#ふたり論 第1回「概論」

1. 目的
 本連載は自作曲シリーズである『ふたりオムニバスシリーズ』における『ふたり』の定義を考察することを目的としている。ただし、創作的な観点だけでなく、可能な限り、実際に存在する関係や、アニメ・ドラマなどで描かれる関係についても解説し、読者の理解を助けることを目標とする。

2. 概論
2.1. 『ふたり』の概念について
2.1.1. 広義
 人物ともう1人の人物の関係を指すものとする。これは、実在する人物同士だけでなく、「人格」(精神)が存在すると捉えられるものであれば、創作・アニメ・ドラマ・ゲームなど、架空の人物も対象とし、また実在・架空の組み合わせも問わない(※本連載では扱わないが、多重人格なども含まれると考えている)

2.1.2. 狭義
 広義のうち、実在する関係(後述する「家族」「社会」「血縁の無い家族」を指す)を除いた、「創作」として描写される関係を指すものとする。しかしながら、細分化すると、定義の数が膨大になるため、特に、アニメやドラマなどで描かれる関係を中心に取り上げるものとする。

2.1.3. その他(実在する関係)
 広義のうち、実在する(と筆者が認識している)関係を指すものとする。大分類は以下の通り。
(1) 家族:血縁のある関係を指すが、基本として3親等以内について考える。
(2) 社会:地域、学校、会社などにおける、家族と異なる関係とする
(3) 血縁の無い家族:恋人、夫婦など、家族(※)ではあるが、主に血縁関係がないとされるものを指す。(※恋人は、家族ではないが、準ずるものとして扱う)

2.1.4. 3人以上の関係について
 3人以上の関係は、これらの関係の組み合わせとして考えることとする。(基本的に本連載では取り上げない) そのため、関係における最小単位はこの『ふたり』(1組)を基準とする。

2.2. ふたり論で解説しないものについて
2.2.1. 人格に関して
 創作においては、「カップリング」(以降CP)として様々な関係が示されることがあるが、連載中では、「何らかの人語を介しての会話」が成立しないと考えれるもの(以下記載)については扱わないものとする。(擬人化等、人語での意思疎通がある場合は例外にあたるが、今回は人間と同等のものとして、連載中では扱わない)
・物体、道具
・概念(実体を伴わないもの)
・動物

2.2.2. 表現としての限界
 「創作において"R-18"や"R-18G"に相当するもの」については本連載では取り扱わない。ただし、実在する関係として、"LGBT"と総称される人々については取り扱う(R-18等に該当しない範囲とはする)。

2.2.3. 狭義の『ふたり』に関して
 創作においては、幅広い関係について描写されることがあるが、あまりにも種類が多いため、代表的なものや、アニメ・ドラマで用いられる用語に絞り込んで取り上げる。

2.3. カテゴリをまたぐ関係について
2.3.1. 各カテゴリで意味が変化する可能性があるもの
 「義兄弟」(本連載では以下『義きょうだい』)は、社会や血縁の無い家族などで意味が変わることがあるが、この場合は各カテゴリで説明するものとする。

2.3.2. カテゴリから「昇格」することで、描写に変化があるもの
 「社会」から「狭義の『ふたり』」に昇格する(表現が誇張される)場合、例えば『THE IDOLM@STER』シリーズにおける『プロデューサー』と『アイドル』などについて、恋愛に近いような描写をされることがあるが(※)、その場合は、狭義の『ふたり』としてのみ扱い、他カテゴリでは深く考察しない。(※特に『シンデレラガールズ』などのソーシャルゲーム版に多いように見られる)

2.4. CP(カップリング)について
 本連載では、誤解を避けるため、CPで扱われる「×」記号ではなく、「&」記号、もしくは一般に定着している呼称を用いることとする。また、この場合の順番については順不同として扱う。

以上を前提として、次回以降は『ふたり』の例について考察するものとします。

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