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テスト

何かを続けたくなったのでこのアプリをダウンロードした。
128GBのiPhoneだから余裕があるし、
万一このアプリにお眠りいただくことになっても容量上はあまり問題はない。
(そうならないように最善は尽くしたい)

私は都内に住う20代で、何かと音楽やら美術と縁のある人生を送ってきている。
10代のうちはヴァイオリンに生活を捧げたが、
私にポジティブな指針をくれたのは大抵美術の先生だった。
本も好きだが気に入った本を何周も読んでしまうせいで幅は一向に広がらない。
幅と言えば、年単位で痩せたり逞しくなったりを繰り返している。
服代がかかるのでツライ。
決しておすすめはしません。

テスト、というタイトルにしてしまったので
テストにまつわる思い出を書こうと思う。
中学1年、音楽の筆記テストの最中にこんな問題があった。

ヴィヴァルディは「     」の大家

はて...
思いつかなかったので後回しにした。
ひと通り回答したあと、

ヴィヴァルディは「     」の大家

がまた現れた。

どうしても...大家が「おおや」としか読めない。
「おおや」ときたらアパートかマンションしかないよなと思ったが、音楽の問題でこんな設問が出るだろうか。(出るわけがない。)
迫りくるタイムリミット。
大体、アパートとマンションの違いがわからない。
鉄筋?木造?部屋数?
日本じゃ生類憐みの令なんて制定されている頃だし、いくら西洋が日本とは違った建築技術を持っていても鉄筋ではなさそう。
試験終了のチャイムをBGMに

ヴィヴァルディは「アパート」の大家

と大真面目に鉛筆を走らせたのだった。
結果から言えば、この回答は誤りだった。
あたりまえ体操を踊らずにはいられない。

ヴィヴァルディは「ヴァイオリン」の大家(たいか)

それが答えだった。
テスト自体は8〜9割の点数をとれていたのだが、恥ずかしさとおかしさでどうにかなりそうだった。
奇声を上げながら廊下を走り回って
放送室をジャック。
鍵をかけた扉を先生が叩いているが、無視。
みんなに聞いてほしい。
モラトリアムに入りかけ無知なティーンエイジャーの叫びを。
「みんな聞いて〜!!ヴィヴァルディはアパートの大家じゃない!ヴァイオリンの大家なんどぇ〜す!フゥー!殴ってください!私を硬い豆腐で殴ってください!天国のヴィヴァルディ先生、ごめんなさぁぁぁい!」

などと妄想で済ませ、
自宅で母に話をして「バカ」
の2文字でこの件は着地した。
(話したのは妄想以前の事実のみ)

この頃の私は演奏家になることをぼんやりと夢見ていたのだが、
のちに色々あってその道を選択しない(出来なかった)ことになる。
ヴィヴァルディの呪いだろうか?
いや、偉大なるヴィヴァルディ先生は片田舎で演奏家を目指す健気(だったことにしておく)な日本人中学生にそんな仕打ちはしないだろう。
のちの選択は私自身の意思であると信じたい。

ちなみに大家には3つの読み方があるようだ。
①「大家(おおや)」
借家の貸主。
②「大家(たいか)」
ある分野で優れた業績を挙げた人。
③「大家(たいけ)」
お金持ち、地位の高い家柄。

日本語は本当に難しい。

♪ヴィヴァルディ「調和の霊感」
何番か忘れたけどよい曲です。
(ファーファ、ファソーファで始まるやつ)

サポートの分だけ強くなりたい。 アスファルトに根を張る大根のように。