ラインスタンププレミアムを究める
半年くらい低下傾向にあったラインスタンププレミアムの分配金が戻ってきました。これまでのデータから「なぜ最近になってラインスタンププレミアムの分配金が増えてきたのか」の謎に迫ってみたいと思います。
2024年2月の売上
まずは先月2024年2月の売り上げを報告します。いつものグラフを貼り付けました。
売上総数:1,868個
売上金額(単品):257,248円
分配金総額:258,386円(内、プレミアム分:166,658円)
1月のあけおめスタンプ特需を終えて、大きく低下すると思われていたところ、ラインスタンププレミアムの分配金が想定以上に大きく、先月とほぼ同程度の金額となりました。
2024年2月までの累計
これまでの推移を見てみましょう。いつものグラフを貼り付けました(今回から、ラインスタンププレミアムの棒グラフをオレンジ色で揃えました)。
売上総数:152,735個
売上金額(単品):14,677,094円
分配金総額:7,015,685円(内、プレミアム分:1,780,989円)
ラインスタンププレミアムの分配金がV字回復して、過去最高額となりました。7月~10月にかけて大幅に減少して、もうだめかと思っていましたが、見事に回復してきました。
ラインスタンププレミアム分配金回復はなぜ?
ラインスタンププレミアムの分配金が回復してきたのはなぜか?
気になって調べてみることにしました。
他人の知恵を借りる
誰か別のクリエイターさんが解説しているかと思い、noteで「ラインスタンププレミアム」を検索してみました。
いや、いや、いや~。自分の記事ばっかりです。笑
そんな中、一つの記事を発見しました。
「RingRingLab.(りんりんラボ)=LINEスタンプ研究家」という、ラインスタンプもネット記事もよく見かけるクリエイターさんです。
なんと、ラインスタンププレミアムの謎を探求するために、自らプレミアム会員になってみたという強者です。
結論は、
だそうです。なるほど、なるほど。そうですよね~。
ラインスタンププレミアムは、スタンプの利用者数で分配金が決まります(スタンプの送信回数ではなく、そのスタンプを使ったプレミアムユーザーの人数で決まります)。
従って、スタンプセット(例えば40枚)の中のどのスタンプでもよいので、プレミアムユーザーが使ってくれるように工夫することが大切です。
上の「RingRingLab.(りんりんラボ)=LINEスタンプ研究家」さんも書いていますが、ラインを使っているときに、打ち込んだ言葉に応じて、ラインスタンプがサジェストされます。
つまり「サジェストされる」ことが最初の関門となります。サジェストされなければ選ばれようもないですからね。だから、「タグ設定はちゃんとやろう」ということになります。
次の関門は「選んでもらうこと」となります。サジェストされて画面表示されただけでは、分配金はもらえません。「選ばれて、送信されること」が必要なのです。
以上、どうやってラインスタンププレミアムの分配金を増やすか、という攻略方法のヒントはわかりましたが、なぜ最近になってラインスタンププレミアムの分配金が増えてきたのかの謎は残されたままです。
データによる考察
次にラインスタンプの分配金データから、傾向を分析してみたいと思います。
ラインスタンププレミアムの分配金の上位にあるスタンプを調べてみました(集計期間は、販売開始から現在までの全期間です)。
ぱっと見、気づいたことがあります。以前も同じことが気になりましたが、デカ文字スタンプが1位、3位、4位にいます。2位はパンダのアニメーションスタンプです。
なぜ「デカ文字」スタンプが上位に来るのか?
