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茶道教授の独り言
2022年2月15日 19:40
「中高と卒業式は共に雪未だ東京が寒かりし頃」「苦き思い出全て埋めて雪の日は心も白に返ると思う」「人々の罪と汚れを落とさんと天上の神雪を降らせる」「見慣れたる京の街並み美しく一色にする魔法の雪は」「雪降るを霏々と短歌で表しぬ母の歌集を読み返す夜」「雪深きかの地で暮らす友思う電話の声は元気なれども」「雨戸明け思わず声を挙げし朝憎きカラスも雪に映えれば
2022年2月9日 07:19
茶道誌「淡交」二月号に、採られた作品です。「寒鯉は 悟りの姿 動かざる」近所のお寺の池、寒さのせいか鯉が一か所に集まり動きません。まるで座禅して悟りを得た、姿の様に思えました。今月は久しぶりに短歌も「冬ぬくし市場の端の果物屋そこだけ色が満ちてこぼれて」欲張りな私は、両方掲載されたので喜んでいます。
2022年2月8日 18:36
三番が山里・四番は故郷・そして五番目に都・六番目で海上へと景色を転じて行きます。「春といえば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山」俊恵法師この歌の理解は実際の風景を見た人の方が・・私もその一人ですが、冬場は瀬戸内の海上は風で波立っています。その向こうに淡路島が、見えていました。気温が上がるにつれ、海上の景色もぼんやりと霞んで来ます。何となくもやった先に、淡路が
2022年2月1日 17:52
後鳥羽院が新古今和歌集・春歌・巻頭に置いたのは、「摂政太政大臣」つまり九條良経でした。すべての歌の最初に、彼を据えた事に注目していました。それらを巡る人物像から、現在小説を書いています。後鳥羽院の少年時代、秘かに歌を指導したのが良経という設定です。私が想像する良経像は、白皙の美青年。やや神経質そうな横顔、しかし眼差しは優しく、人々を魅了します。次男で在った彼は、