烏という漢字のなりたちについて面白いことを聞いたのでファクトチェック
NHKの人気番組、そして個人的にはオワコンであるところの「チコちゃんに叱られる!」を見たら、烏の漢字のなりたちについて話していました。聞いていて、なんだか胡散臭いなあと思いました。そこであれこれ調べたので、ここに置いておきます。
チコちゃんに叱られる!
▽カラスの漢字▽1口目のビール▽親と過ごせる時間
初回放送日: 2022年7月29日
「烏」の漢字は、「鳥」の目に相当する一画を取り除いてできたものだそうな。
はああ?何、それ、本当?
人が言うことを信用しない自分です。
チコちゃんがクイズの正解を言った後で、なんだか怪しい人が出てきました。解説の人です。日本漢字学会のなんとかさん。名前を見落としましたが、顔はしっかり覚えました。
漢字の由来については、平気で嘘をつく人が多いので、事実を確認しなければなりません。今、世間ではどういう説が正しいとされているか。確認できない場合は、その情報は記憶から完全に消去してしまいましょう。自分が嘘を拡散しないように。
嘘をつく人が多いと言いましたが、あくまでもメディアで何かを語る人の中で多い、ということです。
ちなみに、小学校の授業で先生に質問されて、「多いとか少ないとか、基準がわからないので答えられません。」と言ったのはこの私です。面倒臭いやつかもしれません。
さて、烏という漢字は、、、、
ここに阿辻哲次という人が登場します。誰だろうと思って調べると、なんとあの番組の中で解説していた人でした。テレビで見た人が誰か、分かってよかったです。気分はよくありませんがね。
字源のブログの人が呟くには
「正面を向いた形」という意味がわからなかったのですが、真横を向いているということのようです。嘴の先が真横向いていると。
一方、烏の方は上を向いた横顔に見えます。
これをみると、それぞれの漢字のルーツは違うとわかります。というか、研究の結果として違うとされている。
Twitterの会話を読むと、字源偏傍小説という書物が登場します。もしかして、ここに何か大事なことが書かれているのではないかと思いました。しかし、この書物は、佚書とされています。現存しない書物のようです。
参考
漢字のなりたちを語る人には気をつけたほうが良さそうです。
篆書体を比較してみました。
烏篆书书法字典
鳥篆书书法字典
似ています。
篆書体は、ざっくり言って、戦国時代に使われた文字らしいです
。中国の話ですから、戦国時代というのは、紀元前の話です。
篆書体はまだニョロニョロとして文字ですが、この時点で、鳥と烏は、すでに主要なパーツの書き方が統一されているように見えます。違いは、目に該当する一画の横棒1本だけ。
番組を見ているとき、烏という文字は鳥から一本取って「作った」という説明が聞こえたような気がするのです。
作った?
空耳でしょうか。もしもそれまでの字源的な文字の進化、変遷から離れて、意図的に作ったものだったとしたら。
で、ひらめきました。
烏と鳥は、もともと起源が異なり形も違っていたが、戦国時代に、パーツが統一されるなどして整理統合され、その際に、烏については、「どこが目かよくわからないから」といった理由付けを伴って、鳥から一画を取り去った文字になった。
そんな記述、どこかで見ませんでしたか。
t.koba