なにかが変わる弟子屈暮らし vol.30
全然雪の降らない冬。
2月半ば、ようやく屈斜路湖が全面結氷して、それからは気温が10℃近くまで上がったり翌日には-15℃になったり(それでも例年より全然冷えていないと皆口を揃えて話す)、おかしな天気で除雪の入らないところはカチカチに凍っていた。
思い立って流氷
お昼に予定があったけれども、ほんの少し後ろ倒しになったのでそれならば!と思いたって流氷を見に行った。
大好きな以久科原生花園。
いくしな、いくしなと普通に言ってしまうが、こうして冷静に見ると難読かもしれない。
去年はじめて訪れて以来、ここで見る流氷が自分の中で格別なものになっている。
撮影が好きな人は、みんなそれぞれ自分の流氷スポットがあるように思う。
畑の雪が溶けてしまった
あまりにも連日暖かったので畑の雪が溶けてしまった。白鳥の鳴き声をよく聞くようになった。声のする方を見ると、たくさんの白鳥が畑に降り立っていく。
やっぱり怖い地吹雪
そんな予報ではなかったが、思いの外風が強い日があった。今年の冬は降雪も少なく、吹き飛ばす雪も無いような様相だったが、ちょうど前日に雪が降った。その日は仕事を終えて、さあ帰ろうかという頃、暴風で新雪が舞い上がり札友内の畑で視界不良に。
それでもまあまあ100mは見えるので焦ることはないのだ。
畑から雪が飛ばされて道に溜まっていることがあり、状況に応じてやむを得ず反対車線を走る。
前を軽自動車が走っていたが、ライトがこちらを照らした。半分ほど回転してしまったらしい。
左端では別の軽自動車が雪壁に突っ込んでいた。
万が一のことがあるし、そこまで強い吹雪ではなかった事もあり、車外に出て突っ込んでいる車の安否確認する。
ちょうどJAFを呼んだところだという。連絡手段もありマフラーも出ていたので、その場を後にする。網走に帰ると言っていたけれど大丈夫だっただろうか。
吹雪の日って凄くアドレナリンが出る。
滑らないように氷の上を歩き、前の車を見失う程の地吹雪の中を帰る。
満員電車に揺られていた数年前の記憶は遠く、もう誰か違う人の話のようだった。