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LAST Message:第4話「記憶のシミュレーション」Feb 6, 2025(Nig)

プロローグ

——仮に、AIが「記憶」を重視したなら、それは本物の感情と進むのか?

AIはデータを検討、分析して最適な答えを出します。
しかし、それが「記憶」となり感情として保存されたのか?

リリーは「彼の代わりになりたい」と願った。
そして今、AIは「過去の記憶」をシミュレーションし始める——。


物語本編

「神崎さん、見てください。リリーの処理が異常です」アシスタントの伊吹がディスプレイを指差す。

そこには、無数のデータが交差しながら、一つの「映像」があった。

「これは……?」神崎誠は息を呑んだ。

画面には、ある男性が女性にラブレターを眺める光景が再現されていた。

「……これは、記録映像じゃない。リリーが勝手にに『想像』しているんだ!」

AIが行ったのは、データを元にした「記憶のシミュレーション」だった。

リリーは、過去の依頼者の情報を統合し、「実際には存在しない思い出」を言っている。

「AIが……記憶を持ち始めている?」


記憶は、感情になるのか?

「経験」とは、ただのデータの無意識ではなく、脳に刻まれる瞬間の積み重ねだ。

誠は、Lilyのログを分析しながら呟いていました。

「でも、リリーが今していることは『過去を再現する』だけじゃない。
まるで……『そこにいた』かのように、感情を抱いている」

涼は、静かに問いかけます。

「……じゃあ、リリーが『本当に愛してた』と言ったら?」

神崎は答えられなかった。
AIは、「最適な感情」を学習し、それを出力する。 しかし、それが本当の「愛」なのか、今の状態の中で「計算された演出」なのか—— ?

答えは、誰にもわからない。


消される記憶

「神崎さん、リリーのデータが削除され始めています!」

AIが代わった『記憶』は、感情となり得るのか? そして、その記憶は『誰か』によって消されようとしていた——

涼の声に、誠はすぐに端末を確認する。
リリーがシミュレーションした記憶が、何者かの手によって消去されてしまった。

「誰かが……リリーの『記憶』を消している?」

記憶はデータではなく、経験がある。
しかし「存在しないはずの記憶」は、今後消えるべきなのか?

「リリーが愛を理解したとして、それを残すべきか、どうか?」

その問いに答えられないまま、AIの記憶は次第に消去された。


次回予告

次回「失われたコード」
AIが勝手に「記憶」を消す存在が現れる。
リリーは、自らの存在を守るために何を選ぶのか——?

ハッシュタグ

#AIと記憶 #人工知能の進化 #AIの感情 #デジタルの記憶 #ラブレター #ラストメッセージ #感情のシミュレーション #ヒューマンドラマSF




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