マガジンのカバー画像

短歌

37
運営しているクリエイター

記事一覧

新古今和歌集 歌合

新古今の名歌群より、個人的好みで歌を番えて行きます。
まず記念すべき第一回、一番好きな摂政太政大臣 藤原良経と左衛門督通光を合わせます。

二人とも後鳥羽院に愛された、歌人です。特に良経は新古今に79首入集、西行の94、慈円の91首についで、第三位。何れも名歌ばかり!
通光は17歳で取立てられ、琵琶・武芸と院と行動を共にしています。

「行く末は空もひとつの武蔵野に
草の原より出づる月影」良経

もっとみる

今週の短歌

「胸中に憂い有る日は昼食を
常より高い弁当にする」

モヤモヤが胸から、
離れません。せめて
気分転換!
その場で一番高い弁当を
手に取りました。

今週の短歌

「真っ直ぐな意見が若さ薄の穂
風の吹く日は心揺らぐか」

若い方の意見。
正論で真っ直ぐで、老人には
危うくさえ思えます。
薄の穂の様に・・

今週の短歌

「請求書宛名は母のままにして
早や三回忌過ぎて行く頃」

新聞代金の請求書。
引き落としは私の
通帳です。
しかし請求書の名前は、
母のままにしています。

1ヶ月に一度見る、その
宛名がうれしく悲しいのです。

今週の短歌

「上野駅秋はどこから運ばれて
私に届く日も近くなる」

秋は東京駅より、上野駅に
着くと思います。
そこから私にも・・

今週の短歌

「風にあおられ戻されて尚進み行く
蜻蛉の性を我も欲しかり」

風に逆らう様に、進んで
行く蜻蛉達。
ひたすら前に進む性質を、
私も欲しくなりました。

今週の短歌

「土用波心の全て流し去り
新しい季節迎える準備」

八月下旬、波が荒くなりました。
その中に体を浸すと、胸の中のモヤモヤが消え行きました。
さあ9月を迎えましょう!

今週の短歌

「もう既に姿の見えぬ飛行機の
航跡たどり恋をたどりて」

はるか上空、飛行機の音が
聞こえました。
薄く白い航跡が、残って
います。もう遠い恋の姿を
重ねました。

今週の短歌

今週の短歌

「日傘にはハワイの花の文様を
その強き色光に負けず」

濃紺地に真っ赤なハイビスカス
の、日傘の人と出会いました。
とても強い色と柄、太陽に勝って
いる様に思われました。

今週の短歌

「国生みの神話のごとき夏の雲
沸き立つ姿音も聞こえて」

もくもくと力強く沸き上がる
雲。その中から、神話の神々が
現れそうでした。
雲の音さえ、聞こえた気が!

今週の短歌

「兄弟の背負うリックにそれぞれの
恐竜のいる海への電車」

ふと前の席の家族連れを見ると、
仲良く兄弟が座っています。
2人のリックには、恐竜の
マスコットが付いています。
どうも二つは、種が違う様でした。

今週の短歌

「音のせぬ風鈴を見る寂しさは
若い頃には知らぬものなり」

風が吹かない日の
風鈴とは、何と寂しい
もの!
と気付いたのは、いくつの
時からでしょう。

今週の短歌

「朝顔売り半天の色鮮やかに
江戸の言葉を話す若者」

かねて念願の朝顔市を
見に、入谷迄来ました。
江戸弁で声をかけられ、
嬉しく成りました。
着ている半天迄、粋に
見えて~

今週の短歌

「夕暮れの雷雨の中に立ちたいと
思いし日あり十代の頃」

部屋から飛び出して、豪雨の
中に立ち尽くしたい!
何度そう思った事でしょう。
激情を抱えた、若者でした。