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呪われた着物

今日は、怖い・面白いお話。

私の周りは、普通じゃない事が多いのです。

古着の着物買いたいですか?

こればかりは買わない方がいいですよ。
いろんな気持ち?
高価な着物なだけに、気持ちがこもっていますよ。

私は夜中の3時に着物一枚持って、
24時間オープンの買い取り店に車を飛ばしている。

この謎の時間帯に着物一枚売ろうとしている女、

おかしいでしょ。

私は、日本・THE・JAPANをアメリカ人に押し付けた、
コンセプトのお店を経営させて頂いております。

お店をオープンするに当り、

たまたま、着物を買わないといけない事が起こったのです。
知人にいらないと言っているのに
沖縄ならではの親切心から、
お店に合うからとごり押しされたのです。
いらないって言っているのに、無理やり買う羽目になったのです。

USEDなので安かったのですが、それでもいらない。
だけど、買った方がいいと半分強制的に言われ仕方なく買ったのです。

仕方なく、お店の壁にオブジェとして貼り付けました。

ダサい。

いや、その時は、オープンで必死だったのでいいのです。

ダサくて良かったのです。

そして、女性スタッフには、日本をアメリカ人に押し付ける為に、
和装をお願いしたのです。

スタッフは、ネットで可愛い和装の衣装を個人で手に入れていました。

私は、コスチュームがない子、新人に用意をしていました。


押し付けられ無理やり買った、あの着物を忘れていたのです。

商売始め、
素晴らしいスタッフを集めるのは、
第一店舗目は、難しいものです。
とにかく、スタッフがいればという状態でした。

集まったメンバーはとてつもなく個性強いメンバーです。

アメリカ人相手でも、動じない女性というのは個性強いです。

私は、そのメンバーの先頭に立ち、まとめなければいけません。

個性強いを遥かに超えた精神がなくてはいけません。

ある日、スタッフの紹介で、働きたい女性がいると聞きました。

年齢を聞くと、私と同じ年。

・・・・・・・

どうしよう。

可愛い女性がいなければいけないお店。

年齢ではなく、その方次第ではあります。

はっきり言うとオバンではないか、、、、、

スタッフは言いました

元・バレーダンサーだから。

なるほど、それはいいですね。

私の業界では、お洒落な人が必要なのです。

何も知らない若い女の子。
それは若さでOKなのです。

修正が効くのです。

年齢がいっていれば、実績がよほどでないと無理なのです。

元バレーダンサー、美しそうな気がしませんか?

そして、やって来たのは、ボサボサの髪の毛、
ガリガリの貧乏丸出しのおばはんだったのです。

性格が可愛ければ良かったのですが、
元バレーダンサー故にプライドが高すぎたのです。
ガリガリのおばんはプライドが高かったのです。

それでもメンバーの一人になればと頑張って考えたのです。

そして、コスチュームを持参していない。

仕方がないですね。

あの忘れていた着物を着てもらう事になったのです。

安かった着物はベージュ、肌色で華やかではないですよ。
その方は、着物を着たお化けに見えました。
お化けに見えようといいのです。
人数を集める為には、オバンでもお化けでも良かったのです。
とにかく働いてもらってその日は終わりました。

一緒に働きたいという人は温かく迎えよう。

そう思っていたのですが、

そのバレーダンサー女子から、お断りをされました。

いいんです。

それは、それでいいんです。

その後です。

一人のスタッフが衣装を忘れた、他にないですか?
と言ってきたのですが、もう在庫はなく、あったのは、
あの、着物だけだったのです。

衣装を忘れた若い女子は、
その後、更衣室から、なかなか出てきません。

何をしているの?と聞くと、

「こんなダサい着物着たくない。」

え?

早く仕事してくれないかな?

ブラパンのあなたに、この肌色の着物は嫌ですよね。
ブラパンには許されないプライドですよね、

ブラパン。

その意味は
黒人男性だけを好きな女子の事を言います。
ブラックオンリーの女子です。
お洒落で、可愛い。

だけど、プライドが高く、気の強い人が多いです。

そして私は言いました。

どんなにダサい着物であろうと、
あなたの美しさに曇りはない。
大丈夫。心配なし。

仕事をして欲しい私は適当に言いました。

ブラパンの若い女子を囲んで、
ブラパンを崇拝する女子が皆で、ダサいよねと言っている。

そんな事はいいから、早く仕事してと思った私です。

美を追求する仕事ですから、ダサいのが嫌なのはわかります。
だけどです。
衣装を忘れたあなたが悪いのです。

ダサい衣装を着ても、
あなたの美しさをかもし出してください。

なだめるのに本当に苦労しました。

確かに、私も、ダサい着物+バレー貧乏おばはんが着た着物。

運気が下がりそうで嫌ですよ。
私も着たくないですよ。

ブラパン女子は若いので、
運が悪そうな着物を着ても弾き飛ばすでしょう。
いえ、弾き飛ばします。

そう、思いながら、仕事をしたのですが、

他のスタッフが、

からかい半分、私に言ったのです。

( あの、着物、呪われてるよね。)

は?そんな事言わないでよ。

だけど、そう言われると気になります。

商売繁盛、大切にしている私。

変な物は、早く処理しておきたい。

私は、その着物を車に乗せました。

助手席に乗せました。

まるで、
隣に謎の女が車に乗っているような気がしました。

この感覚、信じようか?

なんか、謎の物を乗せているよ。。。。

早く、どっかに行ってもらうしかない。

仕事が終わった後、着物と一緒に車を飛ばしました。
時間を見ると、何それ?
夜中の3時ではないですか。

急いで、24時間の買い取り屋に
目チバしって行ったのです。

買い取り値段、500円なり。

え!値段ついたの?

この、呪われた着物、500円になった!

あ、ありがとう。

値段じゃないんです。

処分に困っていたんです。

それよりも、この時間、夜中の3時という、
謎の時間に、
着物一枚売りに来る女の方が怖いですよね。

それを、普通に受け入れてくれた、この業者に感謝。

沖縄は、変な人にも寛大であり、
摩訶不思議な事にも寛大に受け入れてくれるのです。

沖縄、ありがとう

写真:DJブースの美しさ From 沖縄
(呪わた着物の写真はない)

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