これは、先ほど述べた2番目の関門「選んでもらうこと」と非常に強い関係があると考えられます。
デカ文字スタンプは、ぱっと見、どういう内容のスタンプか、非常にわかりやすいです。自分で購入したスタンプであれば、どんなスタンプがあるか事前に見ておけるわけですが、サジェストされたスタンプの場合、どういう内容のスタンプか、即座に見極めることが非常に難しいと思われます。「デカ文字」スタンプは、この点が問題になりにくいスタンプと言えるのではないでしょうか。
次に2番目に入っていたアニメーションスタンプについてです。
ラインスタンププレミアムのユーザーは、サジェスト機能でスタンプが使い放題になるだけでなく、事前にお気に入りのスタンプをダウンロードしておくこともできます。
アニメーションスタンプは、動きがある魅力的なスタンプですが、単価が250円以上となり、通常スタンプの倍以上の価格です。
ラインスタンププレミアム会員になったのだから、価格が高いアニメーションスタンプをたくさん使ってみよう、と思うこともあるのではないでしょうか。アニメーションスタンプが上位に来たのは、サジェスト機能によるものではなく、事前ダウンロード型によるものかもしれません。
分配金の多いスタンプの分配金推移
ラインスタンププレミアムの分配金の多いスタンプの分配金の推移を見てみましょう。以下のグラフは、分配金総額が1番多い、パンダのデカ文字スタンプのデータです。
かなり特徴的な推移を示しています。
販売月(販売開始が月末だったので翌月)に大きく売れて、そのあと大きく下げていきます。ここまでは他のスタンプにもみられる典型的な傾向です。
そして6か月後、ラインスタンププレミアムの対象になり、徐々に分配金が増えていって4か月後に大きなピークを迎えます。そのあとは、400-500円あたりを維持しています。
売り切り型の場合は、販売月に大きく売れて、そのあとは大幅に低下する、という典型的な傾向がありますが、ラインスタンププレミアムの分配金がきれいな山形になるのはなぜ?
他のスタンプでも同じ傾向か、見てみました。以下のグラフは、3位の三毛猫のデカ文字スタンプです。
ピークの出方はやや異なるものの、やっぱりきれいな山形の傾向を示しました。
この理由はよくわかりません。
ひょっとしたら、LINEさんがラインスタンプをサジェストするときに、新作(新しくプレミアムの対象になったもの)を優先的にサジェストしている可能性もあるかと思いますが、ブラックボックスなのでこれ以上は調べようはありません。
以上の通り、いろいろ興味深いデータは得られましたが、「なぜ最近になってラインスタンププレミアムの分配金が増えてきたのか」はわかりませんでした。悪しからず。
タグ付けの効果
もう一つの仮説に迫ってみましょう。
タグをちゃんと付けたらラインスタンププレミアムの分配金は増えるのか?
そういえば、過去の記事でタグ付けについて書いたことがあります。
この時の結論は、
でした。
今回、あらためてタグ付けの効果に迫ってみたいと思います。
実は、上記の記事を書いた後、一つだけ、タグを振りなおしたスタンプがあるのです。うさぎのデカ文字スタンプです(上記の記事に書いた通りです)。さて、結果は如何に?!
タグを振りなおしたのは、2023年7月の半ばです。
したがって、タグ付けの効果がでてくるとすると、2023年の7月後半以降ということになります。
さて、その結果は、、、(グラフを見てください)。
なんと2023年7月から大幅に低下しているじゃないですか~!!笑
全く想定外の結果でした。たまたま下がったとみるか、LINEさんのAIによるタグ付けが優秀だったとみるか、いずれにせよ7月を境に大きく減ったことは間違いないです。泣
※よく見ると、三毛猫のスタンプも7月に大幅に下がっていました。ということは、スタンプの特性によるものではなく、LINEさんのキャンペーン等による影響を受けたということかもしれません。
では、タグ付けの効果はなかったのか?
ということですが、最近の分配金を見ると、毎月600円以上の分配金が得られています。上で張り付けた、パンダと比べるとやや多い?でも三毛猫と比べると同じくらいか。。。微妙な結果となりました。
以上を踏まえて、今回の結論は、
です。
一生懸命タグ付けしているクリエイターさんには申し訳ありませんが、データを見る限り、正確なタグ付けの効果は見られませんでした。
AI技術が発展して、LINEさんのタグ付け性能が向上していると思われること、タグ付けを人力で行うことの大変さ(一つしか付けたことがないですが、金輪際、やりたくないです)を考えると、タグ付けは放棄してもよいのではないかと思います。むしろ、サジェストされたときに選ばれるように、デカ文字など、視認性の高いスタンプ作りに注力するべきかと思います。
おわりに
結局「なぜ最近になってラインスタンププレミアムの分配金が増えてきたのか」はわかりませんでしたが、いろいろ興味深いデータが得られました。
そして、ラインスタンププレミアムの分配金を増やすヒントが得られたのではないかと思います。
なお、この記事の通りにラインスタンプを創作し、ラインスタンププレミアムの分配金が増えなかったとしても、urajoは一切の責任はとりません。あしからず。クリエイターさんの自己責任のもとで情報をご活用ください。