歌合わせ 新古今和歌集
「み吉野は山も霞て白雪の
ふりにし里に春は来にけり」摂政太政大臣
{ほのぼのと春こそ空に来にけらし
天の香具山霞たなびく}太政天皇
歌の場面「み吉野」に対する「香具山」
どちらも有名な古い地名の対決。
しかも両方とも山です。それこそ
古りにし場所でしょう!
「里に」には「空に」で受けます。
「来にけり」と言い切った姿に対し、
「来にけらし」いささかの疑問形。
この様に新古今の歌群は、言葉を深く
読み取り配置されています。
半ば後鳥羽院の「勅撰」とも言える、
完成形です。これからいくつもの歌を、
合わせて鑑賞しましょう。