家裁にまくし立てられる3回目の調停
調停期日の2日前から私はソワソワしていた。
遠足や発表会前のワクワクと緊張で胃が上がって食欲が落ちる現象を味わっていた。
夜もなんだかしっくり眠れず、夢で調停に行く準備をしながら『あ、手帳がない!やばい!』と焦って午前3時半に目が覚めた日もある。
その夢を見た数時間後の朝、私は無印良品に行って手帳を買っていた。
3回目の調停、当日
午後の部に設けられた調停に合わせ、私はソワソワMAXで普段の3倍速で朝から動き回っていた。
ちなみに私の3倍速は、ワーキングママの朝のそれと同じ速さである。通常運転がナマケモノレベルの私にはレアな動きだ。
期日のたった2時間という短い時間に毎回ココロを振り回される自分を『豆腐メンタル』と太鼓判を押したエムグラムの診断結果は実に正確だと思う。
心が乱れたときはおぼろ豆腐メンタルと言っている。
正午。
私はソワソワゲージを振り切った状態で『調停行く時に不便だろう、冬の買い物は寒かろう』と仏のご慈悲で2週間前に買って頂いた車に乗り込み、いざ東京家裁へ出陣。
足がガクブル状態で家裁の中を歩き周り、無事、開始15分前には電話会議用のだだっ広い部屋に1人ポツンと座っていた。
何度も深呼吸をしたせいで若干酸素不足に陥ったのは秘密である。
そして迎えた13:30。
電話が来ない。
おや?・・・・電話料金払ったよね。
うんうん、払ってる。大丈夫。
どうした、何があった!!
8分ほど電話が来ないだけで焦るのが、おぼろ豆腐メンタルの由縁である。
8分遅れで無事に着信があり、いよいよ調停が始まった。
私の目の前には、2回目の調停後に送られてきた書類と無印良品で調達した手帳、それから気持ちを落ち着かせるために作った想定問答の紙が所狭しと広がっている。それと大好きなアリスのラベルが貼られたミルクティー。
調停の始まりは前回同様、事前に貰った報告書の感想から聞かれた。
報告書の内容を書いた記事はこちら。
これは想定通り。
今朝、想定問答の初っ端に書き足してきましたよ!(ドヤ)
私は、子供たちの気持ちが一貫して変わっていないこと、学校に行く分の生活面では今の祖母の家にいることに問題は無さそうだが、精神面では心配になることが多いので早く引き取って、心身ともに安心して暮らせるようにしてあげたい、そういった感想を述べた。
報告書の最後にあった、元姑の暴言にも触れようか迷っていたら
調停員①さん「分かりました。じゃあ・・・あ、調査官どうぞ」
調査官「パートナーさんのお仕事について、追加で聞きますね!」
完全に元姑の発言は家裁側でスルーされていた。
・・・・ざまぁ!!(言い方)
この後10分はトトさんの仕事と子供を受け入れる気持ちに関する話で盛り上がり、もう前から思っているんだが、トトさん本人を召喚して本人に聞いてくれ!と何度も思った。
子供が2人増えるプレッシャー?
子供2人どころか、最近トトさんの両親と妹家族を近くに移住させて仕事と生活の面倒を見ないといけないって話が出てきて、なんなら弟の仕事の面倒も見てるこの状況!子供2人なんて可愛いもんだろが!!
そう言いたかったが、話がややこしくなりそうなのでお口にチャックした。
最初の30分(正確には20分くらいだが)は、私とトトさんの気持ちの確認みたいな問答で終わった。
調停員①「これから相手方のほうに移りますので、待っててくださいね~。もしかしたら今報告書を読んでもらってるので時間掛かるかもしれません」
報告書とともに国語辞典と漢字辞典も渡しておいてくれ。
40分ほど私はだだっ広い会議室で時間を潰し、『すっごい掃除水』と書かれたスプレーボトルが異様に気になって眺めていた。すっごいって。
その話は突然に・・・
すっごい掃除水を眺めるのにも飽きて、椅子でクルクル回って遊び始めた頃、電話が掛かってきた。
調停員①さんが何やら説明し始めたが、?が何個か飛び始めたとき
調査官「あ、いや、まずはですね!」
と、調査官が割り込んできた。ガンガン来るなこの人。
調査官「先に言いますと、裁判所側はあなたに親権を移すことを決めました!それに伴い、この時間から話を詰めていきます!」
私「ぬぁっ!?・・・決まったんですか!?」
突然の報告に変なところから声が出た。
これまで冷静沈着、おしとやかな言葉選び、絶対に相手方側を貶さない態度を貫いてきた私としたことが・・・・(ぇ)
あれ。でも相手方納得したのか?
なんか思ってたんと違う。
調査官「相手方はまだ虐待を『しつけ』と言い張っていて親権変更に納得していないんですが、裁判官とも今話し合って、裁判所としてはこの状況を把握した時点で見過ごすことはできません。なので、親権はあなたのほうに移す確定をしました。」
っっっっっしゃーーーー!!!!!!!(心の中で全力の雄叫び)
調査官「で、いつ頃お子さんたちを引き取りますか?」
私「・・・・え???」
・・・ちょっと話が音速すぎて付いていけねーな( ゚д゚)
・・・引き取る?
