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データの力で未来を描く、学生たちの挑戦 ~オープンデータ・コネクテッドアイデアソン~
千葉工業大学で開催された千葉県オープンデータ・コネクテッドアイデアソンDAY1に参加しました。
当日の様子をまとめました。
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千葉県オープンデータ・コネクテッドアイデアソンとは
千葉県オープンデータ・コネクテッドアイデアソンとは、県内在学・在住の学生などが、オープンデータを利活用して地域課題を分析し、解決策につながるアイデアを出し合うイベントです。
詳細については、下記のサイトをご覧ください。
オープンデータやデータ利活用について学ぶ
まずは、シビックテックラボの市川先生のもと、オープンデータやデータ分析、ユーザーリサーチなどについて、座学にて学びました。
シビックテックラボは、自治体向けのデータアカデミー研修(データ利活用実践型研修)を行っている団体でもあるため、座学では、知識だけでなく、自治体との関わりのエピソードや行政の現場の話題も取り入れ、とてもわかりやすく、かつ実践的な内容となっていました。
学生たちは、興味深く、何度も頷きながら聞いていました。
課題検討テーマの発表
いよいよ、学生たちが取り組む行政課題の発表です。
自治体から提示のあった行政課題は次のとおりです。
テーマ1 防災や減災
「防災備品及び保管場所が不足している」
「防災活動を担う自主防災組織の育成」
テーマ2 地域振興
「公衆トイレの利用促進」
「老朽化等による修繕対応等の維持コスト」
学生たちは、今回取り組むべきテーマや課題を選び、グループ分けをしました。
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アイデア出し壁打ちタイム
取り組むべき課題が決まったところで、アイデア出しの「壁打ちタイム」が始まりました。
1分間で、テーマに対し、パッ浮かんだアイデアやキーワードを3つ書く。1分たったらそのシートを次の人に回す。これを10ターン繰り返す。
まさにアイデア壁打ちです。
10ターン後、シートに書かれた30個のアイデアやキーワードをもとに、課題解決のアイデアシートを作成しました。
解決アイデアの展覧会
アイデア壁打ちのおかげもあり、既成概念や前例に捉われないユニークかつ斬新な解決アイデアが記載されたアイデアシートがたくさん作成されました。
特に、公衆トイレの利用促進や維持コストに関する解決アイデアは「そういう視点があったか!」「なるほど、そう来たか!」など、驚きの提案がたくさんありました。
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仮説を立てて、検証する
後半戦は、取り組み課題に対して、仮説を立てるところからスタートです。
トヨタで有名な「なぜなぜ分析」の手法を使い、事実と仮説を区分けしながら、課題の真因を探っていきます。
仮説の方向性が固まったら、5W1Hを意識して仮説の言語化です。
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次は、言語化した仮説を検証するための準備です。
検証に必要なデータ・情報は何か、それはどうやって入手・確認するか。
データが入手できたら、どのような方法で分析・検証していくか。
データ分析の設計図を描いていきます。
行政職員、現る!
仮説検証のためのシナリオを検討しているところに、ビックニュース!
なんと今回課題を提示してくれた行政の担当職員がZoom越しでありますが、インタビューに応じてくれるとのこと。
課題の現状を裏付ける数字やデータ、潜在的な要因、仮説検証に必要な数字やデータの有無とそのありかなどなど、学生たちは、インタビューのストーリーを作成し、準備万端で職員とのインタビューに臨みました。
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実際、インタビューが始まってみると、学生たちの鋭いツッコミや質問に行政職員はタジタジ。
私の印象ですが、行政側が数字を把握していない、データを持っていないというシーンが多々あったように感じました。
件数や費用等の全体的な実績の数字やデータを押さえてはいましたが、何かと比較して上か下、場所や地域ごとの傾向、課題と認識した根拠となる数字やデータなど、学生たちからの比較や分析、根拠に関するデータのリクエストに困惑する職員。
それでも、学生たちに何らかの材料を提供しようと、職員は、ZOOMの向こうで必死に対応してくれていました。
DAY1のアイデアをDAY2でかたちに
今回のDAY1で整理した行政課題に対する仮説や解決アイデアを、次回DAY2では、実際にデータを使い、分析や検証をして、具体的なアウトプットを作成していくそうです。
学生たちのやわらかアタマの発想に、データのリアリティが加わり、どんな解決アイデアとなるか、今からとても楽しみです。
次回、DAY2にもお邪魔したいと思います。
会場では、スタッフの方たちがワークショップの様子をグラレコしていました。この日の流れがよくわかる素敵な1枚ですね。
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