男は下心で動き、女は物欲で動く
昨日、大雨のなかウチの仏彼氏が食パン1斤をお土産に仕事から帰ってきた。パンは私の血肉である。
仏がお土産を持って帰ってくるのは珍しくないが、大抵は貰い物だとか酔払ってコンビニスイーツを片っ端から買って来るとかそんなパターンなので、今回も貰い物かと思い「あ、ども」と受け取って中身も見ずにスルーしていた。
「中、見たー?」
とワクワク顔の仏を見て、なんかいつもと違うぞ…と脳内あむこがささやく。
「現場の近くにパン屋があって、食パン専門店って書いてたから買ってきた!生食パンじゃないのは残念だったけどね」
昨年、鎌倉で並んで買った鎌倉生食パンをキッカケに食パンに憑りつかれた私だが、パン屋の1斤パンも幸福度数を上げてくれる。
しかし好物を買ってくるなんて・・・・・仏、下心しか見えねーよ。
だがそこで下心を叩き落とすなんて野暮なことはしない。
ゴールはアレだと知りながら、そこは上手にかわすのが私だ。
残念ながら今日はそんな気分じゃないのだよ。
「わざわざ買ってくれたの?ありがとー!」
労いの言葉とハグで仏の下心3割を満たす。
「背中洗ってあげる!」
と、一緒にお風呂に入り体を洗って下心+3割満たす。
「パンうまー!明日は朝ごはんが楽しみだな~♪」
この上なく幸せそうな顔でパンを食す姿を見せ下心+2割満たす。
そして、満腹で寝る。
ゴール直前で試合放棄された仏は恐らく残り2割をどう埋めようか悩むだろう。好物で最短ゴールなんてこちとら安直な性欲じゃないのだよ。
しかし仏は「仏」なので、幸せそうにパンを食す私を思い出し、またパン屋を見つけたらパンを買って来るだろう。そして再び「あわよくば・・・」と下心を巡らすのだ。
その度に私は、次の食パンのために仏の下心を8割埋めて寝る。
素知らぬ顔で寝る。
そしてまた仏は、今度は別の手で私を喜ばしゴールを迎えようと頭を捻る。
延々に繰り返される下心と物欲の駆け引き合戦。
これが男の下心で己の物欲を埋める女の日常的な縮図となるのだ。
借金地獄に仏!生きる活力になります!