見出し画像

本と、音楽と、意識の流れ2023_11_06 COLDPLAY MUSIC OF THE SPHERES WORLD TOUR 東京ドーム

●この日はもうコールドプレイ以外の情報はない。MUSIC OF THE SPHERES WORLD TOUR 東京ドーム初日。パーフェクトなショーであり、ここでどれだけ賛辞を記したとしもたぶんその素晴らしさは表現できないし意味はない。だから少しコールドプレイを振り返ってみる。
●たぶん人なみ以上に音楽を聴く方だとは思うけれど、90年代はいってみれば暗黒時代で、好きなアーティストがたまに出す新譜以外はほとんど聴いてなかった。00年代に入ってそこに衝撃とともに登場したのが『A Rush of Blood to the Head』だ。もちろんすぐに『Parachutes』に遡った。『A Rush ……』には『静寂の世界』という邦題がついていて、それがまさに彼らの曲をあらわしていた。この静の音楽がロックになるのだ、という驚きだった。その頃はたぶんインディーズ的なものにカテゴライズされていたように思うが、いずれにせよ、わたしにとってはそれまで聴いていたどの音楽とも違うものだった。
●『X&Y』はどうだろう。(たぶん)玄人筋には評判は芳しくなかったと覚えているけれど、それはポピュラーに洗練されたからなのかな。個人的には「Square One」も「Speed Of Sound」も「White Shadows」、そして「Fix You」もフィットしたのでかなり聴きこんだ(最初に出たのがCCCDだったので、リッピングするために2枚目を買った)。そのポピュリズムが最高の形で炸裂したのが『Viva la Vida or Death and All His Friends』で、言うまでもなく『Prospekt's March』も含めて、イメージとしては「擦り切れるまで」聴いた久しぶりのアルバムだろう。もしかしたら「Life in Technicolor」、「Life in Technicolor II」は、コールドプレイでもっとも好きな曲かもしれない。
●10年代に入ってからは、聴くべき対象が拡がったこともあり、市場も多様化し、いっぽう彼らの音楽の思弁が進んだこともあって(ようは理解へのオブセッションに苛まれ)、熱心なファンではなくなっていたかもしれない。それでも、『Music of the Spheres』まで、すべてのアルバムは、フィジカルで手に入れるほどには聴き続けた。物理的なファクトだけを繋げば歴とした熱心なファンであることに違いない。
●しかし、よもやライブに行くとまでは思っていなかった。ましてや「The Scientist」どころか「Yellow」まで生で聴くことなんていっさい想像してなかった。おれが?ライブ?行く?って感じだった。その意味不明の逡巡はなんだったのか?なぜもっと早くから行動を起こさなかったのか馬鹿者。これが今回のライブの感想になる。あらためて、ほんとうにあらためてめっちゃ好きなバンドってことがよくわかった。「A Sky Full of Stars」では完全に泣いていた。
●11月6日のセットリストは以下。みんなが感動したファンやBTS(vision)との共演、The Astronautのカバー、A Sky Full of Starsの寸止めについてはたくさんのSNSに任せる。

⦵ Music of the Spheres
Higher Power
Adventure of a Lifetime
Paradise
The Scientist

Viva la Vida
Hymn for the Weekend
Everglow (w/fan)
Charlie Brown
Yellow

♡ Human Heart
People of the Pride
Clocks
∞ Infinity Sign
Something Just Like This
 (The Chainsmokers & Coldplay cover)
Midnight
My Universe
A Sky Full of Stars

Sunrise
Sparks
The Astronaut
 (JIN cover)
Fix You
Biutyful

● もうひとつ。オーディエンスは多国籍で、海外の人が半分以上いるんじゃない?と思えるほどだった。BTSの引力もあるかもしれないが、韓国、中国、アジア系も、ヒジャーブの人も多かった。クリス・マーティンは、いま起きているさ世界の出来事を憂い、抗うアティテュードを表明する。アーティストも、オーディエンスも世界市民主義、これこそがまさコスモポリタニズムじゃないか。そしてViva la Vida 、素晴らしい人生。
●ちなみにオープニングアクトはYOASOBI。こちらもめちゃくちゃ盛り上がっていたので年齢層も拡がっているのかな。セットリストは以下。

夜に駆ける
祝福
ミスター
勇者
優しい彗星
怪物
群青
Interlude “worship”
アイドル

●もうひとつ、ちなみに12月号の『rock’in on』はコールドプレイ特集なので手に入れたおいた。
●さらにもうひとつ、ちなみに今月はAlexGのライブが控えている。Bryan Adams、Black Country,New Road、Sigridと続いた今年の参戦納め。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?