ふたご座の神話(カストルとポルックス)
1月16日「火星の衝」がありました。正確な時間は1月16日10時17分頃。「火星の衝」ではいつもより火星が明るく輝き、肉眼で簡単に見ることができます。画像は16日日の出前6時17分頃のもの。この画像では中央下やや右にかすかに見えるのが火星です。空が明るくなったため、火星に横並びで見えるはずのふたご座ポルックスとカストルは見えませんが、近くに見えるはずのふたご座の神話について書きたいと思います。
カストルとポルックスは、ゼウスが白鳥となってレダに生ませた双子です。彼らはいつも仲良く連れ立ち、白馬にまたがる青年の姿、あるいは暴風雨の船のへさきに立つ導き手でした。
ふたりは同じ母親から生まれていますが、ポルックスの父親はゼウス、カストルの父親はレダの夫でスパルタ王テュンダレオス。兄のカストルは人間の子で死ぬ運命にあったため、ポルックスは父ゼウスに頼んで自分の持つ不死の性質をふたりで分かち合うことにしました。これにより1年の半分は天、半分は地下で共に過ごすことになったとのこと。夜空に見えるふたご座が半年見え、あと半年は地平線の下で見えないことの説明になっていると言われています。
レダは白鳥の卵を生み、卵からカストルとポルックスが生まれました。別の卵からはトロイア戦争の発端ともなったトロイアのヘレネ(トロイのヘレン)とアガメムノンの王妃クリュタイムネストラの姉妹が生まれたとも伝えられています。姉妹ではヘレネの父親がゼウス、クリュタイムネストラの父親がスパルタ王テュンダレオスとされています。
ちなみにカストルとポルックスの双子の生死ですが、ふたりとも人間の子で死んだ、またはふたりともゼウスの子で不死だったとされるなど、諸説あるようです。
西洋占星術では双子座の支配星は水星です。恒星占星術でのカストルは同じ水星の属性を持ちます。カストルの影響を受けている場合、好奇心旺盛な性質が強調されるかもしれません。ブレイディの恒星占星術でのカストルのテーマは「話の上手な人」
恒星占星術でのポルックスは火星属性。ポルックスの影響を受けている場合、戦いを好む傾向が出てくるかもしれません。ブレイディの恒星占星術でのポルックスのテーマは「ストレスによる洞察」
神の子とされるポルックスの方が好戦的なのが面白いですが、これはポルックスがふたご座で最も明るい星で、青白いカストルに比べ黄みがかった橙色で、赤に近い色をしていることが関係しているのかもしれないですね。
12月に最大となるふたご座流星群はカストル付近が放射点です。