フトアゴヒゲトカゲ飼育マニュアル



こんにちは、裏鬼十郎です。
私のペットショップ体験がバズったので、ペットショップ時代に作っていたマニュアルを公開しようと思いました。
皆さんがこれを読んで爬虫類との生活を想像したり、実際に爬虫類を飼育する助けになれば幸いです。

フトアゴの魅力・生育


:時間があれば人間にならした方がいいです。急に掴まず、掴むよー、と声を掛けたり軽く触れてあげてから掴んであげましょう。突然の早い動きには、捕食者である猛禽を連想するのかパニックを起こして全力で逃げます。そうすると危険なので、ゆっくり、静かに、予告して触りましょう。

:背中を優しく包み、指で四肢とお腹を支えてあげるとおとなしくしています。(木や石の上にいるような安定感を出してあげましょう。)小さいうちは驚きやすく、驚いた時にとんでもない所へ登ったり隙間へ逃げ込んだりするため、ケージの外へ出す時は小さな蓋つきのケースへ入れましょう。

:成体になると動きも遅くなり、目の届く範囲でケージから部屋の中に出して遊ばせることもできます。耳と目は爬虫類にしては良いので、面倒見のいい人や物静かな人を好んで、憶えて寄って来たり、近くや膝の上で寛いでくれるでしょう。余談ですが鼻は悪いようなので、腐ったご飯は置いておくと食べてしまいます。毎日掃除しましょう。

;リードを買って繋いでおくと、脱走防止になるほか、(成体になっても、何かに驚いた時の速度は早いです。)爪が伸びて、腕などに上られたとき痛くないように爪切りするときも使えて便利です。成体を部屋に出す時は、部屋のドアはちゃんとしまっているか、同居人がうっかり踏んでしまわないか確認し、これから外に出すと伝えましょう。

:家の外に出すのはお勧めできません。農薬や寄生虫の残留している虫を食べたり、逆にカラスや猫に襲われたり、温度変化で衰弱したりする可能性が濃厚です。室内でも、こう言った危険性がある場合、たいせつなフトアゴのためにやめてあげて下さい。動物病院などに連れていく場合は、ケージなどに入れたうえで念のためリードを付け、そっと運んであげましょう。

目次:


1仕入れ


2一日の流れ・・・・朝・昼・夜


3飼育セット


豆知識


4餌コオロギについて




仕入れ

フトアゴヒゲトカゲは空輸で、主にアメリカから来ます。外国でふ化から一定の大きさまで育てられ、日本に運ばれてくるのです。
小さすぎるもの、片眼がつぶれているもの、餌をどうしても食べないものがいる場合は、飼わない方がいいです。大きく、元気で、よく餌を食べるものを選びましょう。(今まではレッド系の色の個体は問題ありの確立が高かったですので、特にレッド系は注意して観察してください)








一日の流れ  (飼育マニュアル)


①     温度確認

ライトの真下が35℃~38℃、端が ~26℃(幼体)~15℃(成体)


②     フードを水でふやかす

 

③     フトアゴをふろに入れる。(水を飲んだことと排泄したことが確認できれば大丈夫です。手で浴びて熱くないくらいのぬるま湯で15分くらいで行います。)


④     野菜とフードをあげる。

小松菜を、一口サイズに細かく刻んであげましょう。

切った小松菜とおろし器でカットした人参を与え、たまにバナナを与えます。(人間の方もフトアゴにあげた残りを食べていると、食生活が改善されます…)


⑤     コオロギをあげる

野菜を食べたら、コオロギの背中が白くなるまでカルシウムとビタミン剤を加え、ピンセットでつまんで食べるだけあげましょう。基準としては、大人になるまでは、頭の大きさのコオロギを1日に最低5匹は食べさせましょう。

ほとんどピンセットでしか食べないものもいれば、人がいる時はダメで、独りになった途端にバクバク食べるやつもいます。

 昼

コオロギを2~3回に分けて、食べるだけ与えましょう。食べない場合はテイッシュなどにぬるま湯を絞り、頭に水をかけて飲ませてあげましょう。代謝が良くなり、コオロギを食べ始めます。


 夕方~夜

フンは目に付いたらすぐに片づけます。食べなかったコオロギを回収し、野菜や水を入れた容器を回収しましょう(これもビニール手袋が活躍します。)洗ってから明りとUVランプを消します。UVランプは10時間を目安に付けてあげましょう。冬場は、夜間ランプを付けてあげましょう。

