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【競馬】祝・実装!モンジューと今後のウマ娘について【ウマ娘】

みなさん、ウマ娘はお好きですか?

先日、ウマ娘ストーリー最終章後編が公開されましたね。モンジューの姿が確認され、話題になりました。

PVはこちら⬇

このモンジューというウマ娘は「ブロワイエ」としてウマ娘アニメ1期に登場しており、4年の時を越え満を持して真の名前で顕現(?)したことになります。

アニメ1期は後のウマ娘からしても正史ではない扱いの作品な(気がする)ので、気軽に改変できるのがいいですね。

今回はモンジューと彼にまつわる名馬とウマ娘の関係、そしてウマ娘のこれからについて解説します。


前半はモンジューの生涯、後半はモンジューが出てきたことによるウマ娘(と我々)への影響を中心にまとめてます。目次をご活用ください。

(サムネのあの娘にも触れるから安心してな)

モンジューとは

アニメ1期を見てない人にはなんのこっちゃだと思うので、彼の生涯を簡単に解説します。※ネタバレ注意。

モンジューとは1990年代の欧州最強馬の一頭で、ウマ娘系競走馬でいうとシンボリルドルフや全盛期メジロマックイーンに近い「絶望感すら与える強さ」を持っていた競走馬です。


馬名は馬主さんが所有していた城の名前から取られたとのこと。海外(特に欧州)の競馬はセレブのたしなみ的な側面がありますが、こういうところからも庶民の手の届かない所にあるものって感じがしますね。


モンジューはその名の通り、鉄壁の城塞のような圧倒的な強さを誇示し続けました。

日本だとダービー、ジャパンカップ、有馬記念勝った馬はめっちゃ強いみたいな風潮がありますが、もちろん欧州でもそう。
ダービー凱旋門賞キングジョージVI世&クイーンエリザベスSは勝てば世界的に高く評価されますが、モンジューはこれらを全て制覇。そしてフランスとアイルランドで2ヶ国ダービー制覇を成し遂げてます。

欧州2ヶ国ダービー制覇をした馬は、ここ30年だとコマンダーインチーフ、ドリームウェル、モンジュー、シンダー、ガリレオ、ハイシャパラル、オーストラリア、ハーザンド、キャメロットの9頭。思ったより多い。
(ちなみにオーストラリアはイギリス産まれで、ジャパンCに出てたブルームの父です。ジャパンもイギリス産まれです。)

↑こちらから戦績を確認できますが、いかにも「最強だったんだろうなあ」と数字だけで思わせる強さ。

ここで実際の走りを見てみましょう。
アイリッシュダービーの映像です。
馬番5番のしましま模様がモンジュー。

お分かりいただけたでしょうか。
他馬を抜かすためにムチを打っているのではなくて、おそらく先頭に立って気を抜き、軽くよそ見したのを矯正するために打ってます。
これ、G3じゃなくてダービーですよ。
どれだけ力が違うかは伝わったでしょうか。



海外のローテーション小噺

(興味無い方は飛ばしてOK)

時に、2ヶ国のダービーを制覇したモンジュー。
日本的な考え方だと「よーしここで菊花賞(セントレジャー)も勝って2ヶ国で2冠獲ったらぁ〜!!」となりますが、欧州だとそうはなりません。


欧州競馬は三冠路線が形骸化していて、セントレジャーに挑むのは三冠を目指せる馬か、元々長距離しか走れないようなスタミナ一辺倒な馬のみです。



傾向として、2000ギニー(日本でいう皐月賞だけどマイルG1)を勝てた馬はセントジェームスパレスS(NHKマイルみたいなもん)からジャック・ル・マロワ賞(安田記念)を目指す馬が多いです。



英仏愛ダービーを勝てた馬は選択肢が多く、もう一個ダービーを狙うか狙わないか決めた後は、①2000mを主軸に古馬と戦うか、②2400mを主軸に古馬と戦うか、③海外遠征するかの3択が主流です。



