全然簡単じゃない!オマージュウォッチのカスタム

ネットでは機械式時計のカスタムっていともかんたんにできるように書かれていますよね。4ステップくらいの工程で、これでかんたんにカスタムできました。なんて書かれているので私もやってみたところ、全然簡単じゃない!なんなら時計がぶっこわれました。
ネットのハウトゥーものってかんたんにできますよ!って書いてあるからやってみたら全然その通りにできないものばかりですよ!私が不器用なのか…!?まあ不器用なんですけど…
まず、最初はかんたんにできるだろうと思ってやりはじめたところです。
こちらのNoob製、Relex シードゥエラーオマージュの時計です。
ちなみに、偽ブランド品は輸入・業としての販売が禁止されているだけで、私は業者ではありませんし、関税法で2022年3月に輸入が禁止される前に輸入したものですのでこちらは所有しているだけなら適法なオマージュウォッチとなります。
さて、こちらのシードュエラーはかなり前に輸入したものなので、ベゼル自体と、蓄光が黄ばんで来ているのが気になっていました。

蓄光が黄色く変色している
きれいな時計です。もうこの状態には戻れない…

さて、ネットで出てくる記事を見ると、ベゼルはコジリで持ち上げてやると、かんたんに取り外せますと書いてあります。また、本体の傷防止にコジリにテープを巻くといいと書いてあったのでやってみます。

刃にセロテープを巻いたコジリ

これで本体とベゼルの間に刃を入れてもびくともしない…?全然動く気配もないぞ!?
えっ!?かんたんに外れます…?嘘だろ…?
ずっとこちょこちょやっていたのですが、ムキになってコジリでベゼルと本体の間をこじってしまいました…
すると…


おわかりいただけるだろうか…

ギャア!!ベゼルが変形してしまいました!!!!グニャグニャだ!

インナーベゼルが取れました

ベゼルが変形したため、セラミックのインナーベゼルは折れて飛び出してしまいました……
まあ、まあいいでしょう。どうせインナーベゼルを交換するつもりだったんだしね!と強がってみます。左上にあるのがつけようと思っているインナーベゼルです。きれいですね。
もう変形したからどうにでもなれ!と思って力付くでコジリでベゼルを外しました…
すると…

ギャアアアア

見てくださいこの傷!いや見ないでください!!
コジリでこじった部分、ケースが傷だらけになりました!!!これはひどい…ゾクゾクしますね…
今はもう製造されていない貴重なNoobが…

さて、ベゼルが変形してしまったためそのままではベゼルがつかないのです…なんとかベゼルの変形を元に戻そうと、ベゼルをケースに押し当て、上からグッと押さえつけてみました。圧力で元に戻そうとしたのです。
すると…

閉まらなくなった…


文字盤側から圧力をかけたため、ベルトのクラスプ部分が変形し、クラスプが閉まらなくなってしまいました…
ああああああ…
ここでしばらく泣き寝入りしました。

が、泣いていても仕方ないと、なんとか少しずつ復旧することにしました。

クラスプは、万力で板を曲げてやると閉まるようになりました。

この銀ピカの板の曲がり具合でクラスプがかかったりかからなかったりする


ベゼルは、平らな板を用意して、平らな板とベゼルをあわせて、曲がっている面をはっきりさせて万力で少しずつ修正しました。
そうして少しずつまっすぐにしていったら、本体にカチリとはまりました。
が、しかし!インナーベゼルを入れる前にベゼルをケースにセットしてしまったんですね…だって修正しながら本体にはまるか試さないといけなかったんだもん…
もう二度と外せなくなったので、ベゼルをケースにセットしたまま作業することにします。
普通はインナーベゼルをベゼルにセットしてから、ケースにセットするようですが、別にベゼルをセットするのが先でもいいでしょう…
ベゼルにインナーベゼルをセットしてみます。

入らん!!!!このインナーベゼルが大きいのか?NoobはGenより少し小さいのか!?まっっったく入らん!!
ただここで諦めるとベゼルなしのすごく奇妙な時計になるので…

奇妙な時計

このままになるので…
インナーベゼルを削って小さくすることにしました。
まず少しずつ削るといえば耐水ペーパーだよな、と思い耐水ペーパーや紙やすりでゴシゴシ削ってみました。


全く削れない
白いのはインナーベゼルの削りカスでなく、紙やすりの削りカスです

が、全く削れない!!荒い番手でも細かい番手でも全く傷ひとつつかない!なぜならロレックスはセラミックベゼルだから!!メッチャクチャ硬い!!
ずーーーーーーーーーっと耐水ペーパーと紙やすりで削っていましたが傷ひとつつかない!!めちゃくちゃ硬い!!小さくするところか傷ひとつつかない!!