まだ確定しただけで、今日、親権が変更されるわけじゃないんだよね。相手方が納得してないし。
親権変更されてなくても引き取っていいのかい?
それとも今日一気に変更までしようとしてる??
え?・・・・え???
そしたら手続きで帰らないといけないじゃんか。
それに合わせたら・・・
ッギャーーー!いつにしたら良いんだ!!!!
思ってた流れと違いすぎて、豆腐大パニック。
調査官&調停員①「子供たちの気持ちの事もあるので、早すぎず遅すぎずで」
だから、それが超難問。
私「じ、じゃあ・・・14日・・・にしようかな・・・」
調査官「わかりました!じゃあ相手方にも話してきます!(プツッ)」
私が引き取り日を脳内大パニックで考えてる間も調査官は色々説明してくれてたけど、もう一切頭に入っていない。
ただ、的外れな返答をして怒られたのは覚えてる。
『1度経験してるからこの辺の流れ分かるでしょう』的なこと言われたけど、前回の変更時は初っ端から子供たちは連れ去られていたので引き渡しに関しては未経験なのだ。ヴァージンなのだよ。
10分ほどの電話で親権変更の確定と引き取り日の話をガンガン進められ、豆腐放心。
とりあえずトトさんに親権確定の報告をして一緒に喜びを噛み締めていた。
ここまで長かったよー・・・。
ひたすら電話を待つこと40分。
その間に調停の終了予定時刻を過ぎていた。居残りの気分である。
次に掛かってきた電話を受けると、新たに裁判官が参加していた。
・・・?やっぱり今日で変更するのか??
もう訳が分からん。
裁判官が自己紹介をし、今把握してる状況を述べて『これで間違いないですか?』と言われたが、早口すぎて何言ってるか分からなかった。イントネーション的に関東の人間だな。せっかちさんめ。
そしてこの時点から、相手方も同席という形で進められた。
前回の親権変更のときは審判のときに裁判官が登場し、その時は申立人と相手方は同席して裁判官の話を聞く、という形だったため、いつの間にか審判になってるのか?と電話の向こう側の状況が分からず、豆腐再びパニック。
しかし、これは審判ではなくただ単に、明らかに虐待だっつってんのに相手方は『しつけだ』と言い張るし、さらに子供たちを預かってる相手方・母も暴言吐きに面談を取り付けて来て自分たちも虐待して育ててきました!と自信満々に失言かまして行く始末で、子供たちをその環境にこれ以上長く置くのはもう裁判所的に我慢の限界なんですよ!長引かせられない状況なんですよ!だからもうガンガン進めますからね!!!という家裁の圧だった。
どんだけ家裁に嫌われてんだコイツら。
妖怪でしゃばり婆の全力フォロー面談は、明らかに自滅の速度を加速させたとしか言えない。
その時間は、これまでに決まった取り決めを整理して当事者双方に勘違いがないかを確認し、次回の期日を決め、できれば次回で終わらせたいという話になった。
次回で終わらなければ審議→裁判になっちゃうから、家裁としては避けたいんだよねっていう空気を電話越しでも感じた。
ただやっぱり、これはあくまで調停。
話し合いの場である。
相手方の反論や親権を渡す条件など平等に聞き取る必要もあるため、相手方にはその資料を作ってくるように、と裁判官から言われていた。
私もそれは作った覚えはあるが、ただ裁判官の難しい言い方(そうでもないけど)を排除して聞くと、相手方にもまだ親権を守る余地はありますよ!という受け取り方もできるわけで。
この時点で私に親権が確定したと言い、子供の引き取りの日程も決め、そこに反論せず『分かりました』と了承した相手方に親権を残す気は99.99%も無さそうだと感じるのは、私の傲りなんだろうか。
なんなら調査官も裁判官も、子供の引き取りが上手くいかなかったら『子の引き渡し請求』の申立てをする準備もしましょうと細かい段取りまでしてくれているというのに。
相手方がこの状況をちゃんとわかってることを祈るしかない。
気付けば調停に3時間半も掛かっていた。
駐車料金は予定よりも高くなっていたが、まぁ良い。
外が暗くなっていて帰り道が分からなくなったけど、それも良い。
親権が確定し、子供の引き取りの日程まで決まった今日!朝のガクブル足は軽やかに飛べそうなほど浮ついていた。
この喜びを早く誰かと共有しなければ!!
母とトトさんに鼻息荒く電話を掛ける。
LINE通話は何の音もしない。呼び出し音が鳴らない。
普通に番号で電話をする。
呼び出し音が鳴らない。
・・・・・・
千代田の呪いかっっ・・・!!!(高層ビルの影響)
溢れ出る喜びを誰とも共有できないまま、私は悶々と家路についた。(途中、無事に電話は繋がりました)