①2000主軸の場合はエクリプスS、インターナショナルS、愛チャンピオンS、英チャンピオンSとレベルの高い中距離レースが盛りだくさん。

基本的にこの中のレースを1つ〜2つ勝って、より高みを目指すために距離延長で凱旋門賞やアメリカのBCターフなどに挑む馬が多いです。

分かりやすいように現役の日本馬で例えるなら、菊花賞を回避して天皇賞勝って、距離延長で有馬記念に挑んだエフフォーリアみたいな感じですね。「エフフォーリアローテ」と呼んでもいいでしょう。

とはいえエフフォーリアもダービーで負けているように、こんなローテで勝ち続けられるのはごく一部。

英2000ギニー(5月)→英ダービー(6月)→エクリプス(7月)→インターナショナル(8月)→愛チャン(9月)→凱旋門(10月)
の鬼畜ローテで全勝したシーザスターズのような名馬は数十年に一度しか現れません。
(出走ローテがMake a new trackで育成してる時のそれ)


②2400の場合はある程度道筋が決まってきます。
大体の馬は休養に入るかG1を一個挟み、G2ニエル賞から凱旋門賞へ挑みます。
神戸新聞杯→ジャパンカップと似たような感じなので、「シャフリヤールローテ」と言っちゃってもいいでしょう。

もちろんモンジューもシャフリヤールローテで凱旋門賞へ挑みました。


伝説の凱旋門賞

99年の凱旋門賞は、日本の競馬ファンがテレビの前で見守っていました。

馬番2番、1番ゲート。エルコンドルパサー

日本馬の中で最も勝利に近いのはこの馬だと、誰もが信じていました。


ウマ娘だけを見ていると、オペラオーやウオッカがかませ犬キャラに見えちゃったりもします。
でも、wikiを調べると「GI7勝」の文字が真っ先に飛び込んでくるので「こいつつえーじゃん…」と理解できます。
でもエルコンドルパサーはどうでしょうか。あんまりピンと来てない方も多いと思いますので、僕なりの見解を述べさせていただきます。


「最強」の定義を「万能」だとするなら、日本競馬の最強馬はオルフェーヴルかエルコンドルパサーの2択になると思うし、気性面も評価対象に入れるとダントツでエルコンドルパサーが日本最強だと思ってます。


ウマ娘でこそ謎の覆面チャンですが、マイル〜2400の距離を完璧にこなし、ダートも欧州の馬場も走れて、逃げ〜差しまで自在。逆にこれ以上何求めたらいい?ってくらい完璧です。
チャンミで限定キャラのエルが大量発生しない今のゲームバランスはおかしいと思ってますよ。はい。


実際、毎日王冠までは無敗で来ていて、サイレンススズカが作った殺人的ハイペースを初体験し2着に敗れたものの、ジャパンカップで余裕の勝利。
欧州馬場初体験のイスパーン賞でも2着に敗れたものの、2戦目のサンクルー大賞は勝利。

初めてのイレギュラーでしか敗北してないんですよ。それも2着。

だからサイレンススズカがもし生きていて、どこかで再戦していたとしても、エルコンならギリ差せてた可能性の方が高いと思ってます。(もちろんスズカもめっちゃ好きだし強いと思うけど)


話を戻しましょう。
凱旋門賞当日、ロンシャンは大雨の影響を引きずって歴史的な不良馬場になりました。

エルコンドルパサーは現地でも2番人気でした。
もちろん1番はモンジュー。

その他にも、GIを7勝した良馬場の王デイラミや、後にGIを6勝し欧州年度代表馬になるファンタスティックライトなど、凱旋門賞にしては少頭数ながらとんでもねえメンバーが揃っていました。


世界と日本の夢を賭けて、ゲートは開きました。

欧州競馬には「ラビット」というシステムがあります。簡単に言えば、「他馬を勝たせるためにペースを作る馬」です。(日本ではルール上存在しません)

この日はモンジューのためにジンギスカンという馬が逃げてペースを作る予定でした。
しかし不良馬場に脚をとられ最後方でのスタート。

欧州に比べて馬場が軽い日本はゲートの出が悪いと命取り。世界の競馬で最もスタートが重要視されています。
日本で先行の競馬ができるエルコンドルパサーが最内枠でのスタート。鞍上の蛯名さんも逃げの手を想定しながらゲートインしたはず。

