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【学科】八潮ハイツ(用途/集合住宅)
前回からの続き【建築作品を学ぼう♪】シリーズ
今回は,東京都品川区にある八潮ハイツ.
Google Earthはコチラ.
■解説
~↓↓↓1分で解説!YouTubeショート動画↓↓↓~
前々回,前回の晴海高層住宅からの芦屋浜高層住宅の流れのように,高度成長期の住宅供給不足を解消すため,集合住宅の高層化や工業化(工場であらかじめユニットを大量生産し,そのまま建築現場へ搬入することで,工期の短縮や,職人手間の削減を実現)が加速する一方で,住まい方の追求も行われていた.
その実例の一つが,東京湾をのぞむ埋立地に建てられた八潮ハイツである.集合住宅の住戸はその構成上,EVから各住戸の玄関へとアクセスするための共用廊下と,バルコニーがある.一般的には,プライバシーを高めるため,共用廊下側でなく,バルコニー側にリビング(居間)を設けるが,逆に,共用廊下側にリビングを設ける計画手法をリビングアクセス型という.
日本初のリビングアクセス型高層集合住宅が,八潮ハイツ(14階建て)である.日本勤労者住宅協会という法人団体により建設された(↓図).
![](https://assets.st-note.com/img/1684113562042-pUdukmR6lo.jpg?width=1200)
共用廊下を歩く他の住人たちに,リビングでくつろぐ家族の様子がのぞかれにくくなるように,共用廊下のレベルをリビングのレベルより,500〜600mmほど下げている.これにより,共用廊下側から住戸内のリビングはのぞけないが,団らんの気配が伝わってくるように計画されている.各住戸のプライバシーを重視するあまり,無味乾燥的な空間となりがちな集合住宅での生活において,互いに暮らしの潤いを与えあえるような工夫がなされている.
また,共用廊下側は東京湾側に向いており(Google Earthはコチラ),レベル差があることで,リビングからも東京湾の景色を一望できる(↑図).
■学科試験ではどう問われる?
平成6年(1994年)の一級建築士「学科」試験で問われた知識です↓
【計画問題コードh06093】正しい記述かどうか?
東京湾埋立地に建設された日本勤労者住宅協会による八潮ハイツは,リビングアクセス型の高層集合住宅である.
【解答】〇
■まとめ【サマリーキーワード】
✅リビングアクセス型
✅共用廊下側にリビング
✅共用廊下は港側に向いており眺望確保
■建物概要(製図試験対策用)
【建 物 名】八潮ハイツ
【竣 工】1984年
【階 数】地上14階建て
【構 造】鉄筋コンクリート造
今回は以上です♪
次の建築作品へ続く.