「わたしは、歩く(詩)」(森鷗外「杯」の二次創作)
つまらない日々を生きてきたの
ええ。
つまらない日々を生きてゆくの
ええ。
つまらない人生ね
そうかもね。
あんたと話しててもつまらないわ
そう?ごめんね。
努力が足りなかったのよ
そうね。
このまま死んでいくの
そうね。きっとあと少し。
少女は夢の花束を胸いっぱいに抱え
私はドライフラワーを静かに飾る
つまらない日々とつまらない時間
でもね
案外それも良いの
誰かの為にすり減らした自分も
諦めて手放した何かも
私は好きよ つまらない小石も
私が間違って捨てた宝石は誰かが拾えばいい
だからね
つまらないあなたも案外好きよ
あの時乗り越えた辛さも
振り向けば平坦な道
スーパースターが空を飛んで わたしは歩く
つまらなくても わたしだけの 道を
(以前「ひとりごとの詩」として短期間掲載したものの改訂です)