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茶道教授の独り言
2021年7月1日 07:42
「木下闇 手放した恋 かぞへては」木々が重なり、大きな闇が生まれています。その暗闇の中から、いくつもの恋が浮かび上がりました。「あ~あの人は今、どうしているだろう?」時間を巻き戻し、感傷に浸りました。
2021年7月2日 09:22
「釣忍 愚作俳句の 短冊を」出入りの植木屋さんが、毎年恒例の釣忍を作って来てくれました。例年ここへ愚作短冊を下げるのも、良い?習慣です。週ごとに掛け替えるように、何枚か清書しました。
2021年7月3日 09:42
「端居する 父に物言う 母の声」和室の廊下でくつろぐ父へ、台所から母が大きな声で呼び掛けます。父は返事をしません。私が見に行くと、狸寝入りでした。用事を言いつけられるのが、嫌だったのでしょう。私が母に「お父さんは寝ている」助け舟を出したのも、懐かしい思い出です。
2021年7月4日 06:46
「夏羽織 背中に一つ 男紋」御家元へ向かうべく、堀川通を右折。すると前に夏羽織を着た人々が、歩いていました。何か行事でも有るのでしょうか?一番端の方に目が行きました。見た事が無い家紋で、首を傾げました。
2021年7月5日 07:56
「ガラス風鈴 音より色を 楽しみて」友人がくれた風鈴。どこやらへ出掛けて、自分で制作とか・・・残念ながら素人の作なので、音色は今一つ。しかし美しい青の色が、間違いなく涼風を運んでくれます。
2021年7月6日 08:55
「甥の子は 金魚に名前 付けている」{ねえ大きいおじさん、この金魚マサトっていう名前だよ}一番大きな金魚を、指さします。{ふーん、そういう名前なんだ}と笑い掛けました。この子の父親も、同じ事をしていたと懐かしく思い出しました。{こっちの少し黒っぽいのは、なんて言う名前?}重ねて聞いてみました。
2021年7月7日 07:32
「方丈に 一人麦茶を 供されて」大きな禅寺へ、ご挨拶に伺いました。広い方丈に通されると、庭の石庭が目に入りました。「あ~風が気持ち良い」と思っていたら、若い僧が麦茶を運んで来ました。拙宅の分とは違い、香りのよい事!汗も引いて、体も心も落ち着いて来ました。
2021年7月8日 06:11
「祖母の手が ただ懐かしき 行水は」幼少の頃、良く庭で行水をしました。盥に朝から水を張り、水温を上げます。外で遊んで汗まみれで帰ると「早く行水を」祖母の声が聞こえました。丁寧に手拭いで体を洗ってくれます。「夕飯の前に、西瓜を食べるかい?」優しい笑顔が、今も浮かんで来ます。それはそれは、おばあちゃん子の私でした。
2021年7月9日 05:39
「花茣蓙に 一人大の字 心地よき」昔の家では夏が来ると、大きな花茣蓙を出していました。色も柄も美しいのですが、肌触りもさわやかです。簾越しの風を受けて茣蓙の上で昼寝をするのは、夏の大きな楽しみです。
2021年7月10日 08:09
「この電車 終点は海 サングラス」江の島へ向かう電車、日曜の朝は、殆どの客が浮かれた様子です。無理もありません、海へ向かうのですから・・何と両親とお揃いのサングラスの子が、笑っています。「どうぞ一日楽しんで」胸の中で、声を掛けました。
2021年7月11日 07:46
「首太き 男大汗 手でぬぐい」ある商品のセールスにやって来た人。顔が赤らむ程、外は暑かったのでしょう。しきりに汗を、手で拭います。お湯をした{おしぼり}を出し「遠慮なくお使いください」と言うと、猪首の彼も笑顔になりました。「冷たいおしぼりより、気持ちが良い!」正直な感想です。
2021年7月12日 06:08
「伝来の 物など無きが 虫干しを」ようやく梅雨が終わりました。家中の窓を開けて、風を入れます。こうして家の湿気が抜けたら、ようやく虫干しを始めます。掛け軸・和服の順番ですが、思いのほか時間がかかります。古い品・家伝の物なども有りませんが、いづれも大切にして来ました。
2021年7月13日 06:37
「夏の光 朝から集め 束とする」早朝からそれは強い日差しです。夏場は朝曇りで、徐々に暑く成る筈が・・もう八時には、痛い程の光です。正午前ですでに30度を超しました。光は束となって、降り注ぎます。早く用事を済ませ、家に戻りましょう。
2021年7月14日 09:42
「日盛りの 正午よ銀座 大時計」銀座で昼食の約束が有りました。地下鉄の駅は、涼しかったのですが・・地上へ出ると灼けつくような日差しです。交差点の銀座のシンボルマーク、「和光」上の大時計が見えました。正午過ぎの針は、二本とも天を指しています。日傘を広げ、京橋方面に歩き出しました。傘の下だけ、5度ぐらいは涼しいでしょうか?男の羽織は熱を吸収し易い色ばかりなので、