なにかが変わる弟子屈暮らし vol.37
朝起きて山を見るとほんの少し、また色づいているのがわかった。
気温は5度。ひんやりとした山の冷気はこれから来る冬を思わせた。
あと3ヶ月で今年も終わり。色々こなしている間にあまりにも早く過ぎ去ってしまう。それならば先回りして来年のことも考えてみる。
北海道アウトドア検定を受ける
9月頭に試験を控えていた。
8月ごろはテキストを読み込んだり、ノートに書き写したりと久しぶりに勉強らしいことをした。思えば試験の為に勉強をするなど、社会人になってから初めてだった。
試験は基礎と応用に分かれており、基礎は講習を受けることで免除されるのだという。そのため、講習を受けて応用を受けるのが多数派らしい。私はその講習があるのかどうかよくわからなかったのと、長い講習を受けるより、試験を受けた方が早いと思い、基礎と応用の試験を5250円を払い、受けることにした。
試験の後に慌ててテキストを読み返し、正誤を確認しては間違ってた!とか当たってた!と一人で一喜一憂。間違えたものはよく覚える。勉強って楽しい。
新しい家で迎える秋
新しい家は窓から見える葉が綺麗だ。
日が傾くとゆらゆらと影が踊り、それが美しかった。あまりに早かった夜明けもちょうど良い時間になり、ブラインドから日が差し込むのを目覚ましに起きられるようになった。
車の音は殆どないが、雨が降ると沢の音がすこし耳障り。まあそれも本当に時々なのでよいかと思う。
給湯器がなく、家で使う全てのお湯は温泉で、暖房も温泉頼みだ。
室温が18度ほどになった日があったので、試しに地下にある温泉の栓を開けると数時間後には室温が26度になっていた。暑いのでしばらく窓を開けて冷気を取り入れていたがそれもおかしいので、温泉の栓を一回閉じて、蚊の鳴くような音がする程度にもう一度開けた。
今のところちょうどよく生活しているが、厳冬期は氷点下20度を下回るような外気に晒されるような環境で温泉の床暖房だけで本当に部屋が温まるのかは、未だ半信半疑である。
弟子屈の中心部から離れた屈斜路で暮らし始めて2ヶ月。いったいどうして今まで弟子屈市街に住んでいたのか理由がわからないと思うほど、中心部への用事はなかった。職場と家の距離は格段に近くなり、休憩に帰ったり忘れ物を取りに戻ったりと往来もし易くなりとても楽になった。
スーパーからはうんと離れたけれど、天然の舞茸やぶなしめじ、家庭菜園のお野菜や、庭のブルーベリーや手作りのチーズなど近所の方にいろいろ頂き、食卓は豊かだった。