SFアンソロジー企画
伴名練さんの「あとがきにかえて」という檄文を読み、さっそくアンソロジー企画を2本考えてみました。VRSF短篇集と異常論理SF短篇集です。
VRSF短篇集の収録作は以下の6+5作を考えています。
ウィリアム・ギブスン「冬のマーケット」
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「接続された女」
(小川一水「幸せになる箱庭」)
(柴田勝家「雲南省スー族におけるVR技術の活用について」)
(円城塔「これはペンです」)
伊藤計劃「The Indifference engine」
テッド・チャン「顔の美醜について――ドキュメンタリー」
レイ・ブラッドベリ「草原」
(川端康成「片腕」)
伴名練「シンギュラリティ・ソヴィエト」
(夏茄「童童の夏」)
異常論理短篇集の収録作は以下の7+2作を考えています。
グレッグ・イーガン「ルミナス」
ホルヘ・ルイス・ボルヘス「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」
ルイス・パジェット「ボロゴーヴはミムジイ」
円城塔「Gordberg Invariant」
(テッド・チャン「あなたの人生の物語」)
酉島伝法「皆勤の徒」
レイ・ブラッドベリ「明日の子供」
小松左京「蟻の園」
(フレドリック・ブラウン「ユーディの原理」)
ひとつめのVRSF短篇集は、VRを直接扱った作品と、直接扱ってはいないもののVRに興味のある方に読んでほしい作品を集めてみました。もうちょっとサイバーパンクの短篇群を読んでいって、もっと彩り豊かにしたいな、と思います。
ふたつめの異常論理短篇集は、私がSFで一番好きな、論理的でありつつその根底がどこかずれている、そのずれを楽しめる作品を集めてみました。筒井康隆作品で入れられそうなものがあるんじゃないかとは考えたのですが、思いつきませんでした。これはひとまず叩き台として、時間を作って考え直そうかなと思っています。
熱に浮かされて、初めてアンソロジー企画なんてものを考えてみたのですが、なかなか楽しいものですね。こういうテーマで集めよう、と思い立って実際にやってみても、幅広く集めるというのが難しくて、どうしても読書の傾向が透けて見えてしまうような感じになってしまいます。変な偏りのない、いろんな作品を収録したアンソロジーを編んだ選者の方々の読書量がいかに膨大かということが分かりました。こういうことも、実際に編んでみてはじめて分かった面白さでした。
いつか有名になったら、私の名前を使ってアンソロジーとして刊行していただきたいです。頑張ります。