なにかが変わる弟子屈暮らし vol.38
その日は仕事がなく、朝6時半に家の前を散歩する。
道に紅葉したカラマツの金の針のような葉っぱが道の両端を覆うように散らばっていた。日の出後のほんの短い間、霜が降りているのを確認できる。
晩秋は外が騒がしく、白鳥の大きな鳴き声と、雄鹿の立派なラッティングコールが昼夜問わず聞こえるが、人間が活動していない時間の方がより大きく響いているような感じがする。
アルプ美術館との出会い
大好きなのになかなか営業日と休みの合わない網走のUDON NEXTへ行く。メニューの一番上に一見邪道っぽい「明太カルボナーラうどん」と書かれており、私は一度それを食べてからそれ以外を頼めなくなっている。実はとり天が衝撃的に美味い。
(11月中に天ぷら役のお母さまが引退されるとのことで天ぷらは無くなるらしい。他のスタッフへ引き継がれることのないあたり、やはりあれは職人の料理だったのかと妙に納得。)
ここはもともとぬいぐるみ好きは知っている人も多い「やまね工房」があった場所だ。私もやまねさんのぬいぐるみを幾つか持っている。
うどんを食べ終わったらケーキでも食べようかと思っていたが、腹八分目。
食い意地は張らずにケーキは持ち越しに。
その後ずっと行きたかった斜里の「北のアルプ美術館」へ行く。
山の文芸誌「アルプ」の愛読者であり、串田孫一とも親交の深かった山崎猛によって創設された私設美術館だ。
無料の美術館なのにコーヒーを出してくださって驚く。
自然を思索の場とし、文芸、版画、写真と自己の表現に取り組んできたその結晶のような作品の数々に、日々の美しいと思うものをなにか形に残すこと、表現することを考えさせられる。そこに正解はなく、誰もが小さな芸術家。日常の風景に美しさを見い出すことを思う。
フィールドワーク月間
アウトドアガイド検定試験に合格したものの、勉強不足。
やはり歩くことが大事だと思い、フィールドワークと植物を一種でも多く覚えようとする。
・津別峠〜美幌峠
先日開通した北海道東トレイル、ならびに屈斜路カルデラトレイルの一部。
ウィキペディアや地図でしか見たことなかった屈斜路外輪山の代表格「サマッカリヌプリ」の山頂へ行くことができた。津別側は途中植林されているところがあって、16年の営業を終え2007年に閉鎖をした津別スキー場の跡地だという。もともとプリンスホテルの所有だったようだが財政健全化のための町への無料譲渡、町も財政負担を考慮し譲渡は受けず、そのまま閉鎖となったようだ。
美幌峠に近づくと樹林帯を抜け笹原へ抜ける。斜面の草刈りと道の造成は大変だっただろうと思われた。
・藻琴山駐車公園〜マリゴケ浜
こちらも北海道東トレイルの一部。もともと林道でもあり、使われている道なので歩きやすい。ちょうど時期がよく、紅葉やたくさんなった山葡萄とコクワの実が賑やかだった。
板状節理を教えてもらった。
溶岩円頂丘もよく見える。