歌人・茶人
伊藤左千夫は明治期の歌人です。
「牛飼いが歌よむ時に世のなかの
新しき歌大いにおこる」が、代表作でしょうか?
明治26年同じ搾乳業の、伊藤並根から茶の湯を学びました。正岡子規に師事して、門下に茂吉・文明など大歌人を輩出しました。
茶道に関する歌を、ご紹介します。
「いにしえの人が焼きけむ楽焼の
手づくね茶碗色古りけり」
「若葉風かおるいおりに釜の煮え
聞きつつもとな独り楽しも」
「桃山の黄金の城に召されつつ
釜作りせる辻の与次郎」
個人的には
「世のなかに光も立てず星屑の
落ちては消ゆるあはれ星屑」
が一番好きな、伊藤左千夫の
歌です。