ピースボートと私 その2
当時の私はピースボートとは世界各地を巡りながらボランティアをすることで無料で船に乗れるもの、ライトな青年海外協力隊的なもの。と理解していた。
時間と体力はあるが、お金も、資格も、夢もなく、生きている意味もわからない人間が誰かの役に立てて、世界を見てまわれるなんて、なんて都合のよい。とウキウキしながら資料の到着を待った。
とりあえず、車の免許ぐらいとっておくかと教習所にも通いはじめた。
数日後、届いた資料を見て心が折れた。
ボランティアスタッフは乗船後ではなく、船に乗る前にするお手伝いで、尚且、主にピースボートセンターで行うものであるとの内容。
明日にでも、体ひとつで船に乗り込みたいと思っていたのに…
当時ピースボートセンターは東京・名古屋・大阪・福岡の5ヵ所で(たぶん)山口に住んでいる私がボランティアスタッフをして、船賃約100万円分のお手伝いをし、船に乗るのは現実的ではないと思い、そっと封を閉じた。
そしてとりあえず、教習所のお金いるしバイトでも始めるかと人生初めてのバイトを始めた。