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【学科】夫婦屋根の家(用途/住宅)

前回からの続き【建築作品を学ぼう♪】シリーズ

今回は,神奈川県川崎市に建つ夫婦屋根の家.


■解説

~↓↓↓1分で解説!YouTubeショート動画↓↓↓~

「基礎と構造がしっかりした家が欲しい.木造や和風は嫌い.」
これが,画家の夫とピアニストの妻という芸術家夫婦である施主からの要望だった.

設計者の山下和正は,ドイツやイギリスで組積造建築の経験を積んで,日本に帰国したばかりの頃だった.そこで,組積造に近いコンクリート ブロック造が採用し,鉄筋コンクリート造(RC造)に比べて,ローコストでありながら,耐久性,防火性,遮音性に優れた住宅を追求した.

プランは,1階を生活部分,2階を仕事場に分けた明快な平面構成とした.

↑のような平面に,夫婦(めおと)と名づけられた大小のトンガリ帽子の屋根がのる.

1階を生活部分,2階を仕事場として使用する立体構成
左右の屋根は,互いに寄り添っているような勾配が設けられている

■学科試験ではどう問われる?

◇平成8年に出題

平成8年(1996年)の一級建築士「学科」試験で問われた知識です↓

【計画問題コードh08094】正しい記述かどうか?
夫婦屋根の家(山下和正,1968年)は,1階を生活部分,2階を仕事場に分けた明快な平面構成である.

【解答】〇


◇平成18年に出題

平成18年(2006年)の一級建築士「学科」試験で問われた知識です↓

【計画問題コードh18092】正しい記述かどうか?
「まつかわぼっくす」(宮脇檀,1971年)は,1階を生活部分,2階を仕事場に分ける明快な空間構成とし,2階のアトリエとピアノ室は,それぞれトップライトのある寄棟屋根としている.

【解答】×

【解説】
問題文の記述は夫婦屋根の家の特徴である.まつかわぼっくすは,初めて出題されましたが,過去に出題された夫婦屋根の家の特徴を知っていれば得点できた問題です.「まつかわぼっくす(宮脇檀,1971,新宿区,RC造+木造2階建)」は,三方を建物で囲み,一方は壁で塞いだ準コートハウス形式の住宅である.2階から中庭への視線をあえて遮ることにより,中庭の求心性を高めている.RCの内側に木構造を納めた形式は,その構造的な対比によって混構造住宅の典型となっている.後に南東側に建物が増築され,コートハウス形式の住宅となった.図面は,コチラ


■まとめ【サマリーキーワード】

 ✅コンクリート ブロック造
 ✅1階を生活部分,2階を仕事場
 ✅大小のトンガリ帽子屋根


■建物概要(製図試験対策用)

 【建  物  名】夫婦屋根の家(神奈川県川崎市)
 【竣  工】1968年
 【階  数】地上2階建て
 【構  造】コンクリート ブロック造

今回は以上です♪
次の建築作品へ続く.


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