ピースボートと私 終わり
44回地球一周の船旅は、私の初めての海外旅行でもあった。
舗装が甘く、穴だらけの道路。
道に座ってお金を無心している障がい者。
追いかけてくる子ども達。
信じられない位青く綺麗な海。
満天の星空。
ミドリ亀ぐらいの大きさの昆虫。
とにかく全てが衝撃的だった。
いいとか、悪いとかじゃない。
口に合う料理も、口に合わない料理もあったし、合う人も、合わない人もいた。
素敵だなと思う事も、理解出来ない事もあった。
それは船で立ち寄った寄港地だけでなく船内での出会いでも。
家から出なければ家族としか会えない。
学校から出なければ同年代の人としか会えない。
会いに行かなければ会えない人がいる。
見に行かなければ見えない景色がある。
世界=学校だった私は決まったレールを走れない事に息苦しさを感じていた。
世界=大海になった私は一体どこに行ったらいいのか迷子になって帰って来た。
ただ、どこにいても生きて行けるんじゃないかという少しの自信をつけて。
余談
帰国後、進学しなそうな娘を見て父は早期退職を決めました。(弟は就職希望)
ピースボートは私の人生より、父の人生を大きく変えました。