その予想通り、エルコンドルパサーは先頭での競馬を余儀なくされました。


今までほぼ全てのレースを中団で進めてきたエルコンドルパサー。ほぼ初となる逃げ。それでも蛯名さんは腹を括ってペースを落としました。


そこからはご覧の通り。先頭に立ち、直線を向いてなお、後ろを突き放してスパートをかけます。
もう勝ちは目の前。そう思った瞬間。
モンジューとキネーン騎手が渾身の追いで迫ってきました。

今までのレースは全て、上で紹介した愛ダービーのように楽に勝ってきたモンジュー。
この時、彼は初めて本気を出しました


後ろを5馬身引き離したクロコルージュをさらに6馬身ちぎっての叩き合い。最後は仕掛けのタイミングの差。

勝利はモンジューの手に輝きました。
しかし、モンジューを管理するハモンド師は、レース後にこう語りました。


「この年の凱旋門賞には、勝者が二頭いた。」

と。



ウマ娘にはない要素として、競馬には「斤量」というものが存在します。
上に乗っかる騎手を含めた負担重量のことです。
だいたい1kg違うと最後の伸びに1馬身の影響が出るとか言われてますね。

斤量は年齢、性別ごとに決められていて、レースによって違います。

例えばジャパンカップなら3歳馬は55kg、4歳以上なら57kg。(牝馬はここから-2kg)
凱旋門賞なら3歳馬は56kg。4歳以上は59.5kg

は????????
と思ったそこのあなた。そういうことなんです。


エルコンドルパサーは59.5kg背負って逃げ、3.5kg軽いモンジューに本気出されて負けたのです。なんと酷な。

日本馬が凱旋門賞で勝てない理由の7割は斤量でしょう。事実、2着経験のあるナカヤマフェスタ、オルフェーヴルはどちらも自分より斤量の軽い馬に差されてます。(日本馬は58kg以上を背負う機会がほぼ無いので、この傾向は今後も続くでしょう)

故に、エルコンとモンジューの斤量が同じになる翌年の凱旋門賞はチャンスがあったのですが…。



エルコンドルパサーは凱旋門賞を最後に引退を表明しました。
もちろん、「来年も凱旋門賞に挑戦してはどうか」「スペシャルウィークとの対決はどうなるんだ」などの声はありました。

しかし、陣営は国内で唯一彼を負かしたサイレンススズカが亡くなり、自身がJCを制覇した時点で「国内の勝負付けは付いた」と海外長期遠征を敢行。
この引退に関しても、「数年経てばじきにわかる」と、断固として現役続行を表明しませんでした。

この言葉の意味は、エルコンドルパサーの種牡馬としての期待の裏付け。日本の馬の血脈の中心に彼が残ることを見据えて、早めの引退を決断したのです。

しかし彼はわずか7歳にしてこの世を去ります
今から思うと、この選択が正しかったかどうかは誰にもわかりません。

それでもエルコンドルパサーの血は(直系ではないにしろ)クリソベリルが受け継いでくれていますし、同じ父から生まれたキングカメハメハが日本の血統図を塗り替えた事からも、長生きさえしてれば違った未来はあったのだろうと思います。


日本総大将

まだ3歳だったモンジューはもちろん現役を続行。
次なる舞台はジャパンカップ。まだ見ぬ日本の強敵との戦いを所望したのです。


とはいえ、凱旋門賞開催地のロンシャン競馬場と東京競馬場はうどんとラーメンくらい違う、という話を以前したことがありますね。

説明すると、ロンシャンは水はけめちゃ悪い&起伏めっちゃ激しい&洋芝(ハード)。
東京は水はけ世界最強&起伏ほぼ0&野芝と洋芝のオーバーシード(柔らかめ)。

砂利道とタータン(合成ゴム)、といった方が分かりやすいかも。


まして過去最悪レベルの不良馬場で勝利したモンジュー。良馬場で勝てるのかという不安はありました。

そして、この日のモンジューは体調を崩していました。恐らく凱旋門賞で本気出した反動と、環境の変化でしょう。馬は繊細な生き物です。

ですが、モンジューは圧倒的人気。さすがにあれに勝てる馬はいない、というのが世間の評価でした。


対して、パドックを見ながら不敵な笑みを浮かべる男が一人。スペシャルウィークを管理し、後にアグネスデジタルで日本競馬界をかき乱す白井寿昭調教師です。

パドックの周回が終わり、馬にまたがろうとする武豊騎手に向かって、彼はこう言いました。
「ユタカ、ダービーの時と同じ体重や。よかったな

この「よかったな」には色んな解釈の余地があります。しかし白井さんの性格を鑑みるに、この発言は「勝ったな」に等しいんじゃないかなと。

そしてこれはストーリー最終章後編のゴル白井さん

武さんの騎乗も完璧でした。
モンジューの騎手が強さを知っている馬は恐らくハイライズ、インディジェナスら外国馬とスペシャルウィークのみ。
ならばモンジューに自分をマークさせ、仕掛けを狂わせればいい。

