観る将を楽しもう!【段位について】
段位を見れば経歴が透けて見える。
というのは、昇段する為に明確な条件があるからです。
その中でも一番特徴があるのは四段です。
なぜなら四段がプロ。
三段以下はプロではありません。
厳しい話、三段以下は将棋を指してもお金にならないのです。
将棋関連でお金をということであれば、記録係などの仕事をしてお金を得ることになります。
四段のプロになれば、将棋を指してお金がもらえるようになります。(対局料:負けてももらえる)
三段から四段に上がるための昇級試験は【三段リーグ】と呼ばれ、一年をかけた総当たり戦です。
そのうち3人が四段・プロ棋士になれます。
将棋の世界には年齢制限があり、26歳で四段になれなければ所属を辞めなければなりません。(所属:奨励会員)
年齢制限の例外や、所属を辞めた後でも、プロ棋士になれる編入試験という道はあります。
四段のプロになってからは、対局を重ねて、条件が達成されることで、五段、六段、と段位が上がっていき、最後は九段まであります。
時には調子が悪くて、負けに負けが続いても、段位が下がることはありません。
段位は称号のようなものかと思います。
ですから、九段棋士という肩書きは、ものすごく将棋が強い、という印象がありますが、現在は成績が奮っていないということもあります。
しかしながら、九段ということは、タイトル戦を奪取しているか、八段に上がった後の公式戦で250勝という輝かしい積み重ねを成した人であるということが分かります。
私がこの段位の規定で素晴らしいと思うところは、四段から九段になるまでの条件に必ず、公式戦で○○勝する、というのがあることです。
その他の条件で九段になるとしたら、あとはもうタイトル戦で勝つことだけなのですが、公式戦250勝という条件は、タイトル戦を奪取することだけが華ではないと示しているような気がするのです。
タイトルを奪取できなくても、時には負け続けることがあっても、40歳、50歳、と長く続けていくなかで、少しずつでも勝利数を上げていけば、九段になれるというのは、まさに積み重ねの美しさだと思います。
ここから少しタイトル戦の話になりますが、タイトル挑戦者は、全棋士174名のうち1人だけです。
その1人の挑戦者と、今は藤井棋士が対局をして注目が集まっているというわけです。
挑戦者を決める戦いは、タイトル戦の数だけあるので、8つもありますが、どれも水面下で、タイトル戦ほど注目が集まっていないのが現状です。
挑戦者となり、タイトル戦に勝つと、その名目を名乗れるようになります。
現在は、藤井竜王、藤井名人、藤井王位、伊藤叡王、藤井王座、藤井棋王、藤井王将、藤井棋聖、となります。
12月は竜王戦が決着し、1月は王将戦が始まりました。
季節ごとにタイトル戦は一年間を通して8つ開催されていきます。
今回は段位の話から、タイトル戦の話に行き着きましたので、また改めてタイトル戦について記事を書きたいと思います。