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なにかが変わる弟子屈暮らしvol.9
東京都出身神奈川育ち一度も地方に住んだことがないのに、好きなだけで阿寒摩周国立公園の町 弟子屈町(てしかがちょう)に住んでみた感想や実体験を綴ります。
自分の心の変化の記録ですが、北海道への移住を検討中の方々の参考となれば幸いです。
弟子屈町はここ!
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春がやってきた
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日本で最も春が遅いといっても過言ではない、弟子屈町にも春がやってきた。
ここではエゾヤマザクラという桜が咲く。
この品種は開花とほぼ同時に葉も出てしまうので、見慣れたソメイヨシノに比べると花の見頃と言われる時期は本当に僅かな時間しかないように思えた。
誰かが「あら、花かと思ったらちり紙だったわね」と言った。キタコブシの花びらだった。
桜の前に咲くことや真っ白な花から、キタコブシはハクモクレンに似ていると思う。
だいたい3月の中旬くらいだろうか。関東でみていたハクモクレンは花が開かずピンとしていて、箱ティッシュの一枚目みたいだ。これを見るとあぁもうすぐ桜(ソメイヨシノ)が咲くなぁと春の訪れを感じる。
同じくこちらでもキタコブシが咲いた後にエゾヤマザクラが咲くようで。今年はほぼ同時だったという。
開花後に雨が降ったこともあり、エゾヤマザクラはたった3日で殆どの花びらを散らした。
それを合図に先週芽吹いた葉がブワッと開く。
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夕暮れ時、葉が揺れるのをみていた。
標津出身の友人が「芽吹きの季節、凄く感動すると思う」と言っていたのを思い出す。
葉の一枚一枚が作り出す影、風に揺れてなる音。新緑の季節を待ち侘びていたことに気付かされる。
山に囲まれた弟子屈では夕陽は比較的早々に山に隠れて夕刻の空は淡いピンク色になる。
日没は東京より遅い。
夜更かしも三文の徳?
ゴールデンウィークは好きなだけ眠った。
お腹が空いた時だけ起きて、ご飯を食べたら寝る。自分のリズムは未だによくわからないが、特段用事もないので眠い時は寝ている。
移住したら朝型になった!と言う人も多いが、私は例外だ。引っ越したくらいで人間変わらない。
とはいえ、一日中寝ていれば途中から元気が有り余ることもある。
時刻は午前3時だった。
そうだ、あと1時間もすれば日が昇るのか。
適当に準備をして摩周湖に行くことにした。
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途中林道の中にテントを張ってる人を見た。熊が歩いていてもおかしくないのに、大丈夫だろうか。
向かって左側から太陽が上がってきた。
シカはいつも通りだが、展望台を降りる途中にエゾユキウサギを見かける。まだ夏毛と冬毛がまだらになっていた。
屈斜路湖畔をドライブして帰った。
砂湯にこんなに穴があいているのは珍しいなぁと思った。みんな思い思いに楽しんでいる。
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家に帰るとまだ朝6時だったので、また昼まで寝る事にした。
釧路が近くなってきた
「夏帆ちゃんも明日釧路おいでよ」
そうか、いってみるか。
そう思うようになってきた。
弟子屈から釧路は、70キロ前後。
およそ1時間とすこしで行くことができる。
当初、弟子屈の人はみんな(地元・移住問わず!)
「釧路は近いから、」というが全然納得がいかなかった。
ところがだんだん慣れてきたのか、この頃は1時間ぼんやり考え事をしながら、または自分の好きな曲を聴いて目的地に向かうこの時間を、結構好きだなぁと思うようになった。
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ピザトーストとパフェを食べてこの後焼肉行った。
屈斜路湖に入ってみた
もともと結構サウナが好きだ。
ずっとろくな水着が無かったのと、化粧も落ちるし普通に寒かったのでテントサウナは敬遠していたが、韓国の通販でいい感じの水着をゲットしそのハードルは下がった。
訳あって友人がテントサウナを貸してくれることになり、入ってみることに。
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阿寒のゆいちゃんが遊びにきた
水風呂に慣れていれば、水温はそれほど冷たくは感じないと思う。
釧路沿岸は親潮、オホーツク側は東樺太海流と、いずれも寒流の道東の海は水温が冷たく波も高いからか「海に入る文化」はあんまりない。
初めて音別周辺で海を見た時に圧倒的なスケールと波の高さにただただ「怖い」としか思えなかった。一方その時に話した音別の駅員さんは「神奈川に親戚がいて、何年か前に見た鎌倉の海は穏やかで素晴らしかった」と言っていた。
濁っているものの穏やかな湘南の海は、昼下がりは天国のようであり、神奈川育ちの私の原風景のひとつだ。
釧路出身の友人によると、屈斜路湖にはビーチの役割があるらしく砂湯や和琴半島などで海水浴ならぬ「湖水浴」を楽しむとのことだった。
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水は透明、湖畔沿いには温泉が湧いていたり、砂を掘れば湯が出てくる。
美しい国立公園でありながら、こんな遊びができる屈斜路湖畔は、今のところ最もお気に入りのビーチだ。
野湯に入ってみた
夜、友達とコタン温泉という野湯に行ってみた。
目の前に屈斜路湖が広がり、オオハクチョウなどの野鳥と一緒に温泉に入っているような感覚になれることから、メディアにも多く取り上げられている。
湖に入るような人は、野湯にも入るわけで。
湯に浸かり他愛もない話をするのは、終電ギリギリまで喋るのに似ている。
夜空には春の暗い星空が広がり何がいるのか見えないがカモがクワッと鳴いてこちらに向かって泳いできている影を感じた。
1時間くらいして、「帰るか」と車に乗り込む。
身体にははっきりと藻の香りが残っていた。
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テシカ(岩盤)を見つけた。
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浦山 夏帆
1993年生まれ 東京都出身
横浜市立東高校卒業後、日本宝飾クラフト学院でジュエリー制作のふわっとしたところを学ぶ。宝飾業界8年目で、住んでみたかった北海道弟子屈町に住まいを移す。夢は森の中にアトリエを持つこと。鉄道とか山も好き。