、いくつかあるのですが、今回のようなアプローチは結構独特な事例となりましたが、まあうまく落とし所は見出せたかな、と。
実際の制作過程
実際の制作過程としては、
パートごとに色振って、キックのタイミングにキーポイントを細かく打っていきます。Intro-Verse-PreChorus-Chorusという風に楽曲の構造を理解します。で、全体のシーケンスを見た時に、表現としてどこに抑揚をつけたりするかなど、考えたりします。
そして、各パート毎にプリコンポジションを用意して、実制作に入ります。いつもこの手のPVを作るときは、各パートの前後のりしろを多めに敷いて書き出しをして、ビデオ編集ソフトでタイミング合わせてシーケンス作っていくんですが、今回はラストのコンポジションまで、AfterEffectsで完結させてみました。各パートのプリコンポジションで音との同期をかなり詰めて、モーションの機微を反映させたくて。正直AfterEffectsのプリレンダリングでは同期確認していくのが苦手だったんですけども、今回はAfterEffectsで挑戦してみて、意外にピタッとハマってくれて、スムーズに作業できました。実際、音と映像のタイミングをピタッとはめるわけではなく、スウィング調整をして、フレームは各シチュエーションで、ズラしたりします。
各パートに必要な素材は、予めPhotoshopで漫画のコマをレイヤー分けして、下ごしらえをしておきます。このような流れで、あとはゴールまで頑張るだけです。
さいごに
これらが成果物までの大雑把な流れです。漫画絵をチョップして、アニメーションぽく動かしたりするような案件、ずっとやりたいと思っていたので、ちょうどいい機会をいただきました、楽しかったです。ただ、漫画をプロモーションするためのPVではなかったので、漫画絵をどう解体して再構築するかを考えるのが、カロリー消費高かったですw。
また、制作ノート書ける機会があったら記事にしたいと思います。
Y-park(URBAN SOUL RELAX LLC)
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