なにかが変わる弟子屈暮らし vol.29
今年は暖冬。
そうは言ってもここは道東で。
連日の-15℃以下の低温で湖が凍りついた。
北北西の強風が吹くと、オホーツク海からじわじわと近づいてきていた流氷はいよいよ港をびっしり埋め尽くしているらしい。
かたや内陸、屈斜路湖の氷はみんな割れて、また釧路川を流れていった。例年1月末は凍っては割れるを繰り返している。
直下型地震のこととか
1月。ドンっという音がした。雪が落ちた音にしては変だなと思うと、グラグラと揺れる。
同じ町内でも10キロほど離れた弟子屈市街はほとんど気がつかない程度だったみたい。
震源は硫黄山の裏手から美留和の方角のどこか。弟子屈は直下型の地震が多く、度々M6程度の地震が起こると言われている。
弟子屈の作家、更科源蔵が纏めたアイヌ伝説集では「屈斜路湖の中島と大アメマス」の話があり、これは中島の下敷きになっている大アメマスが死に切れずに暴れるので地震が時々起こるというものだ。
毎日のように通る国道は断層が確認できた場所で有名。
1938年の屈斜路地震では水平方向に2.4mズレたんだとか。
弟子屈ならどこでもトイレできるでしょ?と周囲に言われるが、備蓄用携帯トイレを購入。100回分。風呂は温泉、水は湧き水があるといえばあるけれど、普段使わないのにいざという時に使えるだろうか。生活用水確保に大きいボトルを買って美味しい水道水、いれておこうかな。
一番の問題は暖房。灯油とヒーターがあれば万全だが。車の燃料はギリギリにならないように走行可能距離200km切ったら補充している。
弟子屈の地震計は3箇所。
弟子屈消防署、観光文化センター周辺、仁伏半島。ちょうど地震の翌日に仁伏半島にトレッキングにきたのでパシャリ。
天気は自分で予測する
最近天気は天気図、ウェザーニュースを見るようにしている。
移住3年目の冬。ずいぶん用心深くなった。
これまでにも、え?こんな天気って聞いてないぞ。ということが何度かあった。
悪くなる前日の夜にYahoo天気で何も表示がないのに視界が無くなるほど吹雪いたり。
もちろん全国ニュースではさほど取り上げられない。
北海道の天気予報も基本は札幌近郊のことが中心になるので、それ以外の場所はあまり情報が出ないのだ。
いつ悪くなるのか、どれくらい雪が降るのか、どれくらいの風なのか。
そういったことはある程度自分で予想していく必要があると思うようになった。
すこし先の釧路や中標津などへ買い物へ行った後、天候がみるみる悪化して通行止めにあって帰れなくなることもあるし、スタックといって雪道に埋もれたり、ホワイトアウトで前が見えなくなったりすると、危ない状況に身を置かなくてはいけなくなる。
悪天候に対する危機感は都市部で暮らす何倍も持っていないといけない。
知らないと本当に危ない。
楽しいお絵描きの時間
その日は話しながら絵でも描こうということになり、画材を持っていった。
100均の筆で水彩絵の具をとり、大好きな屈斜路湖とコタンの風景を描いた。
話した内容は1時間くらいで終わりそうな内容だったが、3時間ほど絵を描くことで何か温かい気持ちになった。友達は改装中の自宅を描いた。
写真ばかりだったけど、絵も悪くない。
絵は自由表現。上手いとか下手とかはやめた方がいいと心から思う。