アイの存在証明なんて - 第壱話
俺の名前はケイタロウ。東京の街で暮らす、37歳のひとりの男だ。他人と少し違うのは、Ⅰ型双極症(双極性障害・躁うつ病)という心の病気だということ。
病気になるまでは、いい学校を出て、いい会社で働くという、敷かれたレールの上を走ってきたような人生だった。
しかし病気になり、そのレールからはずれた今は、一度死んだつもりになって、新しい人生は「世のため、人のため、そして何より自分のために生きよう」と想うんだ。
この物語は、そんなひとりの男が、病気と闘いながら夢を叶え、自分を取り戻すまでの記録だ。