第2回「『ふたり』の例①:家族~社会(1)」

1. 『ふたり』の例

1.1. 家族

1.1.1. 親子

恋人と並び、特に分かりやすいのがこの関係でしょう。近年では、この綱がrも弱いと感じてしまうニュースも決して少なくはありませんが、強い血のつながりがあることは、決して弱くない関係性であり、恋人とは違った意味での繋がりを持つと言えます。(再婚など、違った事情もあると言えますが)

1.1.2. きょうだい

親を介して繋がりを持つ、これもまた強い関係です。(漢字表記では同音異字があるため、本連載中ではひらがなで表記) 時として、親に関わること(介護や死別、離婚、再婚など)で、強く繋がりを意識したり、また関係がこじれる可能性があります。小さな社会として、序列や優劣が存在しますが、双子は時折違った表現がされると言えます。

1.1.3. いとこ(はとこ)

あまり強く意識されることは少ないのではと考えますが、特に幼少期は、祖父母の家に集まり、友達感覚で遊んでいた人もいるのではないでしょうか。ただ、親にきょうだいがいないなど、そういった経験が無い人もいるでしょう。将来的に、親に一人っ子をもつ子供も増えるのでは無いかと考えています。

1.1.4. いとこ、はとこ以外の親族

このあたりになってくると、祖父母以外だと、親きょうだい同士の関係次第(それを言ったら、いとこやはとこもそうですが)になってくるので、祖父母以外はほぼ他人、ということもあるかと思います。逆に祖父母は、お年玉などをもらったり、親に比べて甘やかされたりということもあるでしょう。ただ、創作表現としては、あまり強い関係性を持っている表現を確認出来ていません。

1.2. 社会

ここからが少々長いです。

1.2.1. 友人

家族以外の身近な関係だと、こちらが一番考えやすい関係でしょう。「恋人」に比べ、その関係の重みが軽い印象もありますが、創作の分野においては、「恋人」並みの表現になることもしばしば。それだけ柔軟な関係の表現の幅がある関係とも言えるでしょう。何らかの共通の趣味、団体、利害関係の中にいると考えられます。

1.2.2. 先輩・後輩

学校、職場において少なくとも存在しうる関係です。良く先輩の方が優位として考えられますが、時として(創作を見る限りは)後輩の方が優位に表現されることも。相談相手として、また教え、教えられる関係としての表現が一般的でしょうか。

1.2.3. 上司・部下

特に職場において存在する関係です。先輩・後輩についても、職場においては(社会人ですから)それぞれ責任がある人物ですが、特に上司については、「監督責任」というものも存在します。OJT(仕事を通じての指導)のある先輩・後輩が、これと同等の関係にあたることも。

1.2.4. (会社の)同僚

職場の、特に部署内の長以下の所属する人を対象に言うことが多いでしょうか。大辞林によると「地位が大体同じくらいの人」を指すと表現されています。大きなくくりとして見るのが妥当かと思いますが、特に「友人」とは区別して、利害関係の少ない相手を指す表現としてもアリなのかなと思います。

1.2.5. (会社の)同期

社会人と学生とでは関係がやや異なるので、下記の「(部活・サークル)の同期」とは区別します。会社においては、同期と一口に言っても、中途入社などを考えると、必ずしも同い年とは限りません。また、大卒、短大卒、専門卒などでも変わってくるでしょう。しかし、責任のバランスが等しいことも少なくなく、友人に近い形で捉えられることも。(ただし、相手が先に昇進するなどで変わってくるでしょうが、そうなると「上司・部下」とした方が良いでしょう)

1.2.6. (部活・サークルの)同期

こちらは、基本的に高校までは基本的には同い年であることが(日本においては)普通です。ただ、海外では飛び級がある場合も調べておく必要があるでしょう。この前提を考えないならば、同い年ということもあり、立場としては対等なことも多いですが、幹部学年になってくると、「部長・副部長」とそのほかのメンバー等で上下関係が生まれることも考慮する必要はあるでしょう。

1.2.7. サークル(社会人も含む)のメンバー

サークルにおいては、役職を考えないとするならば、サークルの趣旨にも寄りますが、基本的に対等な立場ではないかと考えています。ただ、この「サークル」という言葉は、同人界隈で使われる用語でもあるので、それはまた別に考慮する必要がありますが、今回は扱いません。

1.2.8. バイト(パート)先の上司・部下

近年ではブラックバイトの問題も様々にささやかれていますが、社会人への「入り口」として考えられる部分もあり、比較的若い人でも、社会人系の関係(1.2.2.~1.2.5.あたり)を経験する良い機会になると考えています。ただ、社会人系の関係と比べると、本来ならば「従業員の責任は雇用者が負う」ことがルールだったと記憶しています。もちろん、だからといって従業員が何をしても良いとも書いてなかったと記憶していますが。

1.2.9. バイト(パート)先の仲間

これも、ほぼ1.2.4.「(会社の)同僚」や1.2.5.「(会社の)同期」と似たような関係と言えるでしょう。ただし、1.2.8.の通り、あくまでアルバイトであるので、責任の所在が雇用者に帰属する(ことが多い)ので、より対等な立場という感じでしょうか。

以上、家族、および社会(特に働く環境)についての考察でした。

次回は社会の中でも、地域社会やより踏み込んだ形で「教え、教えられる関係」についてまとめる予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?