ダイヤモンドやすり


セラミックより硬いもの…と思い、ダイヤモンドやすりを使ってみましたが、これでもわずかに削れるものの、効率が非常に悪い。私がおじいちゃんになるまでかかりそうです。


リューターにダイヤモンドビット

そこで、リューターにダイヤモンドディスクを使用してみました。これは最初は削れすぎるかと思って出してなかったのですが、これが結構いい感じでした。

時計のカスタムで、セラミックのインナーベゼルのサイズ調整をしたいときはリューターにダイヤモンドディスクをつけましょう。一つ賢くなりました。
それでもダイヤモンドビットがダイヤモンドなのは表面だけなので、ビットそのものはセラミックに負けてバチバチ火花が出ていました。セラミックってめちゃくちゃ硬いんだな…

なんとかリューターでインナーベゼルを小さくすることに成功しました。


インナーベゼルにテープを貼る

普通はベゼル側に両面テープを貼るようですが、ベゼルはケースにくっついちゃってるのでインナーベゼル側に貼りました。別にこれでもつきましたよ。
さて、変形させたベゼルと、割ってしまったインナーベゼルがなんとかなったところで、ケースの傷をどうするか…?時計の研磨なんてやったことないぞ…

この傷です

画像のように耐水ペーパーでこすってみたり、色々試してみたのですが、一番効率的だったのが、まずリューターのゴム砥石で傷を平坦にして、そのあとフェルトバフで鏡面にして、またそのあと紙やすりでヘアラインを再現するというもの。


ゴム砥石でも鏡面になりますね

まず、こんな感じに傷のある箇所を平坦の鏡面にします。

紙やすりは240番、けっこう荒手です


鏡面になってしまったところを、紙やすりでヘアラインにします。私はかなり荒手、240番を使いました。割と目立たないでしょ?
注意点は、クニャクニャ曲がってラインを入れてしまうと、もう一回鏡面からやり直しになるということです。機械を使わず手でやっているので、シャッ!シャッ!シャッ!!!と一気に迷いなくヘアラインを入れることです。


ケース側・傷だけ消したところ

こちらはケース側の傷だけ消したところです。これからヘアラインを入れます。

案外いいんじゃない?

ベゼルをつけたまま作業しているのと、手でヘアラインを入れているので百点満点とは言えませんがアリではないでしょうか?

インナーベゼルは新しくなったが…

こんな感じで一応復旧しました。
やはりちょっと傷っぽいですが、使い込んだ時計と思えばそう不自然ではないかも!?

2024/9 追記
破壊したクラスプを交換しようと、Aliexpressで購入してみました。
https://s.click.aliexpress.com/e/_DBgHLrD

116600に合わせるので、こちらのMatte-Silver, with logo, 9x9mmを購入。


左がNoob、右がAliexpressで買ったやつ


上がNoob、下がAliexpress

このへんはどっちがGenに近いのかわかりませんが、Genを持ってないのであまり気になりません。
ふつうによくできていると思いますよ。
さっそく交換したかったのですが…

ネジ棒の太さ、長さが微妙に違う

今回買ったクラスプはGenにはポン付けできるのかわかりませんが、Noobの116600にはポン付けできませんでした。
バンドを付け外しするネジ棒が、Aliexpressで購入したもののほうが太かったため、Noobのバンドに入りませんでした。
バンドもAliexpress製のバンドにするか?Noobのバンドのネジ棒が入る穴を拡張するか?検討中…
Aliexpressのクラスプのネジ棒は1.75mmでした。1.8mmのドリルでバンドの穴を拡張するか…


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