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なにかが変わる弟子屈暮らし vol.13
東京都出身神奈川育ち一度も地方に住んだことがないのに、好きなだけで阿寒摩周国立公園の町 弟子屈町(てしかがちょう)に住んでみた感想や実体験を綴ります。
自分の心の変化の記録ですが、北海道への移住を検討中の方々の参考となれば幸いです。
弟子屈町はここ!
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天高く馬肥ゆる秋。
空が高く、もくもくとした雲が泳ぐように漂う。気温はとても冷え込んだと思ったら、生暖かい南風が吹いて嵐になり、その夕方には恐ろしいほどの夕焼けを見せたり、秋はなんだか気分屋。
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2万円の靴を買う
50キロ離れた中標津の某レンジライフへ遊びに行った。
お店の方に何かお探しですか?
と聞かれて、どういう訳か
「いいえ、特に何を探そうってことじゃないんです」と奇妙な返答をしてしまった。
こうして文字に起こしてみると、如何にも話したいタイプの顧客って感じだ。
「それ、凍結路でも滑らないスニーカーなんです」
手に取った靴の説明をしてくれると、なんとそれを履いている人を紹介してくれた。あれよあれよと、どんどん知っている名前が出るではないか。
「ということなので、まあみんなと被っても良いのであればおすすめですよ」という。
50キロ離れたお店で友人の名前を出してみんな履いてるよ!と言われるなんてなんかにやりとしてしまう。
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こだわりを持って選ばれた品々に目移りして、あれはどうだろう?これはどうだろう?と色々試すうち、チラ見をするはずが立派なローファーを抱えて店をあとにした。
屈斜路湖の夕陽
これは焼けるぞ〜!と慌てて屈斜路湖へ行った日。いつもの撮影隊のおじいちゃんが飛び跳ねて喜んでいた。これがマジックアワー。
「これを待っとったんだわ」#マジックアワー pic.twitter.com/M23Q2oUtc2
— urayama kaho | 北海道 (@urayama_doto) September 3, 2022
摩周湖でエンスト
調子の上がらないマイカー。
毎月少なくとも1600kmは走っている。坂道はいつも頑張りながら登っていく。買った当初から12万キロ、ベルトは奇妙な音を奏で、オイル交換は3000キロ毎と頻繁、加えて飛び石でガラスにヒビが入るミラクルもあり、購入から一年にして既に満身創痍なマイカーだ。
ある日、星がとても綺麗だったので天の川を見に展望台へ行くことにした。(それもまた贅沢な話。)その途中、のろのろとキツネが出てくる。こちらは急ぎではないので観察がてら停まってみた。すると、車がダラ〜〜〜っと下がってしまうではないか。困ったなぁ。咄嗟にサイドブレーキを引いてハザードを付ける。外は新月、漆黒の闇。電波も入らなかった。一旦切って気持ちを込めて(?)再始動したところ、一発でかかる。よかったよかった。無事、星空観察を楽しんだ。そんなことがあった。
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翌朝、雲海を見にまた摩周湖に行ってみることにした。
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すると、今度は摩周湖の展望台の駐車場で完全にエンストしてしまい、車は再びダラ〜〜〜っと後ろに下がっていった。
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今度はなかなか再始動も難しく、結局20分ほど掛かった。カーは現在入院中である。
自分がこんなに運転するとは思っていなかったので、その点含めて検討してもいい頃合いなのだろうか。
母に弟子屈を案内
やっと母が弟子屈に遊びに来ることになった。
はじめて一人で飛行機に乗って女満別空港へ降り立った母は、「意外とこんなにすっと行けるね!」と嬉しそうで、また達成感に満ちているように見えた。そうなのだ。航空券を買うお金さえあれば、羽田からたった1時間半でこのスケールの自然が見られるのが道東なのだ。
そんなに遠くないということを知ってもらえただけでも私は嬉しかった。
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月光が湖面に映って道のように
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2泊3日女満別空港IN釧路空港OUTのルート
1日目
13時女満別空港→卯原内サンゴ草群落→美幌峠→和琴半島カヌー→屈斜路宿泊 夜間摩周湖夜空観察
2日目
砂湯→川湯ビジターセンター近辺アカエゾマツの森など散歩→硫黄山→森のホールでお茶→摩周第三展望台→摩周湖カムイテラス(摩周第一展望台)→辻谷食堂・道の駅摩周温泉→弟子屈市街ツアー(車内より観察)→阿寒へ→鶴雅悠久泊
3日目
阿寒→釧路湿原展望台→木道歩き一周(1時間程度)→なごやか亭寿司→六花亭春採公園店→難読地名ロードを通って尻羽岬(私が行きたい)→釧路MOOでお土産→幣舞橋で夕陽(見れたらラッキー)→釧路空港
案内は我ながらずいぶん慣れてきたなぁと思う。
ルートを組む時に気をつけていることが3つある。
名所は全て周る。
無理な旅程を組まない。
自分が行ったことない場所をルートにいれる。
自分も旅を楽しむためにも3つ目が結構大事。
今回は行きたかった難読地名ロードを走行。
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私はまだ新米なので行ったことのないところがまだ沢山あるが、これからどんどんニッチな旅になっていくだろう。
秋の夜長とオリオン座
今まで「秋の夜長」は、日が早く沈むからのんびり過ごす時間が長くなるという意味だと思っていたけれど、この頃日が昇るのが遅いから星を長く楽しめるという意味のような気がしている。真夏、この時間には薄明かりが入り日の出が3時であったことを思うと、ずいぶんと夜が長くなっていると感じる。
深夜2時。
どうしたって休みの日の前は眠るのが遅くなる。すこしだけ外に出て星を眺めると、南東の空にオリオン座が光っていた。有名すぎる星座が冬の訪れをほのかに私に知らせていた。
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このポーズが流行ってると言われたが本当?
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また来てね
浦山 夏帆
1993年生まれ 東京都出身
横浜市立東高校卒業後、日本宝飾クラフト学院でジュエリー制作のふわっとしたところを学ぶ。宝飾業界8年目で、住んでみたかった北海道弟子屈町に住まいを移す。夢は森の中にアトリエを持つこと。鉄道とか山も好き。