一番じゃなきゃ、ダメですか?
「これが、好き」というものがある人に、
「では、その中で一番好きなモノはなんですか?」と、
聞いてしまう自分がいる。
その道をよく知る人は、何と答えるのか。
そこにあるのは、尊敬の意と好奇心。
だが、安易に聞いてしまって、後悔してしまう自分もいる。
それは、一番に納得できないからではなくて、
「自分が一番好きなモノを聞かれたら?」と想像してしまうからだ。
結局、自分は答えられないだろう。
自分に答えらえないことを、オマエは人に求めるのか?
好きなモノに対しては、
人はどこまでも優しくなれるものであって、
その中で一番を決めなければならないなんて、
これほど酷なことがあるだろうか。
イライラが増えつつある、この日常にも
好きなモノが増えると、
案外、楽しく過ごせるはず。
とは、思うのだけれど、年を取るほど
好きになる能力が、衰えていく気がする。
知名度だったり。世間体だったり。モテそうだったり。
好きを揺さぶる要素が、もやもやと出てきて誘惑する。
だから、未来の自分に会えたなら聞いてみたい。
「その中で、一番好きなモノってなんですかねぇ」