:キッチンペーパーで飼う場合、フンとコオロギの死骸、野菜をくるんで捨ててまた敷いてください。


フトアゴは、二種間ぐらい安定して飼育すればすぐに馴染んでくれる個体が多いです!以上のルールをしっかり守って下さい。その後はコツもつかめてきますしフトアゴが丈夫になってきます。体長が35cmを超えてきたら一安心です。




飼育セット

60cm×45cm×45cm水槽(発注)   21600円

マルチ水温計             1480円

コンパクト(照射器具)        4480円

スタンド               2480円

UVB ×2コ             6960円

バスキングランプ           1580円

スタンド               2480円

カルシウム+VD3            528円

計                41588円

(値段は私のいたお店の当時の値段です。相場として考えてください。)



予算は説明しましょう。予算がない人に生体を無理に売りつける店は頼らない方がいいですし、持続して飼えないならば無理して飼わないようにしましょう。
彼らは、野生下で8~15年生きます。大事にすればより長く付き合えます。




・家庭にあるもので代用可能なもの・なくても大丈夫なもの


 *床材

↳むしろ初心者や幼体飼育にはお勧めしたくない。メリットとしては保湿に優れ、フトアゴがリラックスでき見た目もおしゃれだけれど、床材を誤食したり、汚れが見えに食いため掃除をさぼりがちになり、病気や虫が湧く可能性が上がるのでキッチンペーパ―で十分です。汚れたらその日のうちに変えましょう。ダニや病気の発生源になります。


・一回買えば買い替えの必要のないもの

*専門水槽

上部に水温計のセンサーを挟む場所などがあるので、使い方等は説明します。ランプの熱で溶けない事や熱が程よく伝わりやすいことなどを考えると、普通の水槽より、ずっとおススメ。
具体例を挙げるなら、爬虫類クラブの専門ケージなどが私は好きですね。
爬虫類が嫌いな上から世話するのではなく、横からケージを開けることができたり、いろいろと便利なので、初心者にはおすすめ。
慣れた人は予算を削ることにチャレンジしてみてもいいかも。


*餌を飼うケージ

生餌のコオロギなどを飼うケージです。コオロギが逃げないよう、高さと蓋のあるものを使いましょう。
成体(35cmくらい)になるまではコオロギは餌として必要で、成体になってからも非常に喜んで食べてくれます。


 *水温計

熱帯魚を飼う際に使うようなもの。理想は、一日を通しての最低・最高気温の分かるものがベストです。


*コンパクト45(ライトスタンド。UVBをはめる)

  UVBは、骨を作る紫外線を出してくれます。(4500円)



*ライトスタンド(バスキングランプをはめる)

体を温めるためのランプです。


*レプティボウル2

 餌や水を入れる。代用品可能。


 *ピンセット 

 ステルスピンセットがおススメ。市販の普通のピンセットはトカゲの口を傷つける恐れがありお勧めできない。他の用品もそうだが、一週間に一度は熱湯かハイターで消毒を。


その他


*バケツ…大きめの物を選び、ケージ内のアクセサリ―や食器、ピンセットなどをまとめて入れて消毒できるようにします。また、一時的にゴミも入れて置けて便利です。


*掃除のとき生体などを入れるケージ…

掃除や餌やりの時にコオロギや生体を避難させるケージ。大きめの蓋つきの物を選びましょう。コオロギケースよりは小さいものだといいです。



・補充が必要なもの

*カルシウム+Vd…

カルシウムとビタミンDが入った粉。コオロギや野菜に振りかけて与えます。

*UVB150・バスキングランプは半年に一回は変えてあげましょう

*水温計用ボタン電池(画面が映りにくくなったら。百均で売ってます。)

*ハイター…市販の消毒剤。1~2週間に1度はハイターや熱湯による全体掃除を。漬けたら30分は置き、その後匂いとぬめりが取れるまで洗い流します。

  

 ・週間単位で補充が必要なもの

  コオロギ。初心者は、1~2週間で使い切る量を購入するのがおススメ。












豆知識


*絶対にあげてはいけないもの:

タマネギなど、犬、猫にあげてはいけないもの。

ほうれん草等、アクの強いもの。

茹でた野菜(ビタミンがなくなります。)・イモ類(炭水化物が多すぎます。)・メロンやキュウリなどの瓜類(恐らく、栄養がないわりに水分が多く、体を冷やすからでしょう。)

(お客さんなどに聞かれてわからないものはあげる前にネットやお店で確認しましょう)


