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【秘密の文具屋/fleur de pêcher】の事件簿/女神さまの大宴会

いらっしゃいませ、お客様^^

【fleur de pêcher】へようこそ!当店は頑固な女店主と宝石の妖精や精霊達とが集い営む不思議な【文具屋】でございます。不思議には不思議がワンセット。今回はその中でも最近あった当店での事件でございます。

店主(はぁ~♪とうとう仕入れちゃったのよね、ローズの香り。想像するだけでも素敵な作品が出来そう)

珍しく店主がウキウキしながらアロマオイルをうっとり眺めておりました。
アロマオイルの原材料は草花や木。自然界のもの。宝石や天然石も人の手によって加工されておりますが、もとは鉱石。同じ自然界のもの。
普段から当店には様々な不思議な存在が出入りしております。草花にまつわるモノに関しては妖精のみならず精霊がひょっこり遊びにくるのです。今回は花の精霊がひっそりと遊びにきておりました。
妖精とはおしゃべりを楽しみながら作品作りを楽しむ店主。そんな彼女ですが精霊とは違ったコミュニケーションを取ります。

おしゃべりではなく、ただ一緒の空間で空気や雰囲気でのコミュニケーション。
私(わたくし)は『喋った方が早いし楽しいのでは?』と思うのですが店主は首を横に振ります。

『彼ら彼女たちとは話さなくとも大丈夫よ。ここのモノが珍しくて見学に来ているようなものだから。その邪魔は無粋でしょ?それにいらっしゃている【その瞬間】沢山の恩恵をくださっているしね。もしご厚意で何かしていただいたら今の私には支払う対価がないわ( ´∀` )ケラケラ』

とのこと。

店主の感覚は私には理解出来ません。人間とそうでない不思議な存在の感覚の差なのでしょうか・・・あ!私申し遅れました秘書でございます。見えない存在の秘書です。信じる信じないかはご自由に。

さて、そんなローズに惚れ惚れしながら花の精霊と無言のコミュニケーションを楽しんでいた店主。

【名づけ】の瞬間にそれは起こりました。

『muse(ミューズ)?』

鮮やかで美しい彩りの宝石の様子から店主が思わず呟いた瞬間

不思議な存在『( *´艸`)呼んだかしら×9人姉妹』

店主|д゚)!!!!??・・・・!!???あーーーーーーー!!!!

花の精霊との静かな空間は9人姉妹の女神様ご一行の登場により終焉したのでした・・・_(:3」∠)_

古代ローマ・ギリシャ神話に出てくる芸術活動の全般を司る9人の女神の総称が『muse(ミューズ)』(細かいことはご自分で調べてみてね)

普段現れない存在かつ大人数・・・相手は不思議な存在とは言え存外に扱えないそ存在。店主が唖然としているのを無視して

『まあ!!素敵!!!これは私の色ね?』
『いえいえ、こちらの宝石の方が美しいわ、私そのもの』
『(派手ばかりが美しさとは限らない。シックなこの色こそ至高)』
『ぜーんぶ!!わたし♡』
『わたくしの名を使うといいわw』
『何言っているのわたしよ』
『(姉さまがた大人げない・・)』

店主( ^ω^)・・・うるさ・・・・

はい。女子会のような?お祭り一団のような方々。ずっとお喋りしている様は愛らしいのですが、時々火花を散らすのでハラハラ。いつのまにか精霊は帰ってしまうし。店主はげんなり。けれど、放っておくとしばらく滞在されそうなので一呼吸置きこう切り出しました。

店主『いきなり御呼び立てしまい申し訳ございません。ご来店誠にありがとうございます。当店は秘密の文具や【fleur de pêcher】でございます。私はここの店主です。』

女神×9人『あらあら、どうも×9^^』

店主『せっかくご来店くださったのに申し訳ございません。皆様が眺めて楽しんでくださっているこちらの作品なのですが、名は花にちなんだものにする予定でございます。皆様の盛り上がっている姿はとても愛らしく美しいのですが申し訳ありません。・・・・今回はお引き願います(o_ _)o))』

女神×9人『(´・ω・`)ショボーン』
『・・あら。そうだったの( ̄▽ ̄)』
『あららお邪魔しちゃってごめんなさいね』『可愛いからつい私たちかと・・・』
『私たちの名を使ってもいいわよ?←おい』『作業の邪魔してたかしら』
『(・・・( ^ω^)・・・)』

店主『当店は文具屋です。私が作り続けている限り様々な作品が生み出されます。その中でもしかしたら貴方方のお名前をお借りすることがあるかもしれません。その時にはぜひお願いします』

女神×9人『え!(一斉に)その時は名を呼ぶのよ( *´艸`)!』

店主『かりこました^^』

女神×9人『では、帰りましょう』『はーい×8』


・・・・・・・・・

店主ぐったりです。(つ、疲れた・・・・)

そんな悶着のようなお祭り騒ぎがあり出来上がり当日には名が付かなったこの作品。
彼女たちが帰り一晩明けた翌朝。早朝の静けさの中でふと浮かんできたのが【déesse des fleurs/花の女神】

そう、ローズの香りを一緒にうっとり堪能し宝石を静かに楽しそうに眺めていらした不思議な存在。彼女から作品名をいただいたとうオチ。

そんな不思議なことがあって完成した作品。
愛されるといいなぁ~と店主も私も思っております。

おわり

こぼれ話
私秘書は9人様ご一行がいらしている間は【休憩】と称して裏でお茶を飲んでおりました。

え?だって私ではお相手出来る存在ではないゆえ( ´艸`)

文具屋の秘書より



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