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黙って私に推されてろ。

高校以来の友人が本日放った名言である。
ものすごく納得して、真理を得た気になって、いままで言語化できずにかつ己自身もほぼ無意識でいたもやもやした部分の霧が一斉に晴れたようだった。

大人しく、黙って私に推されてろ。

これだけではただの喧嘩腰に聞こえるために、背景を簡単に説明しておく。
友人の推しは生身の人間である。そしてファンクラブの特典のような流れで、本人と対面する機会を得た。

その際、例えば今後、積んだ金額の大小によって待遇が左右されそうな形式での何かがあった場合に、推し本人がその金額の大小を知ってはならないと思う、という話だ。

わかる。大変よくわかる。
あくまで推しに認識されて欲しいのは「何の不安もなくあなたが活躍し、活動に励むことによって多大なる恩恵を受けており、かつせめて己にできる限られたこととして公演やグッズの収益に多少なり貢献したい存在」がいる、という一点に尽きる。

もう好きにやってくれ。
あなた自身はあなた自身の思うように生きてくれ、頼む。その姿を、垣間見られたらそれでいいから。
そして、その邁進を、心から応援している存在は確かにいるから、安心してくれ。

もうこれだけでいい。
これだけ伝えられたらそれでいい。
それ以上、その内情まで知らなくていい。
黙って、私に推されていてくれ。

わかる。大変よくわかる。
真理を得た。悟りに一歩近づいたとすら思う。世界が晴れた、曇っていても美しいけれど。

目的は推しを推すことであって、その方法が合法であり社会秩序に反さず己の無理のない範囲である限り、手段は問わない。
だがその手段が推しに知られることは必ずしも、良いいことではない。
推し自身に、我々が推すために取った手段について、心配させてはいけない。

黙って、私に、推されててくれ。

全人類の祈りのようにすら聞こえる、尊い言葉である。
感動のあまり若干言いすぎているところはあるが、もうど真ん中「それな」を貫かれたのでしょうがない。
やはり世界で一番気の合う友人である。なお私はそのジャンルのことをほぼ全く知らないが、毎度話は楽しく聞いている。

この発言ののち、精一杯発することができたセリフは「今日の世界中の名言MVPが今ここで君に決定した」というよくわからない言葉であった。

明日も、私の推しを、静かに推していきます。

いただいたサポートは、まとまった金額になり次第、宗谷募金へ流し込みに行きます。ありがとうございます、推しが潤います。