アンザで交差
2024/8/14
宿の共有スペースを通り抜ける際、不意に聞こえた日本語。
『えっ、まさか此処に…?』
見ると、明らかに鍛えてるであろう体格の良い若者が電話をしている。
その日本人、アツシ君とは昨日、同じ北海道出身というキッカケから話が弾み、意気投合した私達はこの日、16Km離れた隣町のタガズートまで散歩する事になった。
それにしても、無名のアンザに日本人なんて珍しいなと思っていたが、なんとアツシ君は青年海外協力隊の隊員との事。
つまり旅行ではなく、モロッコ在住なのだ。
なるほど、それならこういったマイナーな場所に来るのもわかる気がする。
道中は彼の知る“住んでいるからこそ見えてくる”モロッコの実情や、私の旅の話などで盛り上がる。
いやそれだけではないな、会話が尽きないのはやはり何か“ノリ”が合うのだろう。
そう思っていると、アツシ君は日本にいる頃から自転車旅をしていたり、ゲストハウスを転々としながら東京で暮らしていたりしていたらしい。
海外はモロッコが初めてというが、どうりで“旅慣れ”しているわけだ。
一通り楽しんで宿に戻った私達は、ひとまず休憩。
その後「夜飯食いに行きませんか?」と誘ってくれたアツシ君と再び外へ。
充実した時間はいつもあっという間だ。
そして明日、アツシ君はバスでサフィという街へ。
私はエッサウィラという街を目指す。
お互いしばらくモロッコにいる予定なので、また会えるかもしれない。
今後の楽しみが増えた。
こんな偶然があるから旅を続けられる。
やはり私にとっては、出会いこそ旅なのだ。
いつか日本でアツシ君と再会した際、この日の出来事を肴に懐かしみながら乾杯したいなと思いつつ、40,000歩を超えた心地良い足の疲労と共に眠りについた。
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2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。
なので今後どうなるかは私にもわかりません。
その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。
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