体調面がいいので、早仕掛けしても大丈夫なのは手綱から伝わっていたはず。小細工なしで一気の差し脚。

日本の弔い合戦は見事に成功したのでした。


外国馬に太刀打ちできない日本馬たちを差し置いて、ただ一頭突き抜けた日本総大将。

世界最強馬を破ったからといって世界最強を名乗ることは出来ません。(馬場とか色々違うし)
ですが間違いなくこの瞬間、スペシャルウィークは日本一になったのでした。


ちなみに、このレース5着がラスカルスズカ
オペラオー世代で、今最もウマ娘実装に近い競走馬です。覚えておいて損は無いかも。



二冠馬の受難

その後スペシャルウィークはなんやかんやして引退。
年度代表馬が1度も日本で走ってないエルコンドルパサーになったりなんやかんやありましたが、ウマ娘ストーリーではスペが表彰されて丸く収まってますね。
(やっぱ脚本の人も思う所はあったんかな…)


モンジューは現役を続行。
ジャパンカップで敗れたからといって、本場欧州でのモンジューは水を得た魚。
あれからさらに勝利を積み重ねていました。

次の舞台はキングジョージ。ここさえ勝てばもう欧州は制覇したようなものです。

そんな状態のモンジューに挑んだのが、日本の二冠馬エアシャカール
凱旋門賞以上に斤量の差があるこのレースは、古馬に比べて5.5kgも軽い状態で出走できました。

とはいえ7月開催。5月のダービーの疲れが抜けてないシャカールにとって、これは厳しいレースでした。

完全に愛ダービーと同じ展開。
余裕の表情で駆け抜けていくモンジューにシャカールたちはついて行くのがやっと。
欧州最強の凄みをまざまざと見せ付けられたのでした。


その後モンジューは凱旋門賞で4着に敗れ、そこから2戦して引退しました。全盛期の終わりは一瞬ですね。


引退し、種牡馬となったモンジューは名馬をこれでもかというほど出しまくりました。
日本馬ハーツクライと熱線を繰り広げたハリケーンランをはじめ、幾多の名馬がいます。

モンジューは日本馬にも影響を与えています。
パンサラッサの母の父はモンジュー、タイトルホルダーとメロディーレーンの母の父はモンジューの代表産駒、モティヴェーターです。

モンジュー自体がスタミナ型だったので、タイトルホルダーやレーンちゃんの無尽蔵のスタミナはここ由来の可能性が大きいです。
そんなタイトルホルダーが今年凱旋門賞に挑むんですから、ウマ娘サイン馬券ってことでどうにか1着来ませんかね…?どうにかなりませんかね…?


偽名だった理由

さて、ここまでモンジューの生涯を解説しましたが、ここからはモンジューがアニメ1期でブロワイエだった理由の推測をします。しばしお付き合い下さい。

あんな「知識さえあれば誰でも分かるようなモンジューらしきウマ娘」をモンジューとして出せなかったのは、許可取りの問題があると思うのです。


実装されないウマ娘

※これからお話するのは、あくまで全て噂です。
鵜呑みにしないようお願いします。

皆さんはディープインパクトやオルフェーヴルがウマ娘に実装されない理由をご存知でしょうか。  


普通の競馬ゲームなら、一切の許可を取らずとも馬をゲームに出しちゃって構いません。
(「バローズ」の馬主さんは頑なに拒否してウイニングポストやダービースタリオンにも馬が出てきませんが)

ですがCygames側は「競馬界への恩返しをしたい」という気持ちの下に活動しており、またウマ娘キャラによる風評被害を減らすため、許可を得た馬主さんの競走馬のみを実装する形を取っているらしいです。(あくまで噂)


