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面白半分に治験バイトを怖がる代償
2019年に入院の治験で、日本初の死亡事故がおきました。
これは多くのニュースで話題になったため、ご存知の方も多いかもしれません。詳細は下記厚生労働省のページをご覧ください。
出典:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000571932.pdf)
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治験は元々イメージがよくないため、
"それ見たことか"
"治験バイトまじで危ねぇ”
"死ぬ前提だろ"
などと、2ちゃんねるや5ちゃんねる、その他のキュレーションメディアで面白半分に治験を叩く人が続出しました。
実際に治験バイトで亡くなる確率は高いのか?
治験の死亡確率を正確に算出する事は難しいですが、治験バイトと呼ばれている入院の治験は、年間何万人という方が参加し、すでに何十年も実施されています。上記データに登録されていない治験数も多いため、おそらく治験で死亡する確率は数十万分の1以下(0.001%以下)です。
飛行機事故で死ぬ確率は0.0009%
殺人事件の被害者となる確率は0.0007%
過労死で死亡する確率は0.0003%
交通事故で死亡する確率は0.003%
インフルエンザで死亡する確率0.1%
他にも、
など、身近な死亡事故の確率を挙げればキリがありません。これでも本当に治験は危ないと言えるのでしょうか?もし仮にそうだとしても、それ以上に薬によって救われている命がある事を度外視するのでしょうか?
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非常に稀な病気で日本国内では薬(オーファン・ドラッグ)が手に入らない場合や、海外では販売されている薬が日本では手に入らない、世界で新型ウィルスが流行り出した等といった時だけ治験は神格視されます。
悪いニュースや悪い側面ばかりに目を向けて揚げ足をとるのは簡単ですが、真面目な話、治験がなかったら私たちが生きるのに必要な治療はできません。本来、治験は私たちにとって、薬と同じく身近なモノなのです。
それでも治験が危ないというのなら、「治験」ではなく薬すべてを否定するべきです。都合のいい時だけ薬に頼りながら、一方では治験を蔑むことほど矛盾した考えはありません。
このように「治験=副作用=死亡」といった、短絡的な考えをすることの代償は計り知れないほど大きく、治験が進まないことで、将来の医療費を上げ、医療の進化を妨げる。救えた命が救えない。といったことが正に起こり得るのです。
この記事をご覧になった少しでも多くの方が、治験に対する見方を変えて「治験=薬=命」となるように願っています。