
愛弟子に
眠れたか寒くは無いか山に居る
弟子を思いて朝を迎える
さぞかしや時間に追われ忙しく
過ごす子ならん寺の朝夕
覚える事余りに多く心身の
疲れ果てたる姿浮かびぬ
仏に仕え我を見つめる生活の
中に何をば見つけ出すのか
幾らかは厳しき暮らし慣れたるか
肉親ならずも君を案じて
作務衣にて雑巾掛けをしているか
いかに過ごさん短き時間
新しき経文覚え作法学ぶ
規則の多き日々の明け暮れ
夜早く朝尚早き僧院の
暮らしのリズム身に付きし頃
何よりも案ぜじ食事どうだろう
カラダに合うか口を満たすか
何事も全て自分でする事を
学びつつ慣れ慣れつつ学ぶ
母祖母の嘆きや深しその人の
姿はるけく越前の山
点前する畳に姿浮かび来る
茶筅振る手の確かな動き
床脇にそっと一碗供え置く
無事に戻るを念じ祈りて
愛弟子が永平寺に上がり、一週間に
なります。未々心に掛かる事です。