現在、90年代から馬主をされていた方の競走馬はだいたい網羅できていますが、00年代以降の馬は中々厳しい状況が続いています。

これは「社台グループ」と「金子真人さん」いうどデカい勢力の許可が取れてないからだと思われます。

現役馬だとエフフォーリア、シャフリヤール、サリオス、スターズオンアース、ソダシ。
これらの競走馬と同じ勝負服の馬は、今のところ実装の可能性が低めだと思ってください。
(前者に関しては許可が取れたという噂もあります)


血統と馬主から読み解く「モンジューが実装したこと」の大きさ

皆さんは競馬をどのくらい注目して見てるでしょうか。

海外競馬まで注目して見てる人は少ないはず。
でもウマ娘制作陣はそこにまで我々をのめり込ませようとしてきています。

こちら、モンジューの勝負服です。
見覚えのある人は相当競馬が好きだと思います。これ読んでる方でも30人に1人くらいじゃないかな。


では、こちらはどうでしょう。

ラヴズオンリーユーのBCフィリー&メアターフです。
これなら15人に1人は見たことあるでしょ。

去年めちゃくちゃ活躍したラヴズオンリーユーは、アメリカの牝馬最高峰GIを制覇しました。
ラヴズは黒基調で緑のしましまが入ってる勝負服。前で競馬してますね。
それをマークしてる8番!モンジューと同じ服ですよね?

この馬はラヴ。G1を5勝しているベテラン牝馬で、このレースを最後に引退しました。海外では2番人気だったはず。ラヴラヴ対決だったわけです。


何が言いたいかと言うと、モンジュー実装できたんだから同じ馬主の馬は全部行けるぞって話なんです。


これがどれだけすごいかを軽く語ります。

世界には三大競馬団体というものがあり(筆者が勝手に言ってる)、このグループが欧州とアジア全土、米国とオーストラリアの一部の主権を握っています。


それがゴドルフィンクールモア社台の3つです。

ゴドルフィンはアラブの競馬好き好き王族が管理してる団体で、去年の凱旋門賞に出てたアダイヤーとハリケーンレーン、日本で活躍してるアフリカンゴールド、あとはファンタスティックライト、エレクトロキューショニスト、ドバイミレニアムなどの名前がながーい名馬たちを所有しています。


社台は言うまでもないですね。
ウマ娘に登場していない日本の名馬の8〜9割は社台グループ持ちです。
オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、シーザリオ、エピファネイア、ステイゴールド、アーモンドアイ。ダートだとクリソベリル、ルヴァンスレーヴ、ヴァーミリアンなどがそうですね。


クールモアは欧州競馬の実権を握っている団体で、大抵の馬は2〜3人で共同所有してます。
馬主名義が「Derrick Smith, Mrs John Magnier & Michael Tabor」みたいな感じになってたらクールモアです。
主な所有馬としてはガリレオ、ハイシャパラル、ディラントーマス、モンジュー、セントマークスバシリカ、ハリケーンラン、スノーフォールなどです。


…………!?


モンジュー!?


社台の許可取るより先に、クールモアからOK頂けちゃった………ってコト!?


ワァ……………


と、誰もがそう思ったのです。



今回出てきたモンジューはMichael Tabor氏名義の所有馬でした。なので勝負服はこれ。

ハイシャパラルwikiより

この服の馬はさっき紹介したラヴやモーグル、ハイシャパラル、ハリケーンランなどがいます。そこそこ見かけますね。


Mrs.John Magnier氏名義だとこの服になります。

ガリレオwikiより

この勝負服の馬は欧州の大体の馬の父ガリレオやディラントーマス、ジャイアンツコーズウェイ、ゴールデンパルなど。これもそこそこ見かけます。


で、最後がDerrick Smith氏。

セントマークスバシリカwikiより

この服めっちゃ見かけませんか?海外競馬見た時に1番目に入る服だと思うんですが、自分だけでしょうか。

セントマークスバシリカ、マジカル、マインディング、ハイランドリール、ソーユーシンクなど、G1を5勝以上してる馬縛りでもここまで出てきます。
他にもスノーフォールやエクセレブレーションなど多数。


