手持ちのカメラのセンサーの読み出しに掛かる時間を測定
手持ちのデジタルカメラはローリングシャッターセンサー搭載機なので、動きのある被写体が歪むのが気になる。このローリングシャッター歪みには、その読み出し方式はもちろんのこと、センサーから画像を読み出すのに掛かる時間が関係してくる。そこで、読み出し時間を測定した。何か問題があると困るので、測定したカメラのメーカーや機種名はあえて公表しない。
ローリングシャター歪みについてネットで情報を集めていたところ、自分が使っている製品は、高感度でセンサーの読み出し速度が低下するらしい。どこかの誰かが英語で言っていた。自分は、なるべく歪まないように撮影したい。よって、これは朗報である。
その境目は、ISO6400 にあるらしい。しかし、ISO6400 までなら良いのか、ISO6400 はすでにダメなのか、正しく読み取ることはできなかった。
しょうがないので、自分の目で確かめることにした。短絡的な発想。
そして、測定方法の検討を開始、試行錯誤の末にやっと結果が出た。
前置きが長くなった。
測定に使用したのは、RaspberryPI Pico を使った自作のテスト装置である。
ま、簡単に言うと、LED を一定間隔で連続発光させるものだ。
時間を測るには、撮影して、何回の発光が写ったかを見ればわかる。
測定結果(手持ちの最新モデル)
約 7.7 msec(低感度側、ISO400 から ISO12800 まで)
約 15.2 msec(高感度側、ISO16000 から ISO102400 まで)
感度によって違いがあった。
今後は、ISO12800 以下を意識するようにしたい。
低感度側の測定が ISO400 からなのは、それよりも低い感度は必要ないと思って測定しなかったからである。
数字的には、そんなに外れていないと思う。何か勘違いをしていなければ、と思う。
自分がよく使う設定での測定である。違う設定にしたら違う結果が出るとかいうことはわからない。念のため、いくつかメニュー設定を変えてみたが、読み出し時間に影響するものは見つからなかった。
誰かが言った ISO6400 という数字は関係なかった。
測定結果(手持ちの旧モデル)
約 15.7 msec(低感度側、ISO6400 まで)
約 31.3 msec(高感度側、ISO8000 から ISO25600 まで)
旧モデルの実力も見てみたが、倍くらい掛かっている。
旧モデルにも、読み出し時間の「境目」が存在することがわかった。
このデータを見ると、誰かが言った ISO6400 は、こちらのモデルのことだったのかもしれない。
センサーのスペックと被写体の速度から傾き d を求める式
$$
\begin{array}{} d &=& tan((Vo * 10^6 / 3600 / 10^3 *(Ls/Lo)*(Tr/Lh))*(180/π)\end{array}
$$
被写体の速度 Vo (km/h)
被写体の大きさ Lo (m)
撮像面上の大きさ Ls (m)
読み出し時間 Tr (ms)
センサーの縦の長さ Lh (mm)
Ls/Lo は倍率
Tr/Lh は読み出し速度 (mm/ms)
180/π を掛けて度に変換
具体的な数字で計算してみる
センサーサイズ 17.4 mm x 13.0 mm (マイクロフォーサーズ)メーカースペックより
新幹線 270 km/h、車体高 3600 mm を画面一杯(13mm)に写すとして計算すると
約 9.3 度
実写と比較
仮に 10 度傾いたとしたら、こんな感じ。
実写は?
これで 7 度の傾きである。
この列車のこの時点での走行速度を知らないし、撮影倍率もはっきりしない。よって、正確なところはわからないが、まあまあ合っている気がする、、、、
t.koba