子育てで、自分の子供時代の記憶が癒される
子供の時に愛されなかった記憶みたいな物
構ってもらえない、分かってもらえない、私は愛されていない、など。
して欲しい事の欲求が満たされず行き場を失って、大人になっても胸の中で渦巻く記憶みたいな物。
子育てという親と同じ立場に立つと、それらはどんどん消えた。消えてなくなった。
子供が出来たら急に立派な大人になるわけではない事を知った。子供の時は、親は何でも知っていて、偉大で誰よりも正しい完璧な人間なのだと思っていた。
いざ大人になって、自分をコントロールする事だって難しいし、出来ない時だってある。
そんな中で、あの日の私と同じ様に、常に求めてくる我が子。
子育ての日々の中で「あの時、親はこうだったのかな。」とか「完璧な人なんていない。」と、頭に浮かんでは、記憶が癒される様に愛されなかった記憶が消えてなくなっていく。
親もまた未熟な人なのだ。それを子供の時の私は分からなかった。だから期待したし、期待に応えてもらえなかった、と傷付いた。
父親は、言葉にする事が苦手で、行動で示すようなタイプで、物を投げたり、大事な物を壊されたり、捨てられたり。
子供の私は、父親の事を最低で最悪な人間だと思っていた。
けれど、現在子供といつも一緒にいて、時に言葉より行動が出てしまう自分に気付く。
子供に、つい優しく出来なくなったり、疲れてる時だって、喋りたくない時だってある。
あの大嫌いな父親が、自分の中にいるんだ、と落ち込むと同時に自分だって出来ないって、責める資格を失う。
理解すると、憎しみは消えて、癒しが起こるんだね。
嫌だった記憶は気にならなくなって、代わりにポジティブな記憶にさえ変わる。
私は、愛されなかっただなんて、そんな事を1ミリも思う事はなくなった。