これらが全てウマ娘として出演可能となった暁には… と期待してしまいますが、出てきたとて今とそんなに変わらないでしょう。


現行のウマ娘はあくまで日本馬をモデルに制作されています。
日本の馬は遠征するにしても基本的に香港かドバイ、気が向いたらオーストラリアとかです。
ヨーロッパとアメリカは遠いもんね。

で、ヨーロッパで無敵のクールモアと、ドバイとヨーロッパで強いゴドルフィンなら、ゴドルフィンの方が日本馬との絡みが深いんです。

ゴドルフィンの馬がいけるならロブロイのインターナショナルSやナカヤマフェスタの凱旋門賞も再現可能になるし、アドマイヤムーンとフリオーソがアップを始めるのですが、現状そこまではまだ遠そう。



でも、「ガリレオが出せる範囲内にいる」というのは、欧州ウマ娘の世界を広げるにあたって何より大きいです。

日本ウマ娘の世界は、「ディープインパクトが出せない」という最悪な縛りの中で進んでいます。
今世紀の競走馬はだいたいディープの子かディープのライバルの子なので、ディープ関連がまるごとぼかされてるんですね。

例えばサトノダイヤモンドとキタサンブラックは父親が兄弟で、サトノダイヤモンドに関してはディープ産駒として、父の後継としてとてつもない期待をされていました。
そんな彼のダービー制覇の夢を砕いたのが、同じくディープ産駒のマカヒキおじさん(生涯現役)なんですけども。

でもディープとディープ兄のブラックタイド、そしてマカヒキは全て金子さんの馬なので名前すら出せません。それであんだけシナリオ頑張って書いてるんだから運営はようやっとる…。ようやってくれとるんです…。



対して欧州はガリレオが出せるなら、欧州競馬見てたら「この子ガリレオちゃんの子やん!」か「孫やん!」か「ひ孫やん!」の三択になります。マジです。

その点においては、これからの海外ウマ娘は恵まれてるな〜と思います。


ウマ娘のこれから

では、これからのウマ娘はどうなるかを分析します。

今回のストーリーではロンシャン競馬場が再現され、モンジューが登場しました。

このままワークフォースが実装されればナカヤマフェスタの凱旋門賞も浮かばれますが、それまでにウオダスを描いたりロブロイとかがあるので数年後でしょうね。



で、今回のストーリーで気になった描写その1。
※ネタバレになるので気を付けてください

「香港の勇」とか「英国の星」とか、今まではそんな文言書かなかったのに急に来ましたよね。

これはインディジェナスとハイライズのことなんですけど、ちゃんと描写してるのが素晴らしいですね。

インディジェナスは香港の年度代表馬。Twitterで香港のフォロワーさんが上の描写を泣いて喜んだくらいにはアツい出来事だった模様です。


多分ここまでしっかり描いてるのは、「この先に影響する可能性があるから」なんじゃないかという邪智をしてみます。

先日、ウマ娘中国語版がリリースされましたが、なんとここに香港ジョッキークラブも協力しているらしいのです!!
ウマ娘と香港JCのFacebookをフォローするとプレゼントがもらえるキャンペーンを開催中だとか。JRAより乗り気で嬉しいですよ。


ということは、期待されるのは沙田競馬場の再現。

そういえば、ちょうどこの間存在が示唆されたウマ娘と、クールモアの名馬が戦ったのが沙田の地でしたね。

2016年、香港ヴァーズG1。
ハイランドリールVSサトノクラウン

前を行く1番ハイランドリール。
後方待機の4番サトノクラウン。

最後の直線、見ました?
何回見てもブチ上がるし感動するレースです。

ちなみに、ハイランドリールは15年と17年の香港ヴァーズを勝利。クラウンは3連覇を打ち砕いたすげえ馬なんです。


現状、ウマ娘ではこの激アツレースが再現可能となっております。HKJCと仲良く出来てるってことはそういうことですよね。

ちなみに4着と5着も日本馬で、オメガパフュームの馬主さんとスマートファルコンの馬主さんの所有馬。再現しようと思えばできそう。


香港G1は日本馬にとってのもう1つの戦場であり、幾多の日本馬が香港でしか勝てなかったり、香港から覚醒したりとドラマを刻んでます。

中でも香港で輝いた馬といえば、エイシンプレストンアドマイヤマーズ

プレストンは香港においては無敵の強さを発揮し、あのアグネスデジタルや香港の年度代表馬すらもぶち抜き香港G1を3勝した名馬です。知名度低いけどG1を4勝してるので、再評価されてほしい。

