短歌 雪連作
「中高と卒業式は共に雪
未だ東京が寒かりし頃」
「苦き思い出全て埋めて雪の日は
心も白に返ると思う」
「人々の罪と汚れを落とさんと
天上の神雪を降らせる」
「見慣れたる京の街並み美しく
一色にする魔法の雪は」
「雪降るを霏々と短歌で表しぬ
母の歌集を読み返す夜」
「雪深きかの地で暮らす友思う
電話の声は元気なれども」
「雨戸明け思わず声を挙げし朝
憎きカラスも雪に映えれば」
「西陣を過ぎる頃より雨は雪に
変わる午後をば早足で行く」
「音全て雪に吸われているらしき
不気味な程の静かな夜明け」
「病院の待合室も空いている
午後から雪の予報出たる日」
「スカイツリー東京タワーに上りたし
雪は景色を変えている筈」