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何の見返りもいらないから推し官公庁に課金したい。

海上保安庁が好きだ。
国土交通省外局の海上保安庁が好きだ。どこの所属であろうがこの組織が好きだ。

おそらく大半の人は「海猿」という作品名を聞けばピンと来るだろう。
「シン・ゴジラ」だった人は握手をしよう。あんた最高だよ(冒頭は海保のターンなので是非観てほしい)

またしても長くなるので結論を言うが、このnoteへのサポートも宗谷募金へ流れていくので気軽に課金して欲しい。
推しを養いたいんだ。このnoteの存在意義はその一点に尽きる。

何をどうして海上保安庁が好きになったかのざっくりした経緯は前回のnoteをご覧いただければ幸いだが、詳細を一言で言えば漫画も含めて読書が好きだったのだ。
「トッキュー!!」という作品からのめり込んだのだ。ヘリに。

どうしてそうなった。

確かにヘリコプターは格好いい。単行本何巻かは忘れたが見開きで堂々たる姿を描かれていたりもするし、基本的にあの人たちはヘリから来る。上から来る。ヘリから目線。ちゃんと搭載艇で横付けしたりもするが圧倒的に見せ場としてヘリからの方が印象深い。

で、ヘリである。しかも何をどうした、メインとなる羽田航空基地所属でもない、新潟航空基地所属のS-76C(当時)という機種に一目惚れである。
で、読んでる側はオタクである。オタクというか、興味を持った物事に対して極端な探究心を持って突き進むタイプの没頭性を生まれ持って育ってきた。

なにせ漫画以外の活字の書いてある本であれば家庭の必要経費から出たのだ。買い与えられて育ったのだ。ありがとうマイ両親。長生きしてくれ。
丸善ソンリーサシリーズが実家にある。百科事典など眺めているだけで三日くらい欲しい。愛読書は古語辞典。

話が逸れた。
一目惚れしたヘリコプターの所属する組織のことだ。調べるに決まっている。
当時はまだインターネットもここまで発展していなくて、Twitterもなくて、Wikipediaに書かれている内容の真偽についても頭から信じ込むようなリテラシーであった。要出典のありがたみを知らぬ。

なんと、函館にいるではないか。一目惚れしたのと同じ機種が。
そして一般公開があるという。重ねて、函館は偶然にも母が旅行先として気軽に行くほど好きな土地であった。札幌市民だからもっぱら特急だけど。
別にここは作品名とはかかってません。

で、札幌駅から特急列車で約四時間。函館駅到着である。函館空港は駅から全然近くないので、バスに乗る。

これは後から調べてわかったことだが、どうも海上保安庁函館航空基地は現在の位置にある理由として、函館空港だか函館市だかから敷地を巡って一悶着あって、空港敷地内が一つの世界だったらもはや世界の果ての果てくらいの隅っこに位置している。
当然、観光客や空港に遊びに来る層に対してわかりやすく開かれた道があるわけもない。

わからないことは礼儀を以って誰かに聞く。幼少から叩き込まれた処世術の一つである。
空港カウンターのお姉さんに聞いた。お姉さん、わからない。当たり前だ。悪いことをした。
お姉さん、わざわざ航空基地に電話してくれた。ありがたさが募りすぎる。場所、わかる。徒歩で行けないのでタクシーである。
タクシーで航空基地の一般公開に乗り付ける。どうも、私です。

夢にまで見た、嫁にしたいヘリコプターナンバーワンが目の前である。かわいい。美しい。その流線型は神(シコルスキー社)のつくりたもうた最高の美の結晶なのではないだろうか。
このヘリは飛んで行くときにタイヤが機内に収納されるのだ。きゅってなる。かわいい。
もちろん一般公開で飛ぶわけもなかったが、こじんまりとしながらも和やかな一般公開であった。楽しい。楽しかった。かわいい。嫁にしたいヘリコプターが可愛い。

あとこの時、職員さんに函館空港まで徒歩で行けるか訊いたら普通に徒歩で行ける道があった。ありがたさが何かの上限を突破した瞬間である。

そこから先は話が早かった。
なんと函館まで行かなくても最寄り小樽が第一管区海上保安本部の所在地であった。
札幌市民、わりと小樽を最寄りっていうけど許してほしい。
もちろん行く。最初は家族と行く。小心だから。高校生だったし。専門学校に進んでからはそこそこ行動力もついて、それこそ友人と二人だけで大阪に行ったり東京に行ったりし始めたから、一人でも行く。隙あらば行く。

そのうちヘリコプター搭載型巡視船の存在を知る。なんと北海道、二隻もいるのだ。
この時点では一つの管区に二隻もヘリ巡がいるとか贅沢、と思っていた。天下の第三管区、横浜海上保安部に殴られるのはまた別の話。

また、千歳航空基地という存在を知る。固定翼機の中で一番結婚したいと思ったYS-11がいる(当時)。行くしかない。
ただしこの頃は新千歳空港も今のように観光客向けの要素はなくて、なくはないが航空機利用客向けでしかなくて、当たり前だが送迎以外で飛行機に乗らない人間が行くところではなかった。
しかも列車を使うと格納庫が若干見えづらい。これは車か連絡バス最強である。

着地点はどこだ、と思いながら書いているのでいつまでこの乱雑な文章が続くのか、と懸念がそろそろ湧いていらっしゃると思う。大変申し訳ないがそろそろ終わる。
そうやって手の届き足の届く範囲でつらつらと物事を調べて年史を紐解き隙あらば公開に行ってイベントに参加しパンフレットは手元にたまり、今となっては横浜市民である。

正直、巡視船が好きすぎて横浜市民になりたくて引っ越した。この話もまた長いので別にするが、ともあれそういう経緯で海上保安庁が好きだ。
途中で「宗谷」に主軸がぶれたり固定翼機の方から軍用機へ興味が逸れたりしてなんだかんだあったが、今も広く浅く他よりちょっとだけ深く海上保安庁が好きだ。なんかもう組織として全部愛おしい。

予算がないけど。時々やらかすけど。広報が息をしていないけど最近はすごい頑張ってるので応援したい。予算をあげてほしい。お年玉感覚で官公庁に課金できるシステムが欲しい。一年に一回でいいから。タイトルほぼ回収。

そんなわけで今日も日本の海を愛して守る組織を陸の上からそっと愛しているという話でした。ご拝読ありがとうございました。
おかげさまで今年は観閲式がありました。推しの晴れ舞台です。6年ぶりです。察してください。

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