マーズはアドマイヤ最後の名馬。女帝グランアレグリアを2度倒し世代の頂点に立つと、3歳で香港マイルを制覇する大偉業を達成。直前にがんで亡くなられた馬主さんのためにも、マーズは輝いたのでした。
というドラマもウマ娘なら再現可能なわけです。
今後に期待が持てますね。


ゆくゆくは中国語版限定で星3サイレントウィットネス、ビューティージェネレーションみたいな、向こうの名馬が実装されてもいい。それはそれでとてもいい。期待してます。



気になった描写その2。

サポカにもなった場面ですが…左端の子…誰ぇ…?

🤔🤔🤔

これは………………………

デアリングタクトさん………?


デアリングタクトは血統こそ社台グループ由来ですが社台の馬ではなく、ごくごく普通の無敗三冠牝馬です。(普通の無敗三冠牝馬ってなんだ)

ですが、これは今までの常識を覆す異常事態なんですよね。理由は以下の通り。


①今世紀のクラブ法人の所有馬のウマ娘化は初
②社台を除けば最大手の「岡田一族」の馬
③そもそも現役馬


①から解説します。
クラブ法人と言われる馬主システムがあるんです。

(詳しくはここ読んで)

クラブ馬は権利関係がややこしいためか、20世紀のクラブ馬(ゴールドシチー、タイキシャトル)以外は今までウマ娘化されてきませんでした。

しかしここでノルマンディーの競走馬がウマ娘化されるとなれば話は変わってきます。他のクラブ馬もウマ娘化の光が見えます。

今世紀の社台系クラブ(サンデーR、キャロットF、シルクR、社台RH、G1R)以外のクラブ馬で有名な馬といえば…

短距離世界最強格でカレンチャンのズッ友、ロードカナロア
GI/JpnI7勝の栄冠を手にしたブルーコンコルド
閉ざされた道を何度もこじ開け、三つの国で女王になった名牝、ラヴズオンリーユー
21世紀牝馬ダート界史上最強馬サンビスタ
短距離GIを連覇し父を超えたローレルゲレイロ
98世代の最終兵器マイネルラヴ。(この名前で♂)

他にもタップダンスシチー、エスポワールシチーなどなど。現役含めるとユーバーレーベンやパンサラッサなんかもいますね。

これらの馬に光が当たる可能性が出てきたということです。やったね。



続いて②。
日本競馬界は
ノーザンファーム(社台系)
それ以外の社台グループ
岡田一族
ノースヒルズ
その他
で構成されています。

ノーザンファームだけ影響力すごくて、それ以外はまちまちです。

で、岡田一族というのは、社台の次くらいに勢力の大きいグループで、馬名に「ウイン」「マイネル」「コスモ」と付いたらだいたいそこの馬です。
ちなみにタイトルホルダーは岡田スタッド生まれ。

つまりそういう系統の馬が実装される可能性も高まったということ。GIIやGIIIレースを見てる方ならウインの馬の強さも知ってるはず。アレがウマ娘になるかもしれないんですよ。

ウインバリアシオン大好きな自分としては期待せずにはいられませんね。ライバルのマスクド三冠バさんの実装が遠すぎますが。



③。デアリングタクトは現役馬です。
確かにスペシャルウィーク産駒のシーザリオの産駒のエピファネイアの産駒ではありますが、にしても現役の競走馬をウマ娘としてチラつかせるのは衝撃。

タクトは来年(調子良ければ再来年)も現役を続けるらしく、それまでは育成ウマ娘としては実装されないにしても、どこかのタイミングで触れてくる可能性はありますね。

悪影響が出ないか心配しちゃいますけど、これで応援が増えようもんならこういうアプローチも間違ってなかったと証明されます。
節度を守って推しましょう。

(そもそもこの子本当にデアリングタクトなのか分かってないんですけども)


どんどん大きくなるウマ娘プロジェクトのこれからが楽しみです。

それでは。


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