見出し画像

ローリングシャッター歪みのテスト 東海道新幹線

高速電子シャッターは、動きを止めるためのものではなく、晴天屋外など明るい場所で絞りを開けて撮影するときに使うものである。

堤防道路を自転車に乗り海に向かう。途中に東海道新幹線の鉄橋がある。
鉄橋の手前で、ちょうど N700S が通り過ぎて行った。すぐに鉄橋の下を通り抜け、下流側に回ってスタンバイ。
高速で走行する新幹線を撮影することで、自分が使っているカメラのローリングシャッター歪みがどんなものか、見てみようと思う。

N700スモールA、→に走行。

メカシャッター
車体が傾いていると斜めに写ることもあるのでなんとも言えないが、先入観をもって見れば、フォーカルプレーンシャッター歪みが出ているような気がする。が、この程度なら気にならない。
電子シャッター
かなり傾いている。見慣れてしまえば、スピード感を表現したのだという言い訳もできそうにも思う。

N700 を改造してN700A にしたのが、スモールA か。今、知った。ロゴの A は後から追加したのか。なるほど。
それから、N700 の文字に「白い横筋」が入っているが、あれが車輌のシルエットだということも、今、知った。

独り言

N700 Supreme、←に走行。

メカシャッター
電子シャッター
車両がこちら側に倒れているように見えるが、そのことに気付くと違和感を覚える。

比べたら違いがわかる。このくらいなら言われなければわからないレベルかも。
これでもまだ大きすぎるだろう。何を写したのかわからない。小さ目に写すか、進行方向に対して斜めに写せばほとんど問題ないということだ。

N700Sのロゴマークは奇数号車の東京寄りに貼り付けられているとのこと。
N700ラージAも奇数号車の東京寄りに貼られているようだ。
しかし、N700スモールAは、変則的だ。実際、11号車のロゴは大阪寄りに付いていた。

独り言

N700スモールA、←に走行。線路に対してほぼ直角の位置から撮影。

メカシャッター
電子シャッター

シャッタースピードを 1/8000 秒に設定し直して再挑戦したが、それでもブレてしまったので、SharpenAI を使ってブレを補正した。

N700ラージA、←に走行。
テスト撮影はもう終わりにして海へ、と思っていたら音がしたので咄嗟に撮影した。結果、シャッタースピードは、1/500秒の設定。こうなると SharpenAI もなすすべなしと判断して、DeNoiseAI のみ。

電子シャッター
今度は電子シャッターが先。
メカシャッター

まあ、このような写真をダシにしてローリングシャッター問題を云々すると不愉快に思う人もいるようだ。断っておくが、これはテストのために撮影したものであって鉄道写真ではない。いや、しかし、こうして見てくると、個人的には、普通に鉄道写真として見ても悪くない気がしてきたゾ。

ただ、基本的には、意図しない大きな歪みは容認できないと思う。

以上はテストのために撮影したものである。次に、テストではなく実際の撮影で残念な結果になった例を紹介したい。
ま、大騒ぎするほどには問題のある写真を持っていなかったりするのだが。

すれ違う小田急線列車。
結局、車両のアップかって?野鳥撮影用の超望遠レンズで撮影するのでアップになりがちである。
8000形の最後尾を右から左へと追い写ししていたら、逆方向から来た電車とすれ違った。
銀色の車両はかなり傾いて見える。単独で見た場合には、なんとなく傾いているなあ、で済むかもしれないが、別の車両と並ぶと違和感が歴然とする。
まあ、こんな写真は滅多に撮らないけど、、、いや、東海道線の鉄橋ですれ違いを見るとカメラを向けてしまう自分がいる。もっとも、場所柄ここまで大きく写らないので、歪みは気になることはないだろう。
F8, 1/1000s, ISO 400

他の乗り物では、ヘリコプターのローターや飛行機のプロペラの歪みが気になる。

Retouched
こんな角度で撮るから歪みが気になる写真になるのだが、、、
ここまで歪むのは2枚ブレードのせいだろうか。
4枚ブレードや5枚ブレードの機体の場合、あまり気にならなかった気がする。
飛行機のプロペラを画面一杯に写すことはないので、気にならないかもしれない。

昆虫の場合、ビロウドツリアブに顕著な偽の撮像、Artifacts が見られた。普段は、あまり速いシャッターを切らないので問題にならないと思う。この時は、1/32000 秒のシャッターを使って動きを止めてやろうと考えてやってみたのだ。結果は、このとおり。

20220331_105523_P3315132-DeNoiseAI-clear-SharpenAI-Motion.jpg
F8, 1/32000s, ISO 25600, trimmed and retouched
20220331_111040_P3315424-DeNoiseAI-clear-SharpenAI-Motion.jpg
F5.6, 1/32000s, ISO 25600, trimmed and retouched
20220331_111809_P3315891-DeNoiseAI-clear-SharpenAI-Motion.jpg
F5.6, 1/32000s, ISO 16000, trimmed and retouched

羽がうにゃうにゃとうねっている。

ISO12800を超えるとローリングシャッターの幕速が低下する。

「とるなら 写真道楽道中記」

ISO は控えめにということか。

撮影したコマを連続して送っていくと、ベリーダンスにおけるスネークアームズに似た動きが見られる。

飛ぶ鳥の追い写しにおける背景に現れるのはどうしようもない。

カルガモが飛んできたので咄嗟に追いかけた。しかし、追いきれなかった。
カルガモが歪んでいるかはわからないが、背景の縦のラインがすごく斜めに写ってしまった。

人工物と一緒に写すのはあまり好みではないが、市街地の近くで野鳥を撮るとどうしても写り込んでしまうことがあると思う。

野鳥の場合は、ローリングシャッター歪みの影響がわかりにくい気がする。
顕著な例を持っていなかったので、影響が疑われる例を示す。

ハクセキレイ、trimmed
右の翼のそり具合と左のそれとで、違いがあると言えばあるような気がする。
画面の上から下にローリングシャッターによる時間差が生じているので、右の翼は振り下ろして先端が反った状態、左の翼は振り下ろし切って反りがなくなった状態、と考えればこのショットはローリングシャッターの影響を受けていると疑わざるを得ない。
ハクセキレイ, trimmed
なんとなく左右で違うように見える。もっとも、左に旋回している途中なので、こんなものかもしれないとも思う。
セグロセキレイ
オスとメスの区別がつかないので間違っているかもしれないが、メスに言い寄ったオスが追い払われてトンボ返り状態で飛び立ったところのように見えた。
翼がブレてしまったのではっきりしないが、左右でねじれているように見える。
イワツバメ, trimmed
向かって右、左の翼の先端が反り返っているのに比べると、反対側、右の翼の先端はそうなっていない。
ツバメ, trimmed
左の翼が湾曲しているが、実際このような形になっていたのだろうか、疑問。

野鳥の場合、次の条件が重なると歪みが目立つと推測する。
・羽ばたきが速い小さな鳥
・正面からの撮影
・画面の上下方向に翼を広げた状態。右の翼が上にあったら左の翼は下にあるような状態

自分の場合、あまり動かない鳥を写すことが多い。グローバルシャッターセンサー搭載機の発売を待てずにローリングシャッターセンサー機を買ってしまった。なぜなら、それ以外に改良点が沢山あったからだ。だからしばらくは今のカメラでやっていこうと思う。

対策

メカシャッターを使うこと。

t.koba


いいなと思ったら応援しよう!