クリエイターズスタンプはプレミアムの対象にすべきか悩んでいるクリエイターの方へ:もう答えはでています
ラインスタンププレミアムの開始が告知されたころ、スタンプをプレミアムの対象にすべきかどうか、プレミアムの対象にすることで分配金が減ってしまうのではないか、という議論がありました。
最近の分配金実績を見ていると、もう答えは出てしまったように思います。
まだ「どっちがお得なんだろう?」と悩んでいるクリエイターの皆様、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
2023年5月の売上
まずは2023年5月の単月の売上状況から。いつものようにGoogleデータポータルのグラフを貼ります。
主な数字を再掲すると、以下の通りです。
売上総数:3,478個
売上金額(単品):339,588円
分配金総額:253,416円(内、プレミアム分:132,323円)
とうとう、ラインスタンププレミアムの分配金が、単品売り上げからの分配金を逆転しました。
グラフの青色が単品販売、オレンジ色がプレミアムに関係していますので、グラフの色を見ると、その傾向は明らかです。
やはり、トレンドは単品販売からプレミアムに移ってしまったような印象です。
2023年5月までの推移(累計)
次に2023年5月までの推移(累計)を見てみましょう。
グラフの左が最近で右が過去です。上のグラフの青色が単品販売からの分配金、オレンジ色がプレミアムの分配金です。このグラフを見ても、トレンドがプレミアムに移行してきているがよくわかります。
今現在の比率でみると、約20%がプレミアムの分配金です。この傾向が続くと2年後くらいには総分配金でも逆転するかもしれませんね。
ラインスタンププレミアムの分配金の傾向
ラインスタンププレミアムからの分配金の構造がどうなっているのか、詳しく調査してみました。
上の2つのグラフは横軸はぴったり合わせていますので、上下を見比べながら見てください。
上のグラフは、ラインスタンププレミアムで1円以上の分配があったスタンプの数(種類)の推移となります。新作スタンプを定期的にリリースしていますので、プレミアムの対象になるスタンプもほぼリニアに増えています。
その結果、ラインスタンププレミアムで1円以上の分配があったスタンプの数も順調に伸びています。2023年3月に急に下がっている理由はよくわかりませんが、傾向としては順調に伸びていると考えられます。
それにしても、総スタンプリリース数(日本)が209個(5月末時点)に対して、129個が何らかの形でプレミアム分配金に関わっているわけですから、結構高い比率です。
下のグラフは、ラインスタンププレミアムの分配金の総額(青い棒)と同じ月の「プレミアムの分配金が一番多かったスタンプ」の分配金の金額(やや薄い青)です。
この2つの棒グラフを見比べることで、特定のスタンプの分配金が多かったから総額が多かったのか、それほど高額ではない複数のスタンプの分配金の合算の結果、総額が多かったのか、という点を考察しました。
上下のグラフを比べると、直近の3か月間は、プレミアムの分配金に寄与したスタンプの数は減ったものの、分配金の総額が伸びていることがわかります。
また、下のグラフの棒グラフを比べると、もっとも分配金の多かったスタンプが総額に占める割合は減っていて、より多くの種類のスタンプがプレミアムの分配金に寄与していると思われます。
プレミアムの分配金の多いスタンプの傾向
ラインスタンププレミアムの分配金の多いスタンプにどのような特徴や傾向があるのか見てみました。
このグラフは、単品販売+プレミアム分配金の総リターン額の多いスタンプTOP30に対して、ラインスタンププレミアムの毎月の分配金がどのような傾向にあるのかを見たものになります。
※本来は「プレミアム分配金」だけでTOP30を見ればよいのでしょうが、Googleデータポータルの設定がうまくできず(いや、設定変更するのが面倒で)、総リターン額の上位30になってます。笑
これを見て気が付くのは、スタンプ毎に「毎月のプレミアム分配金」の大きさがほぼ揃っている、という点でしょうか。
1月当たりのプレミアム分配金が少ないスタンプは、いつまで経っても少ないまま積みあがっていますし、逆に1月あたりのプレミアム分配金が大きなスタンプは、継続的に同じくらいの分配金を得ているように見えます。
なぜ、このような傾向が出るのでしょうか?
これがわかれば、プレミアムで使われやすいスタンプのヒントにはなりそうです。
この傾向は「スタンプそのものの魅力によるもの」なのか?!
確かに魅力のあるスタンプっていうのはあると思いますし、使われやすいとは思うのですが、それ以前に「見つけてもらえない」問題が立ちはだかるはずです。どんな魅力的なスタンプでも見つけてもらえなければ使われない。
一つ注目すべきは、(以前も書きましたが)上位のスタンプはデカ文字系のスタンプが多いことです。この結果はレコメンド機能とデカ文字の相性なのかもしれません(詳しくは以下の記事をご覧ください)。
もう一つは、スタンプに付ける「タグ」。実はurajoは自分でタグをつけたことがありません(面倒だから、笑)。自分のスタンプにどんなタグが付いているのかも見たことがありません。
ひょっとしたら、プレミアム分配金の多いスタンプは、自動設定された「タグ」が絶妙なのかもしれない。また時間があるときにでも確かめてみることにします(いつになることやら)。
さらに仕様のブラックボックスが一つ。プラミアムのレコメンド機能の仕様です。ひょっとしたら購入したことのあるスタンプ作家のスタンプがレコメンドされやすいとか、送信履歴をみてテイストの近いスタンプがレコメンドされやすいとか、何らかの工夫がなされているかもしれません。
でも、この点については、LINEさんでないとわからないので、手の出しようはないですね。残念。
さらに上位3つのスタンプを詳しく見てました
さらに何か発見があるかもしれないと思い、プレミアム分配金の多いスタンプを対象に、分配金の推移を確認してみました。以下では、上位3つだけ紹介します。
パンダ(デカ文字)
三毛猫(デカ文字)
黒猫(非デカ文字)
上位3つのスタンプの傾向(推移)を見てみましたが、これらのスタンプは、プレミアム分配金が単品販売からの分配金を超えている(あるいは間もなく超える)ものばかりです。
これまでは、「販売直後の売上を見ると、そのスタンプの生涯分配金がわかる」と思っていましたが、必ずしもそうではありませんでした。
単月あたりの分配金金額を見ると、販売開始直後は、ほぼ間違いなくたくさん売れています(相対的に)。そして翌月からすごい勢いで金額が減っていきます。
これまでは「ここでそのスタンプの寿命はほぼ終わり」(それ以上、大きく伸びることはない)と思っていました。
ところが、数か月後(180日後)にプレミアムの対象になり、そこから2度目のピークを迎えることがあるようです。
そしてそのピークは、単品販売のピークよりも「長い」という特徴がありそうです。特に2つ目の「三毛猫のデカ文字」スタンプは、ほぼ横置きで金額を維持しているようにも見えます。
この2度目のピークはどうして発生するのでしょうか?!
新しくプレミアムの対象になったら、単品販売の「新作が出たよ!」と同じように、プレミアムユーザーに対して何らかの通知が届くのでしょうか?
プレミアムユーザーでないので、このあたりの仕様はよくわかりません。
プレミアムユーザーになって調べてみたらよいのでしょうが、そもそもそんなにたくさんスタンプを使わないし、自分のスタンプで満足しているので、プレミアムユーザーになるモチベーションが沸きません。
読者の中にプレミアムユーザーの方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。
おわりに
2023年5月のスタンプ売り上げ情報とともに、ラインスタンププレミアムの分配金を増やす方法、プレミアムで使われやすいスタンプの傾向を分析してみました。まだまだ謎が多いです。今後も観測と分析を続けていきます。