【西洋建築史】フィレンツェ大聖堂(イタリア)_その1
前回からの続きです.
一級建築士学科試験における西洋建築史分野からの出題において,パリのノートルダム大聖堂(ゴシック建築)と並び,激アツに出題されまくっている作品が,今回,ご紹介するフィレンツェ大聖堂です.
平成15年の一級建築士試験には,次の知識が問われました.
【解説】
ルネサンス建築は,フィレンツェ(イタリア)から始まります.その代表作が↑のフィレンツェ大聖堂.長い年月をかけて,複数の建築家が人生をかけてデザインされていきました.最大の問題は,上部の巨大ドーム(クーポラ)のデザインでした.この難問を解決した建築家がF.ブルネレスキである.↑図のように2重殻構造とし,ドームの重量を軽減させた.この二重殻の隙間を工事の足場代わりに使用することで,ドーム建設のための外部足場を不要にさせただけでなく,施工の安全性も確保した.その他,この隙間に,半球状のドームでなく,断面アーチの上部を持ち上げた尖頭アーチ状にすることで,スラスト(アーチの下部が外側に広がろうとする力)を軽減させている.
構造的合理性を追求したデザインとなっており,石積みドームとしては世界最大であり,その技術には,ローマ時代(古典建築)の土木技術が応用されている.
ドームの下部は,平面的にみて八角形となっており,その角からドームの外周を補強するためのリブがドームの頂部に向かって設けられている.ドーム下部の長堂は,ゴシック建築となっており,正式名称は,サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂という.
※花の聖母マリアの意味
【解答】◯ 続く
【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要
以上