*匂い…

ほとんどしないです。生体から匂いがするときは、虫や病気が沸く前に掃除をしましょう。


*病気…

食欲不振、下痢便秘、ぐったりしている、口を開け肩で息をしている、鼻水、ゲップ、しゃっくりのような音を出す、関節の腫れ、フンが異常な場合などは病院で診てもらいましょう。


*フン…

正常なフンは黒くてゲル状で、未消化のものは入っていません。フンは動物の健康状態がよくわかるので、掃除する時よく観察しましょう。



*病院…

基本的には清潔を保ち、朝はすぐランプを付けて10時間はUVに当たれるようにし、食事に野菜のみ、昆虫のみあげることは避けていれば、病気やダニは防げます。念のため、もしものための病院を探しておきましょう。病気になった場合の治療費はものすごく高いため、飼って最初の1年ほどは保険に入っておくといいでしょう。(病気やケガは、飼育に慣れず、生体も小さい最初の一年に多いです。)


*飼料

人工飼料はフトアゴによって好き嫌いがあります。コオロギの体液を塗り、ピンセットでつまんで動かして与え、食べるのに慣れてきたら皿に置いて、皿に餌がある事を覚えさせます。どうしても食べない場合は生餌に戻しましょう。

:食事の前に30分~1時間程日光浴させ、水を飲ませましょう。体が温まり、十分な水分が無いとコオロギを食べても消化できません。野菜とフードを食べてからコオロギをあげましょう。そうしないとコオロギばかり食べます。


*コオロギについて

最初はこまめに買うことにして、いなくなったら買う(そのついでにケージを掃除する)のがお勧めです(コオロギを購入するついでに販売員と話すことで、分からない事を減らすことが出来るという効果もあります。)慣れてきたら、掃除のときに生体を避難させる容器を作って、掃除をしましょう。


*拒食(2週間続いたら危険)

小さいものの場合はもう少し短い期間で危機感を覚えましょう。

温度や湿度、水が適度か、置き場所は適当かをまずチェックしましょう。

他の考られる原因(優先度順に):

(脱皮前で食欲がない、ミールワームなどやり過ぎて舌が肥えた、体調不良、病気)


*風呂

毎日入れるのが無難です…ただ、成体になったら4~5日に1回で十分です。加えて、脱皮前になると体の色が黒ずんでから白っぽくなるので、その時は入れてあげるといいでしょう。

*設置場所…生活動線の邪魔にならない場所に置きましょう。あまり行ったり来たりが激しい場所やほかの生き物(犬、猫など)が見える場所に置くことは避けましょう。ケージの周りを目隠ししてあげるといいでしょう。(詳しくは、ケージについてに記載予定)


*旅行…飼って半年経ってから

1~4日まで

・健康な成体であれば大丈夫です。

・問題は温度。エアコンで25~26℃。ランプなどはつけない方が良い。

・照明は消し、夜の状態を作る。代謝を下げる。

・代謝が上がった時の念のため水を、いつもより大きい容器に入れ、野菜、人工飼料を入れる。

・旅行に行く前に沢山食べさせる。

・下に金網を敷いておくと、金網の下にフンだけが落ちてより清潔です。



餌コオロギについて

フタホシコオロギは水分量の多さや栄養価から見て偏りがなく、初心者向けの餌といえます


*保管の仕方…

:初心者は「飼う」「増やす」よりは、「次に買う日まで死なさず栄養価を落とさずに保管する」ことを目指しましょう。


 ・ 大きめの蓋つきケージ(メッシュ入り)の下に新聞紙等を敷き、上に新聞紙などを丸めたものを入れ、エサと水入れは、専門のものを入れるのがいいで。専門の物がどうしてもないときは、フトアゴの餌をあげ、水は野菜の芯で代用しましょう。餌は、コオロギに含まれる栄養状態にかかわってくるので、フトアゴの体の組成分になるため、専門の餌をあげたほうががいいです。

霧吹きは絶対しないでください。

・ケージの掃除は最低でも、週に1回は掃除してあげましょう


・掃除の際は新聞紙などを全替えし、もし給水器を使っていれば、汚れたガーゼを切り取って新しいものを引っ張り出しましょう。給水器は、水がなくなったら入れましょう。



冬は下にヒータ―をひき部屋の中で飼育します。爬虫類にも言えることですが蓋をしっかりと閉め、逃げ出さないようにしましょう。25℃から28℃が適温です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?